(読み)カ

デジタル大辞泉 「果」の意味・読み・例文・類語

か【果】[漢字項目]

[音](クヮ)(呉)(漢) [訓]はたす はてる はて
学習漢字]4年
木の実。「果実果樹果汁果糖果肉結果堅果青果摘果落果
原因があって生じるもの。「果報悪果因果いんが結果効果成果戦果
仏教の悟りの境地。「仏果
思い切ってする。「果敢果断
予想どおり。はたして。「果然
[名のり]あきら・はた・まさる
難読無花果いちじく果物くだもの果敢はかない

か〔クワ〕【果】

[名]
《〈梵〉phalaの訳》仏語
㋐原因から生じた結果。⇔
過去行為から生じた結果。報い。⇔
㋒仏道修行によって得た悟りの境地。
木の実。くだもの。
[接尾]助数詞。くだものを数えるのに用いる。「かき

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精選版 日本国語大辞典 「果」の意味・読み・例文・類語

クヮ【果】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. 果実のこと。くだもの。
      1. [初出の実例]「譬ば長者の田に種子を蒔、水をひき、時に随て、つくろひて後、此種子を長ぜざれといはねども、必ず其果を得るが如し」(出典:梵舜本沙石集(1283)二)
      2. [その他の文献]〔周礼‐地官・場人〕
    2. 物事の結果。また、善悪の行ないに応じて受ける報い。果報。⇔
      1. [初出の実例]「罪を作れば定(さだめ)て果を感ずる也」(出典今昔物語集(1120頃か)三)
      2. [その他の文献]〔徐陵‐東陽双林寺傅大士碑〕
    3. 仏教の真理を悟ること。悟りの境地。
      1. [初出の実例]「勒(つとめ)の果(クヮ)に至るものは、少女なれ共心至り」(出典:浮世草子・傾城禁短気(1711)三)
    4. 勇気があること。
      1. [初出の実例]「君智而謀、果而恵」(出典:性霊集‐三(835頃)贈伴按察平章事赴陸府詩)
    5. 石・斛(こく)の異称。
      1. [初出の実例]「布施事多田色々歎申、廿果銭沙汰、今十果事、来秋可沙汰之由捧請文了」(出典:経覚私要鈔‐嘉吉三年(1443)六月九日)
  2. [ 2 ] 〘 接尾語 〙 くだもの類を数えるのに用いる語。
    1. [初出の実例]「大なる梨子・柿〈略〉一二果を食つるに」(出典:今昔物語集(1120頃か)一三)

はて【果】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「はてる(果)」の連用形の名詞化 )
  2. はてること。物事の終わり。しまい。末。最終。最後。
    1. [初出の実例]「いろみえでゆきつもりたる身のはてやつひにけぬべきやまひなるらん」(出典:貫之集(945頃)一〇)
    2. 「追付(おしつけ)(りょう)芝居が果(ハテ)でござりませうが」(出典:洒落本・初葉南志(1780))
  3. 人の死後の忌(いみ)や喪の終わり。また、その時に行なう仏事。四十九日、また一周忌
    1. [初出の実例]「桃園兵部卿宮うせ給て、御はて九月つごもりにしたまひけるに」(出典:大和物語(947‐957頃)九)
  4. いちばんはしの所。
    1. [初出の実例]「東路のみちのはてなる常陸帯のかごとばかりもあひみてし哉」(出典:古今和歌六帖(976‐987頃)五)
  5. 人の境遇の最後に行きついたところ。ふつう悪くなった場合にいう。おちぶれはてた姿。末路。なれのはて。
    1. [初出の実例]「太后は、邯鄲の傾城のはてぢゃほどに、不調で淫乱なぞ」(出典:史記抄(1477)五)
  6. 一年の最後の月。一二月。はての月。
    1. [初出の実例]「果の朔日(ついたち)の朝から 節季候の来れば風雅も師走哉」(出典:俳諧・俳諧勧進牒(1691))

はかし【果】

  1. 〘 形容詞シク活用 〙 はかばかしい。
    1. [初出の実例]「はかしうも無事を本にするぞ」(出典:漢書列伝綿景抄(1467頃))

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普及版 字通 「果」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 8画

[字音] カ(クヮ)・カン(クヮン)
[字訓] このみ・はたす・はて

[説文解字]
[金文]

[字形] 象形
木上に果実のある形。〔説文〕六上に「木実なり。木に従ひ、果の形の木上に在るに象る」とあり、全体を象形とする。

[訓義]
1. このみ、くだもの。
2. 花よりして実り、結実するので、はたす、はて、結果の意となる。
3. 敢・と通じ、果敢・果決の意となる。つよい、いさぎよい、勝つ。
4. (かん)と通じ、礼。

[古辞書の訓]
和名抄〕果 日本紀私記に云ふ、古能美(このみ)、俗に久多毛乃(くだもの)と云ふ 〔名義抄〕果 コノミ・クダモノ・ハタス・トグ・トゲヌ 〔字鏡集〕果 コノミ・クダモノ・ハタス・サダム・ノブ・ナル・トゲヌ・ヨシ・アラハス

[声系]
〔説文〕に果声として・踝・課・夥・・裹・顆・など十三字を収める。果はまるくつやのあるもの、外皮のないものなどを意味する。内に生命力を含むものをいう。裸は(ら)の異文。果に・裸の声があるのは、果の古音が(から)、壺盧(ころ)の音と近かったからであろう。その語は、中空の意である。

[語系]
果・裹kuai、khuai、koaは声義が近い。また別にkuanの声があり、kuanと同声。鬱鬯(うつちょう)を以て礼をいう。敢kamも声近く、通用する。

[熟語]
果鋭・果園・果敢・果悍・果毅・果勁・果決・果験・果行・果穀・果菜・果子・果爾・果実・果樹・果然・果断・果団・果否・果必・果腹・果法・果報・果木・果勇・果・果烈・果将
[下接語]
因果果・花果・佳果・嘉果・甘果・柑果・奇果・業果・結果・効果・香果・残果・市果・時果・朱果・酒果・秋果・上果・新果・成果・青果・碩果・仙果・戦果・善果・果・沈果・珍果・庭果・摘果・果・投果・百果・果・仏果・木果・妙果・名果・野果

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【塩】より

…炉は石組みのもの,石敷きのもの,灰土で壁をつくるものなどあり,大は福井県大飯町船岡遺跡の長径約5m,短径約1.8mの石敷炉,小は香川県坂出市ナカンダ浜の長径約1.0m,短径約0.7mの灰土炉などがある。製塩土器でつくられた塩が,さらに加熱固型化され,いわゆる焼塩にされる場合もあり,古代の文献にみえる顆(か)あるいは果という計量単位は,こうした固型焼塩の存在を示すものであろう。したがって,製塩土器が内陸で炭灰とともに発見されることがあるのは,単に運搬容器としてだけでなく,搬入先で焼塩が行われたことをも示す。…

※「果」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」