(読み)シ

デジタル大辞泉 「芝」の意味・読み・例文・類語

し【芝】[漢字項目]

常用漢字] [音]シ(呉)(漢) [訓]しば
〈シ〉キノコの一種。マンネンタケ。めでたいしるしとされた。「桂芝けいし霊芝
〈しば〉イネ科の草の名。「芝居芝草芝生しばふ

しば【芝】

東京都港区の地名。芝公園増上寺泉岳寺東京タワーなどがある。もと東京市の区名。

しば【芝】

イネ科の多年草。日当たりのよい地に密に生える。茎は強く、地面をはい、5月ごろ繊細な茎を出して紫色がかった穂をつける。庭園や土手に植えて芝生とする。芝草。
芝生などとして植える葉の細い草。コウライシバギョウギシバブルーグラスなど。

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精選版 日本国語大辞典 「芝」の意味・読み・例文・類語

しば【芝】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 路傍や空地などに生えるイネ科植物などの葉の細い草。しばくさ。〔二十巻本和名抄(934頃)〕
  3. イネ科の多年草のシバ、ギョウギシバ、コウライシバ、イトシバなどの総称。主に庭園などに植えられる。しばくさ。
    1. [初出の実例]「しは、いとをかし。まろこすげ、つばな、いとをかし」(出典:前田本枕(10C終)四七)
  4. イネ科の多年草。各地の路傍や原野に生え、庭園や築山に栽植される。茎は堅く、地上を長く横にはい、節ごとにひげ根をおろす。葉は長さ五~一〇センチメートルの線状披針形で、下部は鞘となって茎を包み口縁には細毛がある。初夏、長さ一〇~二〇センチメートルの細い茎を直立し、茎頂に長さ三~五センチメートルの褐色の花穂をつける。しばくさ。〔日本植物名彙(1884)〕
  5. しばみ(芝見)」の略。

しば【芝】

  1. 東京都港区東部の地名。北は新橋、南は品川に接し、江戸時代東京湾に臨む景勝地で、増上寺、青松寺、泉岳寺、愛宕神社などの寺社や武家屋敷が並んだ。かつての東京都三五区の一つであったが、昭和二二年(一九四七)麻布区・赤坂区と合併して港区となる。古くは「柴」とも表記。

し‐ざま【芝】

  1. 〘 名詞 〙 江戸中期の国語学者、富士谷成章の用いた文法用語で、今日の形容詞ク活用に相当する。形容動詞を「在(ありさま)」、形容詞シク活用を「鋪(しきざま)」というのに対応する。

しば【芝・柴・司馬・斯波】

  1. 姓氏の一つ。

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普及版 字通 「芝」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 6画

(旧字)
7画

[字音]
[字訓] しば

[説文解字]

[字形] 形声
声符は之(し)。〔説文〕一下に「艸なり」とあり、霊芝をいう。一歳にして三華、これを服用すれば、軽身延年の功があるという。また菌芝ともいい、〔抱朴子、仙薬〕に詳しい記述がある。〔楚辞〕に香草として蘭とともに歌われることが多く、君子・高人にたとえる。神仙の居を芝成、朝廷を芝閣、後宮の庭を芝砌(しせい)、また人を尊んで芝容・芝眉のようにいう。〔本草和名〕に「本、~一名、一名玉、和名、加佐毛知かさもち)一名、佐波曾良之(さはそらし)」とあり、それはセリ科の多年草であるという。

[訓義]
1. 神草の名、霊芝。
2. その形や色は種々あり、和名にかさもちというように笠の形のものがある。きぬがさ・ひがさの意に用いる。
3. 国語で、しば、しば草。

[古辞書の訓]
名義抄 サハウト・サハソラシ・サク・アツマル・クサアハセ・シバ/白 カサモチ・ヨロヒクサ 〔字鏡集〕 シバ・ハチス・ワキクセ・ヨロヒクサ・アツマル・クサアハセ・サハソラシ

[熟語]
芝宇・芝雲・芝英・芝園・芝駕・芝・芝蓋・芝閣・芝菌・芝桂・芝・芝・芝砌・芝茜・芝庭・芝泥・芝田・芝童・芝眉・芝圃・芝麻・芝蘭・芝露
[下接語]
英芝・華芝・芝・金芝・菌芝・玄芝・山芝・紫芝・祥芝・神芝・青芝・仙芝・咀芝・肉芝・拝芝・鳳芝・幽芝・蘭芝・霊芝

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改訂新版 世界大百科事典 「芝」の意味・わかりやすい解説

芝 (しば)

