婀娜(読み)アダ

デジタル大辞泉 「婀娜」の意味・読み・例文・類語

あ‐だ【×婀×娜】

[形動][文][ナリ]
1 女性の色っぽくなまめかしいさま。「婀娜な年増としま」
2 美しくたおやかなさま。
「花の色を―なる物といふべかりけり」〈古今・物名〉
[ト・タル][文][形動タリ]2に同じ。
「―たるその姿態は能よく鉄石の心をも蕩とろかすといわれていた」〈中島敦・悟浄出世〉
[類語]官能的・肉感的・扇情的・性的・卑猥ひわい・淫猥いんわい・猥褻わいせつ・いやらしい・淫靡いんび・淫乱・みだら・みだりがわしい・いかがわしい・エッチ・あだっぽい・色気・なまめかしい・色っぽい・色香・艶っぽい・あでやか・濃艶・妖艶・あで姿・セクシー・チャーミング・コケットリー・コケティッシュ・エロ・エロチック・セクシュアル・不身持ち・不品行・ふしだら・不行状・不行跡・淫蕩・好き者しゃ・好き者もの・色好み・色情狂・色気違い・自堕落・エロい・好色・多淫・放蕩・遊蕩・邪淫・荒淫・姦淫かんいん・淫奔いんぽん・漁色・酒色・すけこまし・ジゴロ・尻軽・きわどい・淫婦・女たらし・女狂い

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「婀娜」の意味・読み・例文・類語

あ‐だ【婀娜】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用ナリ・タリ 〙 ( 口語では、連体形「あだな」の形が用いられる )
  2. ① たおやかで美しいさま。なよやかで、なまめかしいさま。
    1. [初出の実例]「我はけさうひにぞみつる花の色をあだなる物といふべかりけり〈紀貫之〉」(出典:古今和歌集(905‐914)物名・四三六)
    2. 「翡翠(ひすい)の髪ざしは婀娜とたをやかにして、楊柳の春の風に靡くがごとし」(出典:謡曲・卒都婆小町(1384頃))
    3. [その他の文献]〔曹植‐洛神賦〕
  3. ② (女性の)色っぽく、なまめかしいさま。特に、近世末期には、粋な感じも含んでいった。
    1. [初出の実例]「諸事婀娜(アダ)とか云て薄化粧がさっぱりして能(いい)はな」(出典:滑稽本・浮世風呂(1809‐13)三)
    2. 「何がといって一日増に仇(アダ)になるおめへを他人中(ひとなか)へ手放して置(おく)が気になってならねへ」(出典:人情本・春色梅児誉美(1832‐33)三・一三齣)
  4. ③ 物事が色っぽく洗練されているさま。
    1. [初出の実例]「めりやすの本をもらって参りした。〈略〉いっそあだでようすよ」(出典:洒落本・通言総籬(1787)二)

婀娜の語誌

( 1 )「婀娜」は、「曹植‐洛神賦」(文選)に見えるように、漢語起源の語であり、原義は、たおやかで美しいさまを表わした。日本の文献では中古以降用例が見られ、中世まではほとんど漢語本来の意味を保って用いられていた。
( 2 )近世後期になると、特に女性の色っぽくつやめかしいさまを表わすようになった。為永春水などの手になる人情本は、婀娜の世界を基調とする戯作と言われ、二〇歳代半ばも過ぎ、苦労人としての人情の機微を十分に弁え、垢抜けした色っぽさを湛えた「年増女」がその典型であった。
( 3 )「婀娜」と「いき」は意味的に重なっているが、「いき」を特に視覚面からとらえた美意識が「婀娜」である。近代に入ると、「美しいといふよりは仇っぽくて、男殺しといふのは斯ういふ人を謂ふのかと思はれた」〔二葉亭四迷「平凡‐五九」〕のように、性的な魅力の面が強調されるようになる。
( 4 )なお、本来アタと発音されていた「仇」が、近世中期以降濁音化してアダとなったので、「婀娜」の意味に「仇」の字が用いられることが少なくない。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

アジア諸国の友好と平和促進とを目的としたスポーツ大会。第1回は1951年にインドで開催。原則としてオリンピックの中間年に行われる。主催はアジア‐オリンピック評議会。→アジア冬季競技大会...

アジア競技大会の用語解説を読む