三八式歩兵銃(読み)サンパチシキホヘイジュウ

デジタル大辞泉 「三八式歩兵銃」の意味・読み・例文・類語

さんぱちしき‐ほへいじゅう【三八式歩兵銃】

明治38年(1905)に採用された旧日本陸軍の歩兵用小銃口径6.5ミリ、最大射程2400メートルで5連発。
[類語]鉄砲銃器飛び道具ピストル短銃拳銃はじき機関銃機関砲小銃ライフルライフル銃猟銃火縄銃散弾銃空気銃大砲迫撃砲ショットガンエアガンマシンガンカービン銃バズーカ砲ガス銃ガトリング銃カラシニコフ騎銃救難銃軽機関銃ゲベール銃高圧電流銃実銃自動拳銃自動小銃重機関銃準空気銃水中銃スタンガンスナイドル銃短機関銃単身銃単発銃鳥銃二連銃村田銃モーゼル銃連発銃遊戯銃玩具銃模型銃光線銃水鉄砲豆鉄砲紙鉄砲威し鉄砲空鉄砲剣付き鉄砲竹鉄砲ふところ鉄砲山吹鉄砲トイガンモデルガンエアソフトガンエアライフルビームライフル

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精選版 日本国語大辞典 「三八式歩兵銃」の意味・読み・例文・類語

さんぱちしき‐ほへいじゅう【三八式歩兵銃】

  1. 〘 名詞 〙 明治三八年(一九〇五)に制式として採用された、旧日本陸軍の主要小銃。口径六・五ミリメートル、全長一二七六ミリメートル、重量四・三キログラム(剣付き)、最大射程四〇〇〇メートル、五連発。第二次大戦終戦まで使用された。三十八年式歩兵銃。三八式。三八。
    1. [初出の実例]「形ばかりの三八式歩兵銃を手にはしているものの」(出典:鉛筆ぐらし(1951)〈扇谷正造〉奥さまにヒゲのないわけ)

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改訂新版 世界大百科事典 「三八式歩兵銃」の意味・わかりやすい解説

三八式歩兵銃 (さんぱちしきほへいじゅう)

1905年(明治38)制定の旧日本軍の小銃で,第2次大戦終了まで使用された。旧日本陸軍は1880年より村田経芳の開発した十三年式村田銃,十八年式村田銃,二十二年式村田銃を採用してきたが(村田銃),これにかえ1897年(明治30)に有坂成章の開発した三十年式歩兵銃を採用した。三八式歩兵銃は,日露戦争の主戦兵器である三十年式歩兵銃を改良したもので,口径6.5mm,銃身長1575mm,槓桿こうかん)操作方式(ボルトアクション),5連発であった。この口径6.5mmは口径が小さすぎて不殺銃であるとの非難があった。しかし〈惨酷なる殺傷は人道的ならず,銃創は一時敵兵の戦闘力を奪えば足る〉が一般の世論であったという。騎兵砲兵など歩兵以外には三八式小銃を短くした三八式騎銃が採用された。1935年ころには諸外国の小銃の口径が7~8mmとなったことに伴い,1939年(皇紀2599年)に口径を7.7mmとした九九式小銃が採用され,しだいに三八式小銃にかえられていったが,第2次大戦終戦まで全軍には行きわたらなかった。
小銃
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「三八式歩兵銃」の意味・わかりやすい解説

三八式歩兵銃
さんぱちしきほへいじゅう

日露戦争に使用して故障が多かった三十年式歩兵銃を改良して、戦後の1905年(明治38)に制定された旧日本陸軍の小銃。制式には三十八年式歩兵銃という。口径6.5ミリ、最大照尺2400メートル、槓桿(こうかん)式(ボルトアクション)、5連発。制定以来、太平洋戦争終期まで軍用または学校教練用に使われたので、日本の軍用小銃のなかではもっとも採用期間が長い。軍隊内では兵器尊重の意味から薬室上部に菊花紋が打刻されていた。のち騎・砲兵用に短銃身の三八式騎銃も制定された。海外では、同銃の開発を担当した東京砲兵工廠(こうしょう)長、有坂成章(なりあきら)中将にちなんでアリサカライフルという。

[小橋良夫]

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百科事典マイペディア 「三八式歩兵銃」の意味・わかりやすい解説

三八式歩兵銃【さんぱちしきほへいじゅう】

1905年(明治38年)日本陸軍制定の小銃ドイツのモーゼル銃に範をとったもので,口径は小さく弾丸威力に難はあったが命中精度はよく傑作と称された。口径6.5mm,銃身長0.765m,全長1.286m,重さ3.97kg,初速732m/秒,射程2400m。装弾5発。1939年(皇紀2599年)に採用された口径7.7mmの九九式小銃に徐々に代えられていったが,第2次大戦でも使用された。→村田銃
→関連項目騎兵銃

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「三八式歩兵銃」の意味・わかりやすい解説

三八式歩兵銃
さんぱちしきほへいじゅう

1905年に陸軍砲兵工廠小銃製造所長の南部麒次郎少佐によってつくられた小銃。第2次世界大戦が終るまで,旧陸軍で最も多く使われた。村田銃,三十年式小銃を改良したもので,口径 6.5mm,重量 3.95kg,最大射程 2400m,装弾数5発で,銃剣をつけて槍のように使うというねらいから長さが 128cmあった。明治 38年に制式化されたので三八式という。

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