否(漢字)

普及版 字通「否(漢字)」の解説


常用漢字 7画

[字音]
[字訓] いな・いなむ・おおいに

[説文解字]
[金文]

[字形] 会意
不+口。口は(さい)、祝詞を収める器の形。その上を蓋うことによってこれを拒否し、妨げる意をあらわす。〔説文〕二上に「不(しか)らざるなり。口に從ひ、不に從ふ」とし、口を口舌の形と解する。金文の〔毛公鼎〕に「上下の否」という語があり、上下神の諾否、すなわち神意を意味する。(若)は巫女が舞い祈る形で、神が応諾することをもといった。また否には別に不・丕(ひ)・否・(ほう)という系列に属するものがあり、不は不(がくふ)、その花(かたい)が成熟する過程を丕・否・といい、実のはじけ割れることを剖判(ほうはん)という。金文に「不(ひひ)」というほめことばがあり、字はまた「不(ひひ)」に作る。諾否・否定の否と、不・丕系列の字と、もと別系であろうが、いま否にその両義がある。

[訓義]
1. いな、しからず、あらず、いなむ。
2. しからずんば。
3. おおいに、おおいなり。

[古辞書の訓]
〔名義抄〕否 アラズ・イナヤ・フサク・ニクム・マジ・トヅ・ナク・スマジ・イナ・イナカ(ヤ)・フサクヤ/大否 オホイナラズヤ・シカラズヤ/曷澣曷否 イズレヲカアラヒ、イズレヲカアラハザラム

[声系]
〔説文〕に否声としてなど七字を収める。に大の義、・痞(ひ)に巻曲・結滞の意があり、字義にも両系が認められる。

[語系]
否・不piuは同声。弗piutは払戻の象で、否定に用いる。金文では不・否をいずれも丕大の意にも用いる。おそらくbiun系統の語であろう。

[熟語]
否運否隔・否極否臧・否塞・否泰否滞・否定・否徳・否敗否剝・否否・否婦否閉・否戻
[下接語]
安否・可否・休否・拒否・許否・賢否・困否・賛否・若否・順否・信否・正否・成否・善否・然否臧否・存否・諾否・達否・屯否・通否・当否・能否・良否・淪否

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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