普及版 字通 「粗」の読み・字形・画数・意味
33画
(異体字)粗
11画
[字訓] あらい
[説文解字]
[甲骨文]
[字形] 会意
三鹿に従う。〔説文〕十上に「行くこと超なるなり」とあり、鹿のよく走る意とする。麗字条にも「(なら)びて行くなり」とあって、鹿には群行の性があり、ただ羊のように一団とならず、競って奔(はし)るところから、雑(そざつ)・笨(そほん)の意があり、粗と通用する。卜文に二鹿に従う字がある。
[訓義]
1. あらい、はなれる、とおい、大きい。
2. 粗と通じ、ほぼ、あらまし。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕 アラシ・オロソカナリ・フトシ 〔字鏡集〕 ヲロソカ・オホイナリ・アラシ・フトシ
[語系]
・粗tsaは同声。(疎)・shiaも声義が近い。粗は粗穀、はあらめのである。
[熟語]
穢▶・悪▶・官▶・狂▶・▶・豪▶・才▶・醜▶・人▶・▶・粗▶・茶▶・飯▶・暴▶・猛▶・略▶・▶
[下接語]
豪・細・精・
粗
常用漢字 11画
[字訓] あらごめ・あらい・ほぼ
[説文解字]
[字形] 形声
声符は且(そ)。〔説文〕七上に「なり」とあり、粗米をいう。すべて粗大・粗悪なものをいう。・(そ)と声義において通じる。
[訓義]
1. あらごめ、精白しないままの米。
2. あらい、おおまか、おおきい、わるい。
3. ほぼ、おおよそ、あらまし。
[古辞書の訓]
〔新字鏡〕粗 阿良々(あらら)〔名義抄〕粗 アラカジメ・ホボ・アシラフ・アラアラ・カタラフ・ホノカ・オホイナリ 〔字鏡集〕粗 マジラフ・カタラフ・ホノカ・アラウシテ・アラアラ・アラカジメ・ホボ・アラシ・オロソカ・オホイナリ
[語系]
粗・tsa、(疎)shiaは声義近く、粗は粗米、(そ)は鹿がばらばらに走るさま、は歯かずの少ないくし。それぞれ字源を異にするが、もと同系の語である。
[熟語]
粗悪▶・粗衣▶・粗悍▶・粗給▶・粗愚▶・粗糠▶・粗▶・粗豪▶・粗忽▶・粗才▶・粗雑▶・粗醜▶・粗食▶・粗人▶・粗拙▶・粗饌▶・粗▶・粗粗▶・粗壮▶・粗燥▶・粗繰▶・粗俗▶・粗率▶・粗大▶・粗淡▶・粗茶▶・粗通▶・粗飯▶・粗鄙▶・粗浮▶・粗服▶・粗放▶・粗暴▶・粗樸▶・粗笨▶・粗末▶・粗猛▶・粗野▶・粗略▶・粗▶・粗▶・粗劣▶・粗鹵▶・粗陋▶・粗漏▶
[下接語]
精粗
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報