(読み)シャク

デジタル大辞泉 「釈」の意味・読み・例文・類語

しゃく【釈〔釋〕】[漢字項目]

常用漢字] [音]シャク(呉) [訓]とく とける
固まりやしこりがばらばらに解ける。「釈然稀釈きしゃく氷釈
わかりにくい事柄や文章を解きほぐして述べる。「釈義釈明会釈えしゃく解釈訓釈語釈講釈注釈評釈
拘束していたものを解き放つ。「釈放保釈
釈迦しゃかのこと。「釈教釈氏釈尊
[名のり]とき

しゃく【釈】

文章や語句意味の解釈。
講釈講談のこと。また、その演者講釈師

釈迦しゃかのこと。また、仏教に帰依したことを表すため僧が名の上につける姓。
真宗で、法名の上につける語。

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精選版 日本国語大辞典 「釈」の意味・読み・例文・類語

しゃく【釈】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 文章や語句の意味をとき明かすこと。また、その文。
    1. [初出の実例]「上品之人、階位設深、下品三生、豈非我等耶。況彼後釈、既取十信以前凡夫、為上品三」(出典:往生要集(984‐985)大文一〇)
    2. 「面々各々に教門をしつらひ、釈を作り、義を立て証得菩提を志す」(出典:日蓮遺文‐持妙法華問答鈔(1263))
  3. 講釈すること。講談などを語ること。また、その人。講釈師。
    1. [初出の実例]「半鐘の声きこへて、老翁も釈(シャク)をやむれば」(出典:浮世草子・近代艷隠者(1686)三)
  4. ( 釈迦牟尼(しゃかむに)の「釈」の字をとっていう語 ) 仏語。
    1. (イ) 昔、出家が釈迦の弟子であることを表わすために姓として用いた語で、「釈家」「釈氏」などと熟字する。また、転じて、僧侶。または仏教、仏門。
      1. [初出の実例]「釈義覚は本(もと)百済の人なり」(出典:日本霊異記(810‐824)上)
    2. (ロ) 真宗で、死者の法名の上につける語。
      1. [初出の実例]「しゃくのめうい、三十五日おたいやの心ざし」(出典:浄瑠璃・女殺油地獄(1721)下)

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普及版 字通 「釈」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 11画

(旧字)釋
20画

[字音] シャクセキ
[字訓] とく・すてる・おく・ゆるす

[説文解字]

[字形] 会意
旧字は釋に作り、(べん)+(えき)。は獣爪の象。は獣屍。獣爪を以て、その獣屍を裂くことを釋という。解きほぐす意である。〔説文〕二上に「解くなり」とし、声とするが、声が異なる。解は牛角を解く意。合わせて解釈という。それよりすべて結体のあるものを解き、紛乱を解き、鬱結(うつけつ)を除くことをいう。

[訓義]
1. とく、ときほぐす、さばく。
2. さとる、わかる、いいとく。
3. とける、もとの形がなくなる。
4. すてる、さる、おく、のこす。
5. 舎と通じ、すてる。
6. 赦と通じ、ゆるす。
7. 射と通じ、はなつ、矢をはなつ。
8. と通じ、しく、のべる。

[古辞書の訓]
名義抄〕釋 トク・ユルス・スツ・ヌク・クツログ・ウス・オク・モム・カス・ハナツ・カナフ・トホル・サカシ・カスフ・ヤル・ユルケタリ・クラオロス・ヌフ・スフ、漬米なり、トク

[語系]
釋・赦sjyak、舍(舎)・(捨)sjya、射djyak、dzyakは声近く、釋はそれぞれの字とその字義において通用する。

[熟語]
釈怨・釈釈焉・釈家・釈解釈褐釈憾・釈義釈疑・釈教・釈罪・釈氏・釈子釈璽釈釈・釈手・釈神・釈然・釈典・釈怒・釈道・釈部・釈服釈梵・釈門・釈老釈采・釈・釈
[下接語]
会釈・開釈・解釈・曲釈・訓釈・形釈・語釈・講釈・散釈・儒釈・集釈・舒釈・消釈・新釈・釈・箋釈・保釈・梵釈・融釈

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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