好き者(読み)スキモノ

デジタル大辞泉 「好き者」の意味・読み・例文・類語

すき‐もの【好き者/数寄者/数奇者】

物好きな人。好事家こうずか。また、風流を好む人。すきしゃ。
好色な人。色好み
[類語]色好み好色すけべいすけべえ漁色女好き男好き・色を好む・プレーボーイ女たらし女殺し好色家鼻下長びかちょう変態助兵衛ったらしい惚れっぽい惚れる愛する恋する好くめる焦がれる思う慕う愛慕思慕恋慕惚れ込む見とれる見惚れる惚れ惚れ一目惚れ懸想けそう目尻を下げる思いを掛ける気がある多情浮気移り気気が多い熱し易く冷め易い気移り心移り色気違いマダムキラーレディーキラー手が早いちゃら浮気者艶福艶福家放蕩ほうとう蕩児とうじ遊蕩ゆうとう色魔女狂い男狂い淫らみだりがわしい卑猥ひわい淫猥いんわい猥褻わいせついやらしい淫靡いんび淫乱いかがわしいエロチックエッチ官能的肉感的扇情的性的あだっぽい色気なまめかしい色っぽいあだ色香つやっぽいあでやか濃艶妖艶あで姿セクシーチャーミングコケットリーコケティッシュエロセクシュアル不身持ち不品行ふしだら不行状不行跡淫蕩色情狂自堕落エロい多淫邪淫荒淫姦淫かんいん淫奔いんぽん酒色すけこましジゴロ尻軽きわどい淫婦

すき‐しゃ【好き者/数寄者/数奇者】

物好きな人。好事家こうずか。すきもの。
「―の間に平七が細工求めたき旨申さるるじん出来いでき」〈露伴・風流魔〉
数寄の道に専念する人。特に、茶道についていう。風流人
色好みの人。好色家。すきもの。
[類語](3淫らみだりがわしい卑猥ひわい淫猥いんわい猥褻わいせついやらしい淫靡いんび淫乱いかがわしいエロチックエッチ官能的肉感的扇情的性的あだっぽい色気なまめかしい色っぽいあだ色香つやっぽいあでやか濃艶妖艶あで姿セクシーチャーミングコケットリーコケティッシュエロセクシュアル不身持ち不品行ふしだら不行状不行跡淫蕩好きもの色好み色情狂色気違い自堕落エロい好色多淫放蕩遊蕩邪淫荒淫姦淫かんいん淫奔いんぽん漁色酒色すけこましジゴロ尻軽きわどい淫婦女たらし女狂い

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精選版 日本国語大辞典 「好き者」の意味・読み・例文・類語

すき‐しゃ【好者・数奇者・数寄者】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 物好きな人。風流な人。すきもの。
    1. [初出の実例]「花はよし野はつ瀬に月はすまうらあかし潟(かた)とふるき数寄者(スキシャ)のいへるもしかれなれとも」(出典洒落本傾城つれつれ草(1737)序)
  3. 色好みな人。好色家。すきもの。
    1. [初出の実例]「これは色このむすきしゃと、すだれの内なる人の云けるをききて」(出典:仮名草子・仁勢物語(1639‐40頃)下)
  4. 茶の湯をたしなむ人。茶道を好む人。茶人。
    1. [初出の実例]「本朝諺謂茶者、曰数寄者」(出典:酒茶論(1576))

すき‐もの【好者・数奇者・数寄者】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 物ずきな人。また、風流な人。好事家。すきしゃ。
    1. [初出の実例]「むかし、すき物ども集まりて、物の名をよみけるに」(出典:伊勢物語(10C前)一一〇)
    2. 「此間美濃・大垣・岐阜のすきものとぶらひ来りて、歌仙あるは一折など度々に及」(出典:俳諧・笈の小文(1690‐91頃))
  3. 色好みの人。好色者。すきめ。すきしゃ。すきびと。
    1. [初出の実例]「梅花さきてののちの身なればやすき物とのみ人のいふらん〈よみ人しらず〉」(出典:古今和歌集(905‐914)雑体・一〇六六)
  4. すきしゃ(好者)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「好き者」の意味・わかりやすい解説

好き者
すきもの

風流・風雅の道に深く心を寄せる人、物事を愛好する人、好事家(こうずか)をいい、また、恋愛の情趣を好む人、色好みの人をいい、さらに広くは、茶の湯をたしなむ人、茶道を好む人をもいう。「好き」には「数奇」あるいは「数寄」の字をあてることもあり、「好き者(しゃ)」ともいう。もとは、風流・風雅に思いを寄せ、あらゆる情趣に興味を示す人の意であったのが、とくに江戸時代以降は、物事に熱中する好事家や色好み、好色者に対して多く用いられ、現在では、とりわけ男女の恋愛の情趣に対し、思うまま行動に移す人物をさすことばとしての意味が強い。

[棚橋正博]

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世界大百科事典(旧版)内の好き者の言及

【数寄者】より

…とくに茶の湯を趣味とする人。本来は〈好き者(もの)〉の意で,《伊勢物語》などでは好色な男を指すが,中世になって風流を好む人を意味するようになり,《日葡辞書》には〈茶の湯の道とその修業に打ちこんでいる人〉とある。明治時代以後,財界,政界の著名人のなかに茶の湯を趣味とする名物道具の収集家があらわれ,単に数寄者というとき,彼らを指している。…

※「好き者」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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