[1] 〘副〙 (「と」を伴って用いることもある)
① ぶらさがって揺れ動くさまを表わす語。ぷらぷら。ぶらりぶらり。
※
史記抄(1477)三「客殿の天井にぶらぶらとさがりてあるを」
②
惰性で事を行なうさま、また、なすこともなく怠惰に暮らしているさまを表わす語。ぶらりぶらり。
※浮世草子・西鶴織留(1694)四「今時は薬が人をころすはじめから無用といふたに、ぶらぶらと掛て置て」
※俳諧・三千風笈さがし(1701)上「きのふもぶらぶらと暮しけふものさのさと」
③ 目的もなくゆっくりと歩くさまを表わす語。ぶらりぶらり。
※
咄本・くだ巻(1777)
初夢「とそ酒の微酔い機げん、足に任せて暮かぬる日をぶらぶら行ば、七福神の
芝居」
④ 病気が長びいてなかなか治らないさまを表わす語。
※咄本・軽口露がはなし(1691)四「あけくれぶらぶら煩ものあり」
⑤ (目の前にぶらぶらする意で)
事柄の実現が
目前にあるさまを表わす語。
※
浄瑠璃・三荘太夫五人嬢(1727)二「彼奴原を引括れば千石の
加増はぶらぶら」
[2] 〘形動〙 細長い物が、ゆるんだり折れたりして固定せずゆれ動くようになるさま。ぶらんぶらん。「
人形の手がぶらぶらになる」
[3] 〘名〙
① ぶらさがっているもの。ぶら。
※
仮名草子・
仁勢物語(1639‐40頃)下「さる機
(はた)の上
(かみ)に、
草鞋(わらんじ)の大きさして、さし出でたるぶらぶらあり」
② (なすこともなく遊んで暮らすさまから転じて) あそびにん。
遊侠。ぶら。
※浄瑠璃・夏祭浪花鑑(1745)三「人の厭がるぶらぶらも、年が
異見で直たか」
※雑俳・大黒柱(1713)「ぶらぶらが
毎年出てぶらつかかす」
④
武具。
指物の名。軸棒の
先端に釣鐘状の作り物をとりつけたもの。ちろり。〔武用弁略(安政再板)(1856)〕