デジタル大辞泉
「見合」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
み‐あ・う ‥あふ【見合】
(「みやう」とも)
[1] 〘他ワ五(ハ四)〙
① 相手と視線を合わせる。互いに相手の目・顔を見る。見かわす。相見る。
※落窪(10C後)三「いとつつましうて、うつぶしつつみあひたり」
② その場にいあわせて見る。見つける。発見する。
※今昔(1120頃か)九「自然(おのづか)ら人有て生命を害せむを見合はば、必ず可助救き事也となむ語り伝へたるとや」
※
日葡辞書(1603‐04)「ヒトノ ヌスミ スルヲ miyǒta
(ミヤウタ)」
③ 皆で見る。大勢で見物する。
※
古本説話集(1130頃か)五二「僧ぞくのみあひたるほど、いみじくやむごとなし」
※発心集(1216頃か)三「その時浜に人のおほく集りて物を見会(みアイ)たるを」
④ 見くらべる。他と見あわせる。
※
浮世草子・本朝桜陰比事(1689)二「自由御普請と付届に
き、町並と見合ば
三尺ばかりたて出すにまきれなし」
[2] 〘自ワ五(ハ四)〙
① 偶然出くわす。出会う。相会する。
※平家(13C前)八「三位の
はだかでたたれたるに見あふて、『あなあさまし』とてはしりより」
② 男女が見合をする。
※雑俳・柳多留‐
一六(1781)「後生ねがひのふりをして見合ふ也」
③ つり合う。両方がうまく対応する。
※頑な今日(1963)〈
島尾敏雄〉「
スクリーンがそれに見合うだけの大きさを必要としたからだ」
み‐あわ・せる ‥あはせる【見合】
〘他サ下一〙 みあは・す 〘他サ下二〙
① 相手と視線を合わせる。互いに相手の目・顔を見る。見かわす。みあわす。
※
蜻蛉(974頃)上「目も見あはせず、思ひいりてあれば」
※大津順吉(1912)〈
志賀直哉〉二「かう云って吾々は顔を見合せた」
②
手元の物と他の物を比較して見る。見くらべる。つき合わせて見る。対照する。
※観智院本三宝絵(984)中「こぞの経と見合するにかれにはなき字一あり」
③ よい機会・
時節の
到来を待つ。
時機を見はからう。よい折を待つ。また、よい時機にたまたま際会する。
※栄花(1028‐92頃)見はてぬ夢「
人笑はれに、いみじうねたげなりつるに、後は知らず、程なう世をみあはせつるなと嬉しうて」
④ 実行しようとしていた
動作を一旦やめてしばらく
様子を見守る。みあわす。
※浮世草子・
日本永代蔵(1688)一「夕の嵐、朝
(あした)の雨、日和
(ひより)を見合
(ミアハセ)、雲の立所をかんがへ」
※或る女(1919)〈有島武郎〉後「改悛の余地を与へん為め、暫く発表を見合せおくべし」
み‐あわ・す ‥あはす【見合】
[2] 〘他サ五(四)〙
※浄瑠璃・博多小女郎波枕(1718)長者経「顔を見合すあら男」
※浮世草子・本朝桜陰比事(1689)二「町並と見合ば、三尺ばかりたて出すにまぎれなし」
※飛騨国治乱記(17C前か)「酒も乱れ四人共によろつく時分を見合〈略〉一時に飛付組たりけり」
※俳諧・西鶴五百韻(1679)何鞠「進退棒にふって行露〈西六〉 乗物まて世間見合す花盛〈西鶴〉」
⑤ 結婚させる。めあわせる。
※浄瑠璃・糸桜本町育(1777)四「幸ひ左七をお房に見合はす上は、家相続は気遣ひない」
み‐あい ‥あひ【見合】
〘名〙
① 互いに顔を合わせること。見かわすこと。また、見かけること。見つけること。また、「に」を伴って見つけ次第の意で副詞のように用いることもある。
※近衛家本追加‐仁治三年(1242)三月三日「件輩劔刀者、仰二付小舎人一、随二見合一抜二取之一。可レ施二入大仏一之由」
※浮世草子・男色大鑑(1687)一「相手は迯申者。見合(みアイ)に打捨てと仰せ付られ」
② 対応すること。両方がうまくつり合いを保つこと。
③ 結婚相手を求める男女が、紹介者などのなかだちにより相手を知るために会うこと。
※雑俳・若とくさ(1790)「安堵して・母も寝られぬ見合の夜」
④ 囲碁で、ほぼ同等の価値の二つ(または偶数)の着点を、双方が一つ(または奇数)ずつ打ち得る状態。
み‐あわせ ‥あはせ【見合】
〘名〙
① 相手と視線を合わせること。顔を見かわすこと。
② あれこれと比較検討すること。見くらべること。照合すること。また、そのもの。
※捷解新語(1676)四「たかいにしふんとねのやうすおも、みあわせもあることちゃ」
※めぐりあひ(1888‐89)〈二葉亭四迷訳〉序「割註を添へましたからお看合せの上おなほしながら御覧の程を願ひます」
③ 実施を中止して、しばらく様子を見ること。
※浮世草子・元祿大平記(1702)五「緒言などは折々見合にすべき物なり」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報