デジタル大辞泉
「策」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
さく【策】
〘名〙
① はかりごと。
計略。策略。また、あることを解決するための工夫。
※
万葉(8C後)
一八・四一二八右詞文「心中含
レ咲独座稍開、表裏不
レ同相違何異、推
二量所由
一率爾作
レ策歟。明知加
レ言豈有
二他意
一乎」
※
坊っちゃん(1906)〈
夏目漱石〉五「人を乗せる策を教授する方が、世の為にも
当人の為にもなるだらう」 〔礼記‐仲尼燕居〕
② 古代、中国で、文字を記した竹札。
簡札。転じて、文書。かきつけ。また、特に授官の辞令書。冊
(さく)。
※漢書列伝竺桃抄(1458‐60)爰盎鼂錯第一九「こちの題を評するやうに、題をかいて一ものに入て、どれでまりをっとって、其事を策に対てかくぞ」 〔荘子‐駢拇〕
③ (古代、天子が政治について下問するとき、竹ふだに書いたところから) 政治上の
問題。また、それに対する答え。転じて、令制における官吏登用試験の問題文(策問)、およびこれに対する解答文(対策)。ともに
漢文で書かれた。策文。
※令義解(718)考課「凡進士。試時務策二条。〈略〉其策文詞順序。義理慥当。并帖過者為レ通」 〔漢書‐匡衡伝〕
④ むち。杖。〔春秋左伝‐文公一三年〕
※
史記抄(1477)一八「
左手の策をば左の大刻にをき、
右手の策をば右の大刻に置ぞ」 〔
戦国策‐秦策・昭襄王〕
さく‐・する【策】
〘他サ変〙 さく・す 〘他サ変〙 はかりごとなどを頭の中であれこれと考える。はかりごとをする。
※史記抄(1477)
一四「秦策於是出と云は、秦の晉を策する事歟」
しゃく【策】
〘名〙 (「しゃく」は「策」の
呉音) 官吏登用試験などで、問題を示し、またこれに答えるために用いられた
漢文体の
文章。さく。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
世界大百科事典(旧版)内の策の言及
【算木】より
…(2)中国の計算器。算木は日本に伝わってからの呼称で,中国では算,籌(ちゆう),策などと呼ぶ。10cm前後の細い角棒で,これを図のように組み合わせて任意の数字をあらわした。…
※「策」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」