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サブカルチャー subculture

翻訳|subculture

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

サブカルチャー
subculture

社会の中心となる支配的な文化に対して,その社会の内部にある集団のもつ独立した文化のことで,下位文化,部分文化ともいう。支配的文化にとって周辺的と考えられる集団の属性を実体化したもの。 1960年代後半,アメリカの少年非行研究においてサブカルチャーの概念が用いられ,その後 60年代の青年文化をさすものとして普及した。また特定の階層やエスニック・グループ (民族集団) の固有の文化に対しても広く用いられるようになった。そのうち既成の価値体系に対する否定を強め,中産階級的な生活様式を拒否し,挑戦的な態度で新たな意識改革を迫ったものはカウンターカルチャー counterculture (対抗文化) と呼ばれ,人種問題の激化,ベトナム戦争の泥沼化,大学紛争などを背景に起ったヒッピー現象がその典型である。

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デジタル大辞泉の解説

サブカルチャー(subculture)

社会の正統的、伝統的な文化に対し、その社会に属するある特定の集団だけがもつ独特の文化。大衆文化・若者文化など。下位文化。サブカル。→カウンターカルチャー

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世界大百科事典 第2版の解説

サブカルチャー【subculture】

下位文化,あるいは副文化と訳され,ある社会に支配的・伝統的な文化main cultureに対置される。サブカルチャーはある集団に特有の価値基準によって形成されることで支配的文化との矛盾・対立を暗示する。subcultureの語は1950年代後半に,アメリカの社会学における少年非行研究で用いられた。その非行下位文化理論theory of delinquent subcultureでは,労働者地区特有の非行少年の特徴を,非功利性,破壊趣味,否定主義,集団的自律性などに見いだし,中産階級本位の競走的社会に対する,欲求不満の裏返しとしての一種の自己主張とした。

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大辞林 第三版の解説

サブカルチャー【subculture】

ある社会に支配的にみられる文化に対し、その社会の一部の人々を担い手とする独特な文化。例えば、若者文化・都市文化など。副次文化。下位文化。サブカル。 → 対抗文化

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

サブカルチャー
さぶかるちゃー
subculture

下位文化または副次文化と訳される。ある社会の全体的な文化total cultureあるいは主要な文化main cultureに対比される概念である。つまり、ある社会に一般的にみられる行動様式や価値観を全体としての文化と考えた場合、その全体的文化の内部にありながら、なんらかの点で独自の性質を示す部分的な文化がサブカルチャーとよばれる。それは、全体社会のなかの特定の社会層や集団を担い手とする独特の行動様式や価値観であり、いわば「文化のなかの文化」である。具体的には、たとえば上流階級の文化、ホワイトカラーの文化、農民の文化、都会の文化、若者の文化、軍隊の文化、やくざ集団の文化などがこれにあたる。また、これらのサブカルチャーを一つの全体的文化(あるいは上位文化)とみて、さらにそのなかのサブカルチャーを考えることもできる(たとえば、若者文化youth cultureのサブカルチャーとしての学生文化など)。
 サブカルチャーの概念は、もともと1950年代後半のアメリカ社会学における非行研究(非行少年が形成している独特の非行下位文化delinquent subcultureの研究)から発展してきたものであるが、今日では、前述のように、階層文化、年齢層文化、職業文化、地域文化など、さまざまの領域で広く用いられるようになっている。サブカルチャーは、全体的な文化から相対的に区別される独自性をもつ文化であるから、その文化に参与する人々に対して、支配的な全体文化のなかでは十分に満たされない欲求を充足させる役割を果たすことが多く、またそれらの人々に心理的なよりどころを与える場合も少なくない。と同時に、多様なサブカルチャーの存在は、全体としての文化の画一化を防ぎ、文化に動態性と活力とを与える働きをする。
 サブカルチャーと全体文化あるいは主要文化との機能的な関係は、多くの場合、相互補完的である。つまり、サブカルチャーは、その独自性(全体文化あるいは主要文化との差異)を通して支配的な文化構造を補完し、その維持存続に貢献している場合が多い。しかし反面、サブカルチャーが、支配的文化に対立し抵抗する対抗文化counter cultureとしての働きをもつこともある。サブカルチャーの独自性が強く、その内容が支配的な文化に対して明確に批判的または敵対的であり、しかもそれが社会のなかである程度の影響力をもつような場合、サブカルチャーは対抗文化として作用し、支配的な文化構造の動揺や変動を導き、新しい文化形成の契機となることがある。たとえば、ヒッピーの活動や新左翼運動などを含む、1960年代後半から70年代前半にかけての先進的産業社会における若者文化には、明らかにそういう対抗文化的な性格がみられた。[井上 俊]
『A. K. Cohen Delinquent Boys (1955, The Free Press, U. S. A.)  ▽D. Arnold ed. The Sociology of Subcultures (1970, Glendessary Press, U. S. A.) ▽T・ローザック著、稲見芳勝・風間禎三郎訳『対抗文化の思想』(1971・ダイヤモンド社)』

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世界大百科事典内のサブカルチャーの言及

【対抗文化】より

…ある社会の支配的文化に対し,敵対し反逆する下位文化(サブカルチャー)を,一般に対抗文化(カウンターカルチャー)あるいは敵対的文化(アドバーサリー・カルチャー)と呼ぶ。だが現代におけるカウンターカルチャーは,先進産業社会とくにアメリカにおいて,1960年代から70年代初め,すなわち人種問題の激化,ベトナム戦争の拡大,公害問題の深刻化などを背景とする時代に盛りあがりを見せた,青年の反逆現象ないし〈異議申立て〉のなかで生み出された思想,価値体系およびライフスタイルを指す。…

※「サブカルチャー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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