デジタル大辞泉
「復」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
ふく‐・する【復】
[1] 〘自サ変〙 ふく・す 〘自サ変〙 もとへもどる。もとどおりになる。もとの状態になる。
※
今昔(1120頃か)三「其の後、
羅睺羅及び諸の
比丘、各本形に復しぬ」
[2] 〘他サ変〙 ふく・す 〘他サ変〙
① もとへもどす。もとどおりにする。かえす。
※
太平記(14C後)二七「本に代を復
(フク)すべしとて」
② 繰り返す。反復する。復習する。
※
義経記(室町中か)二「夜は夜もすがらこれをふくし給ひ」
③ つぐなう。また、おぎなう。
④ しかえしをする。
⑤ 答える。返答する。復申する。また、言う。申し上げる。
ふく【復】
〘名〙
※
令集解(701)
賦役「古記云。〈略〉復者。除
二其賦役
一也」 〔
漢書‐高帝紀上〕
② 易の
六十四卦の一つ。
。上卦は坤(地)、下卦は震(雷)。地雷復ともいう。
機運がふたたびめぐってくる象。剥卦
の
一陽が下にかえってきたさま。
おち をち【復】
① はじめにかえること。もとへもどること。
※
万葉(8C後)一七・四〇一一「鷹はしも あまたあれども〈略〉手
(た)放れも 乎知
(ヲチ)もかやすき」
② 若がえること。
※万葉(8C後)二〇・四四四六「わが宿に咲ける撫子まひはせむゆめ花散るないや乎知(ヲチ)に咲けて」
ふく‐・す【復】
[2] 〘自サ五(四)〙 ((一)から転じたもの) =
ふくする(復)(一)
[3] 〘他サ五(四)〙 ((一)から転じたもの) =
ふくする(復)(二)
かえっそう・す かへっさうす【復】
〘他サ変〙 (「かえりさまにす」から変化した語) 同じことを繰り返す。反復する。かえそうす。
※土井本周易抄(1477)一「高而不レ危、不レ違レ礼、能旋反とかへっさうして行レ之ぞ」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
世界大百科事典(旧版)内の復の言及
【葬制】より
…この中間期はしばしば盛大な祭宴を伴う洗骨の儀礼によって終わる。死体が清められて骨部のみが保存されるとともに,死者の霊魂は祖先の世界に入って安住の地を見いだし,一方,生者は服喪を終えて日常生活に復帰することになる。ここに見られる構造は,この種の葬制が生と死の分離の強調だけで終わることなく,中間的移行期をへた後に,死者と祖先,服喪者と日常性といった統合の過程が続くことを示している。…
※「復」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」