デジタル大辞泉 「処」の意味・読み・例文・類語 しょ【処〔處〕】[漢字項目] [音]ショ(漢) [訓]おる おく ところ[学習漢字]6年1 ある場所に身をおく。おる。「処世」2 世の中に出ないで家にいる。「処士・処女/出処」3 物事をしかるべく取りさばく。「処刑・処断・処置・処罰・処分・処方・処理/善処・対処」4 ところ。場所。「処処/死処・随処」[名のり]おき・さだむ・すみ・ふさ・やす[難読]在り処か・何処いずこ・何処どこ・彼処かしこ・彼処あそこ・此処ここ・住み処か・止め処ど か【▽処】 [語素]《「が」とも》名詞または動詞の連用形に付いて、場所の意を表す。「奥処」「山処やまが」「すみ処」「隠れ処かくれが」 く【▽処/▽所】 [語素]名詞、または、それに準じるもの、動詞の連用形に付いて、場所の意を表す。「いず―」「こもり―」[補説]「すみか」の「か」、「どこ」の「こ」と同語源と考えられる。 こ【▽処】 [語素]名詞・代名詞の下に付いて、場所の意を表す。「こ処」「そ処」「いず処」 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「処」の意味・読み・例文・類語 か【処】 〘 造語要素 〙 名詞または動詞の連用形に付いて、場所を意味する。「山が」「ありか」「かくれが」「すみか」など。く。こ。[初出の実例]「海賀(ガ)行けば 腰泥(なづ)む 大河原の 植草 海賀(ガ)は いさよふ」(出典:古事記(712)中・歌謡) く【処・所】 〘 造語要素 〙 名詞または、それに準ずるもの、動詞の連用形に付いて場所の意味を示す。「いづく」「こもりく」など。「みやこ」「いづこ」「そこ」などの「こ」、「おくか」「くぬか」「ありか」「すみか」などの「か」と同語源の語。 こ【処】 〘 造語要素 〙 名詞、代名詞に付いて、その場所を表わす。「ここ」「そこ」など。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
普及版 字通 「処」の読み・字形・画数・意味 処常用漢字 5画(旧字)處11画 [字音] ショ[字訓] おる・ところ・おく[説文解字] [金文] [字形] 会意旧字は處に作り、虎+几(き)。虎形のものが几(腰かけ)にかけている形。〔説文〕十四上に処を正字とし、「止まるなり。夂(ち)(足)、几を得て止まるなり。夂几に從ふ」とし、重文として處を録するが、金文の字形は、すべて處に作る。虎は虎皮をるもので、戲(戯)・劇がその形に従うように、神事的な所作で、軍戯のように軍事に際して行われた。金文の〔井人鐘(けいじんしよう)〕「(とど)まりて宗室に處(を)らん」、〔叔夷(しゆくいはく)〕「禹の(と)(水土を治めた地)に處る」など、聖所に処る意に用いる。〔左伝、襄四年〕「民に寢り、獸にり。各其の處るり」とは、霊の安んずるところ。(所)も〔叔夷〕「桓武なる靈のに共(供)する(あ)り」のように、もと所を意味する字であった。は名詞、處は動詞的な語であったように思われる。[訓義]1. おる、聖所におる、またその、ところ。2. おちつく、すむ、やどる。3. おく、すえる、きめる、あつかう、おさめる、やめる。[古辞書の訓]〔名義抄〕處 ヲリ・ヰル・トドマル・オク・スウ・ヤム・トドム・コトワル・ヤスム・シルス 〔字鏡集〕處 ヤム・スウ・ヲリ・ヰル・トドム・ヲク・コトハル・ヤスム・トコロ・ナカバ・サダム・シルス・トドマル[語系]處thjia、shiaは声義近く、互訓の例が多い。は(神戸棚の戸)と斤(きん)(斧)を呪器として守る意で、金文に「靈の」というように祖霊の安んずる所、所の意、處は軍の行動するときに神前で行われる戲・劇の字と構造が似ており、軍の聖処に関する字である。品詞としての處・の関係は居・家の関係と似ている。[熟語]処逸▶・処家▶・処官▶・処境▶・処刑▶・処決▶・処裁▶・処斬▶・処士▶・処子▶・処死▶・処事▶・処次▶・処守▶・処処▶・処所▶・処女▶・処常▶・処心▶・処身▶・処人▶・処仁▶・処世▶・処正▶・処勢▶・処静▶・処待▶・処断▶・処置▶・処治▶・処中▶・処当▶・処罰▶・処貧▶・処分▶・処弁▶・処方▶・処約▶・処理▶・処療▶・処和▶[下接語]逸処・燕処・何処・間処・危処・帰処・寄処・窮処・区処・偶処・群処・啓処・穴処・処・高処・雑処・山処・散処・私処・失処・室処・出処・水処・随処・静処・善処・対処・托処・定処・同処・特処・独処・寧処・分処・処・僻処・妙処・野処・幽処・遊処・与処・誉処・留処・林処 出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報