賛(読み)サン

デジタル大辞泉 「賛」の意味・読み・例文・類語

さん【賛〔贊〕】[漢字項目]

[音]サン(呉)(漢) [訓]ほめる たたえる たすける
[学習漢字]5年
1 わきから力を添えてたすける。同意する。「賛意・賛成・賛同・賛否/協賛・翼賛」
2 ほめたたえる。「賛歌・賛辞・賛嘆・賛美/称賛・賞賛・絶賛・礼賛」
3 人物などをたたえる文章。「論賛」
4 絵に添える詩文。「画賛・自画自賛」
[補説]2~4は「讃さん」と通用する。
[名のり]あきら・じ・すけ・たすく・よし

さん【賛/×讃】

1 ほめたたえること。また、その言葉。「バッハ―」
2 漢文の文体の一。人物や事物をほめる際の文章。多く、4字1句で韻を踏む。
3 画面の中に書きそえた、その絵に関する詩句。画賛。
4 仏・菩薩ぼさつの徳をたたえる言葉。
5 論評。批評。
「出口の茶屋に腰掛けながら、朝帰りの客に―付くるに」〈浮・諸艶大鑑・一〉

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関連語 頂相

普及版 字通 「賛」の読み・字形・画数・意味

賛
常用漢字 15画

(旧字)贊
19画

[字音] サン
[字訓] たすける・たたえる

[説文解字]

[字形] 会意
旧字は贊に作り、(しん)+貝。は(しん)。は古くは呪儀に用いることがある。貝にをそえて祈り、神の祐助を求める。ゆえにたすけて成就する、賛成の意となる。〔説文〕六下に「見(まみ)ゆるなり」と訓し、進見のときに貝を贈物とする意とするが、古義ではない。〔書序、咸乂〕に「伊陟(いちよく)巫咸に贊(たす)けらる」、〔易、説卦伝〕「を幽贊(いうさん)し、(めとぎ)を生ず」のように、神明・神聖の祐助を得ることをいう。

[訓義]
1. たすける、神の祐助をうける。
2. すすめる、みちびく、つげる。
3. ほめる、たたえる、神徳をたたえる。
4. あきらかにする、なしとげる。
5. まみえる。
6. 字はまた、讚に作る。

[古辞書の訓]
〔名義抄〕贊 ススム・スツ・ソナフ・タスク 〔字鏡集〕贊 ミチビク・タスク・ヤム・ソナフ・タダス・ホム・ミル・スツ・マウス・ススム

[声系]
〔説文〕に贊声として・・・鑽など十字を収める。贊に纂(さん)の声があって、集の意があり、その義に通ずるものが多い。

[語系]
贊tzanは・左・佐tzaiと声義の関係があり、贊は神明の佐助を求める意。左・佐は神明を助け参らす意の字である。纂tzuanは贊と畳韻。また撮tsuat、dzuan、dzhoanなども声義近く、この系統のものには集の意がある。*語彙は讚字条参照。

[熟語]
賛引▶・賛謁▶・賛閲▶・賛化▶・賛▶・賛画▶・賛軌▶・賛▶・賛君▶・賛稽▶・賛見▶・賛語▶・賛仰▶・賛興▶・賛佐▶・賛祭▶・賛賛▶・賛祀▶・賛辞▶・賛者▶・賛述▶・賛助▶・賛称▶・賛唱▶・賛頌▶・賛賞▶・賛襄▶・賛水▶・賛成▶・賛世▶・賛正▶・賛嘆▶・賛同▶・賛導▶・賛唄▶・賛拝▶・賛美▶・賛評▶・賛文▶・賛諭▶・賛誉▶・賛揚▶・賛翼▶・賛理▶・賛和▶
[下接語]
引賛・謁賛・画賛・共賛・匡賛・協賛・宏賛・賛・自賛・称賛・賞賛・図賛・絶賛・宣賛・熱賛・扶賛・輔賛・奉賛・褒賛・幽賛・翼賛・礼賛・論賛

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改訂新版 世界大百科事典 「賛」の意味・わかりやすい解説

賛 (さん)
zàn

中国の韻文の文体の一種。讃とも書く。人や物を賛(たた)え美(ほ)めることを本質とする。賞賛を主とする点では〈頌(しよう)〉に共通する。《文心雕竜(ちようりよう)》では,頌とともに頌讃篇が設けられており,《文選(もんぜん)》では巻四十七に頌と賛が収められている。かならず4字句から構成され,偶数句で脚韻を踏む。10句前後の短いものが多いが,なかには《文選》に収められる夏侯湛(かこうたん)の《東方朔画賛》などのように,かなり長い作品もある。賛の対象とするところは多岐にわたるが,絵画に付される画賛のごとく,他の何かに付属して行われるのが普通である。独立して書かれる場合も,《文選》所収の賛のように長い散文の序を伴うことが多い。また紀伝体の史書の各巻末で述べられる史家の批評を,賛あるいは論賛と呼ぶ。散文の部分と韻文の部分から成ることが多いが,《後漢書》等のごとく韻文のみを指して賛と称するものもある。《文選》は〈史述賛〉の名で,この種の賛を収録している。
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百科事典マイペディア 「賛」の意味・わかりやすい解説

賛【さん】

人徳や物の美を称賛する韻文で,讃とも書く。禅宗関係の肖像画や水墨画の余白に見られるのは〈画賛〉ともいい,画家自身の書いたものを〈自賛〉という。史書の巻末で史上の人物をたたえたものは〈史賛〉という。
→関連項目菅家文草|詩画軸|如拙|黙庵|落款

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「賛」の意味・わかりやすい解説

賛
さん

讃とも書く。漢文の文体の一種。人または事物を称揚する意味で,元来は神明に捧げる辞。絵画では画面の中に書かれた詩,歌,文をさす。中国画で書画一致の思想が発展するにつれて宋時代に完成し,これが日本に伝えられ,特に室町時代の頂相 (ちんぞう) や水墨画に盛んに行われた。画家自身が書くのを自賛,賛文を書くことを着賛,賛を求めることを請賛という。

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