デジタル大辞泉
「巡る」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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めぐ・る【巡・廻・回】
- 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙
- ① あるものを中心にして、円を形づくる。物の周囲をひとまわりするようにとりかこむ。
- (イ) 平面的にぐるりとかこむ。
- [初出の実例]「射水川 いゆき米具礼(メグレ)る 玉くしげ 二上山は」(出典:万葉集(8C後)一七・三九八五)
- 「宮を環(メクリ)て城を築いて」(出典:大唐西域記巻十二平安中期点(950頃))
- (ロ) 立体的に回転する。
- [初出の実例]「日は〈略〉此の経王の力に由りて、暉を流して四天を遶(メグル)」(出典:西大寺本金光明最勝王経平安初期点(830頃)九)
- 「つばくらめ子産まむとする時は尾をささげて、七度めぐりてなむ産み落すめる」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
- ② 周囲をまわる。一定の経路を経て移動する。
- (イ) 移動して、一巡する。
- [初出の実例]「輪宝前に道びきたるを後に余の宝随ひて四大洲を巡(メグル)」(出典:地蔵十輪経元慶七年点(883)八)
- 「さかづきのめぐりくるもかしらいたく覚ゆれば」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若菜下)
- (ロ) 読経などしながら仏像のまわりを歩く。行道(ぎょうどう)する。
- [初出の実例]「馬、自づからに寺の金堂に行道(メクル)」(出典:日本書紀(720)斉明四年一一月(北野本訓))
- (ハ) 一定の軌道に乗って、あるいは、一定の経路の中を移動する。循環する。
- [初出の実例]「地球は日を周(メグ)りて転じ月は地球に随ひて環(メグ)る」(出典:小学入門(甲号)(1874)〈民間版〉)
- (ニ) あることを中心としてそれに関連する。まつわる。「そのことをめぐって議論する」
- [初出の実例]「母の言葉の放った光りに我身を縈(メグ)る暗黒を破られ」(出典:浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉三)
- ③ あちこちに移動する。
- (イ) あちこち歩きまわる。あちこち動きまわる。
- [初出の実例]「国米具留(メグル)獦子鳥(あとり)鴨(かま)鳧(けり)行きめぐり帰(かひ)り来までに斎(いは)ひて待たね」(出典:万葉集(8C後)二〇・四三三九)
- 「既に祭行、介山に遊き、安邑を回(メクル)」(出典:漢書楊雄伝天暦二年点(948))
- (ロ) 思いや考えが去来する。あれこれと考える。
- [初出の実例]「興望は旅中にあれば、感腸頻に廻て、思、休みがたし」(出典:海道記(1223頃)橋本より池田)
- ④ 時が一定の法則によって経過する。時が周期的に到来する。再びその時になる。
- [初出の実例]「年月のめぐりくるまのわになりて思へばかかるをりもありけり」(出典:蜻蛉日記(974頃)下)
- ⑤ 時間を経過して再びその状態になる。幾度もこの世に生まれてくる。輪廻する。
- [初出の実例]「おとど・宮なども、深き契ある中は、めぐりても、絶えざなれば」(出典:源氏物語(1001‐14頃)葵)
- ⑥ ( 「世にめぐる」の形で ) この世に生きる。俗世に生きている。
- [初出の実例]「われかくてうき世の中にめぐるともたれかは知らむ月の都に」(出典:源氏物語(1001‐14頃)手習)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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