美山(和歌山県)(読み)みやま

日本大百科全書(ニッポニカ) 「美山(和歌山県)」の意味・わかりやすい解説

美山(和歌山県)
みやま

和歌山県中部、日高郡(ひだかぐん)にあった旧村名(美山村(むら))。現在は日高川町東部を占める地域。旧美山村は、1956年(昭和31)寒川(そうがわ)、川上の2村が合併して成立。2005年(平成17)川辺(かわべ)町、中津村と合併して日高川町となった。国道424号が通じる。日高川中流域の山間村で、かつては日高川を流送する筏(いかだ)師の村として知られた。正月用切り花センリョウやシイタケを特産する。熊野権現(ごんげん)とのかかわりを伝える愛徳(あいとく)山縁起のある上(かみ)、下(しも)両阿田木(あたぎ)神社、中世地頭で大庄屋住宅屋敷が現存する寒川(土居(どい))家、寒川氏の氏神寒川神社がある。1988年日高川に椿山ダム(つばやまだむ)が完成し、串本(くしもと)集落の160戸が水没した。上越方(かみこしかた)には県内最初(1907年造)の越方発電所がある。県指定無形民俗文化財に阿田木祭、下阿田木神社のお弓神事、寒川祭などがある。

[小池洋一]

『『寒川村誌』(1969・寒川村)』『『美山村史』全3巻(1991~1997・美山村)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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