デジタル大辞泉 「亭」の意味・読み・例文・類語
てい【亭】
1 庭に設けた休憩用などの建物。あずまや。ちん。
2 亭主。
「島屋の―が、そんな
3 やしき。住居。
「多田
[接尾]
1 文人・芸人などの号に付ける。「二葉
2 文人・
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
…庭園などに設けられた休息用の小建築で,亭(ちん)とも呼ぶ。方形平面で4本柱とするのが普通であるが,多角形や円形のものもあり,屋根は宝形造(ほうぎようづくり)(屋根)でカヤ(茅)や杉皮,板でふいたものが多い。…
…駅の経費は馬口銭という税金によった。また駅より小規模なものとして,亭という施設もあった。三国より南北朝にかけての時代は,各王朝で部分的に制度が維持された形跡はあるものの,交通一般の中で大きな意味をもつ存在ではなかった。…
…このような里を最小単位として構成されている郷は,したがって自治独立の意識がさかんであった。郷には三老(教化をつかさどる)をはじめ,嗇夫(しよくふ)(税務,訴訟をつかさどる)や遊徼(ゆうきよう)(治安をつかさどる)がおかれ,またいくつかの里の警察をつかさどるものとして亭があり,亭には亭長がおかれていた。郷官と総称されるこれらの小吏は,いずれも住民の中から推挙されて郡県から任命されたものである。…
…漢代では地方を郡県に分けたが,その県の下には古来からの邑の伝統をもつ多くの自然集落が包含された。集落はいずれも城郭で囲まれ,その一つ一つが亭であり,10亭ちかく集まると,その最大のものが郷=都亭となり,他の亭を従えた。そしていくつかの郷が集まると,その最大のものが県=都郷となり,他の郷を従えた。…
…こうした所にはしばしば大きな立石や石壇があって,巨石文化複合との関連も考えられる。ベトナムのトンキン地方の村落には亭(ディン)という集会所があるが,この建物には村の守護神(土地神)の祭壇があり,そこが村落生活の中心でもある。そこで村集会が開かれるし,裁判も行われる。…
…ただしこれらの施設では宿泊のみが可能で,食事の提供などはなく,旅客は自炊しながら旅をした。全国が統一された秦・漢代には,主要な交通路には亭(てい)や伝舎という官設の宿舎が設けられ,ときには一般人の宿泊も許されたが,亭は単なる宿泊施設ではなく,地方行政・治安の中心であり,亭長には地方の有力者が当てられた。漢の高祖劉邦も,元来この亭長の職にあった。…
…黄河では,周の武王が殷の紂王を討ったときに八百諸侯が会盟したという孟津,太公望呂尚が食物を売ったという棘津(きよくしん),魏や衛が城を築いた延津,白馬津などが名高い。最初は軍事的,警察的な目的で設置されたのであって,戦国から漢代にかけては警察署と宿舎を兼ねた亭が置かれ,亭長がこれを管理した。 渡し場が制度的に明確になるのは関津が整備される隋・唐以降で,刑部司門の管轄下に置かれた。…
※「亭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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