(読み)ヨウ

デジタル大辞泉 「妖」の意味・読み・例文・類語

よう【妖】[漢字項目]

常用漢字] [音]ヨウ(エウ)(呉)(漢) [訓]あやしい
色気があってなまめかしい。「妖艶ようえん・妖姿・妖婦
あやしく不気味だ。「妖異妖怪妖気妖術妖精妖魔幻妖

およずれ〔およづれ〕【妖】

妖言およずれごと」の略。
が待ち問ふに―の狂言たはこととかも」〈・三九五七〉

よう〔エウ〕【妖】

あやしいこと。不吉なこと。また、もののけ。妖怪。「の物」

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精選版 日本国語大辞典 「妖」の意味・読み・例文・類語

およずれおよづれ【妖】

  1. 〘 名詞 〙およずれこと(妖言)
    1. [初出の実例]「なゆ竹の とをよる皇子(みこ) さ丹(に)つらふ わが大王は 隠国(こもりく)泊瀬(はつせ)の山に 神さびに 斎(いつ)きいますと 玉梓(たまづさ)の 人そ言ひつる 於余頭礼(オヨヅレ)か わが聞きつる」(出典万葉集(8C後)三・四二〇)

ようエウ【妖】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 若々しく美しいこと。なまめかしいこと。あでやかなこと。
  3. 不吉なこと。怪しいこと。わざわい。災難。また、もののけ。妖怪。
    1. [初出の実例]「橘広相が書。殷宗懿徳。升耳之災自銷 宋景善言。守心之妖俄変」(出典:十訓抄(1252)六)
    2. [その他の文献]〔礼記‐月令〕

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普及版 字通 「妖」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 7画

(異体字)
11画

[字音] ヨウ(エウ)
[字訓] あでやか・あやしい

[説文解字]

[字形] 形声
正字はに作り、(よう)声、は笑の初文。〔説文〕十二下に「巧なり。一に曰く、女子の笑ふ皃なり」とし、「詩に曰く、桃のたる」と〔詩、周南、桃夭〕の句を引く。今本は「夭夭」に作る。「巧なり」も「巧笑なり」の誤りであろう。(笑)は手をあげて舞う巫女の形。その姿態を夭という。巫が神がかりの状態にあって神託をのべることを若といい、これをまがごととすることもあって、示部一上に「地、物に反するをと爲すなり」とあり、神怪のことをいう。字はまた(よう)と通用する。人の妖艶なるものも、衒媚のおそれがあるというので、また妖という。

[訓義]
1. あでやか、なまめかしい。
2. あやしい、まがごと。
3. もののけ、地の怪。
4. 字はまたに作る。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕妖 加美奈(かみなぎ)〔名義抄〕妖 ウルハシ・ナマメイタリ・カホヨシ・ヨキヲムナ・ワザハヒ・ヤサシ・タブロカス・マジログ・タヲヤカニ・カミナギ・ウツタマ

[語系]
・夭・・幺yは同声。幼・幽yuも声義近く、身をくねらせて舞い、幽艶の趣があることをいう。若が神明の意に随順するのに対して、妖には衒媚、呪詛的な意がある。

[熟語]
妖悪・妖異・妖雲・妖・妖艶妖婉妖訛妖恠・妖怪・妖玩・妖忌・妖気・妖姫・妖鬼・妖偽・妖凶・妖教妖嬌・妖・妖・妖妖愆妖言・妖幻妖胡妖蠱・妖・妖妖倖・妖災・妖姿・妖邪・妖寿・妖獣・妖術・妖象・妖祥妖燭・妖色・妖神・妖人妖彗・妖精・妖声・妖星・妖・妖賊妖態・妖誕・妖童・妖靡・妖巫・妖服・妖物・妖氛・妖嬖・妖変・妖魔・妖魅・妖夢・妖霧・妖妄・妖冶・妖麗・妖・妖・妖惑
[下接語]
姦妖・妖・幻妖・災妖・詩妖・祥妖・人妖・瑞妖・草妖・服妖・物妖・氛妖・面妖・妄妖・木妖・冶妖・夜妖・幽妖・余妖・謡妖・霊妖

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