東京都港区東・南部の地名。北は新橋,南は高輪(たかなわ),東は東京湾沿いの芝浦,西は三田・白金の台地に及ぶ地域。地名の由来は一帯が武蔵野の末の芝原であったからといい,また海岸にノリそだにする芝が見えたからともいう。1878年東京府15区の一つとして芝区が成立,89年東京市の発足によって東京市芝区となり,1947年赤坂区,麻布(あざぶ)区と合併して現在の港区となった。白金,三田,高輪の高台は明治政府の欧化政策によって外国公館や邸宅が建てられた地で,三井俱楽部や慶応義塾大学(現存する明治建築としては演説館と図書館)が残り,赤穂浪士の墓のある泉岳寺,北里研究所,国立自然教育園(現,国立科学博物館付属自然教育園)などがある。芝公園はもと増上寺の境内で,徳川将軍家の菩提寺であることから御成門,大門(だいもん)の名が残る。公園にはほかに丸山古墳と伊能忠敬測地遺功記念碑があり,58年には東京タワーが建てられた。すぐ北の愛宕(あたご)山は1925年,日本最初のラジオ放送が行われた所として名高い。東京湾岸の芝浦は明治初期から工場建設が盛んで,芝浦製作所(現,東芝)はじめ,電気,機械,車両,都市ガスなど重化学工業地帯としての歴史をもつ。明治末期からは埋立ても行われ,32年に芝浦岸壁が,34年には竹芝桟橋が建設されて伊豆諸島航路の発着点となっている。
執筆者:

芝の名の文献上の初出は1486年(文明18)の《廻国雑記》にみる〈やかぬよりもしほの煙名にも立つ船にこりつむ芝の浦人〉である。1598年(慶長3)に徳川氏の菩提寺として貝塚(現,千代田区紀尾井町)より移された増上寺や,同じく1600年に愛宕山のふもとに移された青松寺などを間にして一帯に大名屋敷が並び愛宕下大名小路の名も生まれた。仙台藩伊達家や薩摩藩島津家の上屋敷などが大きかった。そしてここを南北に通貫する東海道沿いに町々が連なっていた。南からたどると牛車による運送業者の居住する車町,村方から町場化した田町各町,魚貝類を将軍へ献納することで御菜浦とよばれ漁業関係者の多い本芝,金杉,新網各町が続く。いずれも1662年(寛文2)に代官・町奉行両支配地となる。そして増上寺および芝神明(飯倉神宮)の門前各町がある。神明社には江戸三宮芝居として有名な芝居がかかりにぎわった。神明社周辺には書物問屋と関連業種の問屋商人も多かった。さらに芝口橋(新橋)へ向けて宇田川町,露月町,源助町,芝口各町などが続く。この中には慶長期に日比谷門辺より移転した芝口各町を含めて江戸城で御能拝見の特権をもつ古町が多い。また汐留川沿いに河岸,蔵地,物揚場が並び商業地となっており,幕末の資料によれば地廻米穀問屋,脇店八ヶ所米屋,舂米屋,炭薪仲買,両替屋などの問屋商人が多い。このほかに車町から田町にかけての東海道と並行する高台の往還沿いに伊皿子各町,泉岳寺門前,二本榎の門前各町が一画を形成している。1827-28年(文政10-11)の調査によれば当地域の町数95,総家数約1万軒(地主・家持447,地守・家守1045,地借1156,店借7315,明店54)であった。
執筆者:

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百科事典マイペディア 「芝」の意味・わかりやすい解説

芝【しば】

東京都の旧区。1947年麻布赤坂の2区と合併し区となった。新橋三田高輪などの地区がある。江戸時代には寺社・武家地として知られ,現在も増上寺泉岳寺愛宕(あたご)山の愛宕神社など社寺が多い。〈芝っ子〉は〈神田っ子〉とともに江戸っ子を代表した。東京港台場,旧白金御料地(天然記念物・史跡)の国立自然教育園,芝公園,芝離宮庭園,東京タワー,明治学院大,東大医科学研究所,北里大などがあり,三田・高輪地区にも庭園,史跡,大学などが多い。品川駅が高輪地区にある。山手線,京浜東北線,地下鉄などが通じる。
→関連項目文化3年の大火文政の大火

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「芝」の意味・わかりやすい解説


しば

東京都港区東部の地区、および旧区名。地名は芝浦(芝〈柴(しば)〉の生えた海浜)に由来する。以前は東京湾岸であり、北は新橋から南は高輪(たかなわ)までの広い範囲をさし、1947年(昭和22)赤坂・麻布(あざぶ)の旧区と合併して港区となるまで旧芝区であった。現在のJR山手(やまのて)・京浜東北線田町(たまち)駅および都営地下鉄三田(みた)・浅草線三田駅付近である。1393年(明徳4)貝塚(現、千代田区)に創建の増上寺(ぞうじょうじ)が1590年(天正18)徳川家の菩提寺(ぼだいじ)となり、1598年(慶長3)現在地に移ってから大寺として隆盛を極めた。その境内の一部が芝公園となり、一隅に東京タワーがある。芝大門(だいもん)の芝大神宮は江戸町民の大産土神(おおうぶすながみ)であった。

[沢田 清]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「芝」の意味・わかりやすい解説


しば

東京都港区中東部の地区。旧区名。増上寺,芝公園,東京タワーなどがある。江戸時代は港町,寺町であった。現在は,企業が進出し,オフィスビルも多い。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「芝」の解説

芝 (シバ)

学名:Zoysia japonica
植物。イネ科の多年草

芝 (シバ)

植物。山野に自生する雑木または雑草の称

芝 (シバ)

植物。芝生をつくる植物の総称

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