渋る(読み)シブル

デジタル大辞泉 「渋る」の意味・読み・例文・類語

しぶ・る【渋る】

[動ラ五(四)]
物事がすらすらと運ばなくなる。円滑に進まなくなる。「筆が―・る」「売れ行きが―・る」
気が進まないようすをする。嫌がってなかなか実行しない。「出席を―・る」「返事を―・る」
渋り腹で通じが悪くなる。「腹が―・る」
[類語]ためらう面倒臭い世話煩雑面倒厄介手数てかず手数てすう複雑煩瑣はんさ難しいうるさい煩わしいややこしいやかましいくだくだしいうっとうしいこうるさい気詰まりしち面倒しち面倒臭い難儀煩多錯雑錯綜さくそうしち難しい入り組む込み入る手が込む気が重い気が進まない気乗り薄うんざり億劫おっくう投げ遣り大儀懶惰らんだ横着怠慢怠惰不精懈怠けたい飽き飽き世話が焼ける手が掛かる冗長繁簡ごたごたもつれる入り乱れる紛糾ごっちゃ乱雑雑然

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精選版 日本国語大辞典 「渋る」の意味・読み・例文・類語

しぶ・る【渋】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙
    1. 事物がつかえがちになったり、なめらかに進行しなくなったりする。すらすらと動かなくなる。
      1. [初出の実例]「輪が泥がねばいほどに輪がしぶるなりぞ」(出典:京大図書館本周易抄(1477)六)
      2. 「猶好句あらんとすれば、却て句しぶり」(出典:俳諧・去来抄(1702‐04)修行)
    2. 気がすすまなくなる。ためらう。
      1. [初出の実例]「いかにせん、こたみはよにしぶらすべくもものせじと、おもひさはぐほどに」(出典:蜻蛉日記(974頃)中)
      2. 「左衛門督なども、いたくしぶりしを、制しの給などして、おとどのし給へるぞかし」(出典:宇津保物語(970‐999頃)蔵開上)
    3. 渋り腹になる。
      1. [初出の実例]「しょんちょとしぶり、ほがみさしつつこときりきりと病む」(出典:御伽草子・福富長者物語(室町末))
    4. 体の機能が不調になり十分働かなくなる。しびれる。
      1. [初出の実例]「眼しぶりかゆく、胸をどりさわぎ、臂いたみあがらず已上皆たんのしわざなり」(出典:全九集(1566頃)四)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 ラ行五(四) 〙 あるものごとに対して、したくないという態度を見せる。
    1. [初出の実例]「途中で引き揚げることをしぶるし」(出典:ハッピネス(1973)〈小島信夫〉二)

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