ミクロ(その他表記)〈ドイツ〉Mikro/〈フランス〉micro

デジタル大辞泉 「ミクロ」の意味・読み・例文・類語

ミクロ(〈ドイツ〉Mikro/〈フランス〉micro)

[名]ごく小さいこと。微小。極微。「ミクロ世界」→マイクロ
[形動]《「ミクロスコピック」の略》微視的であるさま。「ミクロに眺める」⇔マクロ
[類語]微小微微細かい小さい微細細微細密緻密ちみつ細か微視的近視眼的一面的一方的偏狭管見短見場当たり盲目的

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「ミクロ」の意味・読み・例文・類語

ミクロ

  1. ( [フランス語] micro [ドイツ語] Mikro )
  2. [ 1 ] 〘 名詞 〙 ( 形動 ) 非常に小さいこと。極小。極微。また、微視的であるさま。マイクロ。⇔マクロ
  3. [ 2 ] 〘 造語要素 〙 メートル法などで、基本単位の一〇〇万分の一を単位とする時に、基本単位名の上につけて用いる。一般にはマイクロを冠する。〔物理学術語和英仏独対訳字書(1888)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「ミクロ」の意味・わかりやすい解説

ミクロ

〈小さい〉ことを意味するギリシア語に由来する。ここでは英語のmicroscopic(微視的)の省略形として,かつ自然科学の文脈に限って理解することにする。ミクロな視点の取り方は,状況によって多様に変化する。通常目に映る現象マクロと考えれば,現象を原子分子ふるまいで記述しようとする原子論的な立場はミクロということになる。統計力学も,その意味ではミクロである。しかし,統計力学は,原子・分子のふるまいを一つ一つ力学的に時系列内に確定して記述するのではなく,確率論的扱いをする。その意味では,原子・分子のふるまいを枚挙的かつ確定的に記述する立場がミクロであって,統計力学はマクロであることになる。この場合,統計力学は〈粗視的coasely-viewed〉であるともいわれる。

 量子力学は,原子内のレベルsub-atomic level,一般に素粒子のふるまいを記述するが,古典力学物体のふるまいを記述する方法とは本質的に異なる。われわれの観測装置は古典力学的原則に従い,素粒子は量子力学的原則に従うこと,われわれの素粒子のふるまいについての観測はつねに素粒子と相互作用した観測装置について行われること,この2点からいわゆる観測の問題が生ずるが,ここではもっとも基本的な意味でミクロとマクロの対立が生じている。量子力学的原則に従う素粒子はミクロであり,古典力学的原則に従う観測装置はマクロである。したがって観測の問題はミクロとマクロの立場をどのようにつなぐか,という問題として理解することができよう。
統計力学 →不確定性原理 →量子力学
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「ミクロ」の意味・わかりやすい解説

ミクロ(物理)【ミクロ】

microscopic(微視的)の省略形。マクロ(巨視的)の対。現象を,分子・原子・素粒子を本質的なものとして考えたときの,その対象または状況を形容する言葉。巨視的量は微視的量の統計的平均値と見なされ,ミクロな現象は量子力学で,マクロな現象は古典力学で記述される。
→関連項目メソスコピック系

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

とっさの日本語便利帳 「ミクロ」の解説

ミクロ

「ミクロ経済学」の略。

出典 (株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」とっさの日本語便利帳について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミクロ」の意味・わかりやすい解説

ミクロ

微視的」のページをご覧ください。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android