デジタル大辞泉 「嫌」の意味・読み・例文・類語

いや【嫌/×厭】

《「いや」と同語源》
[形動][文][ナリ]
欲しないさま。したくないさま。きらいだ。「―なものは―だ」「ピアノレッスンがだんだん―になる」
不愉快なさま。「―な顔一つせず手伝う」「会合で―な思いをする」「―な天気」→いやに
[派生]いやがる[動ラ五]いやさ[名]
[接頭]《近世上方語》名詞に付いて、いやな、いとわしい、の意を表す。「―客」「―勤め」
「茨木屋にて御存じの―男にあひ申し候」〈浮・一代男・七〉
[類語]嫌い毛嫌い大嫌い食わず嫌いいけ好かない虫が好かない気に食わない犬も食わぬ憎い憎らしい憎たらしい憎憎しい苦苦しい腹立たしいいまいましい苦虫を噛み潰したよう苦り切る眉をひそめる鼻持ちならない忌まわしいいとわしいおぞましいうとましい忌むうとむうとんずる嫌気忌避忌み嫌う煙たがる呪わしいまがまがしいきしょい気色が悪い気味が悪い気味悪い底気味悪い薄気味悪い鳥肌が立つ気持ち悪い虫唾むしずが走る反吐へどが出るきもいグロいおどろおどろしい不気味不快不愉快鼻に付くうっとうしいむかつくむしゃくしゃくしゃくしゃ不興不機嫌薄ら寒いうそ寒い胸が悪い胸糞が悪い心外苛立たしいうらめしいしかめっ面渋面しぶつらしかめるひそめるひそみ顰蹙ひんしゅく苦る辟易うるさい嫌がる嫌気が差すいと蛇蝎視だかつし唾棄倦厭けんえん迷惑身の毛がよだつ総毛立つ背筋が寒くなる背筋が凍るぞっと肌にあわを生じる冷汗三斗

けん【嫌】[漢字項目]

常用漢字] [音]ケン(漢) ゲン(呉) [訓]きらう いや
〈ケン〉
きらう。いやがる。「嫌煙嫌厭けんえん嫌悪けんお嫌忌
疑わしいと思う。「嫌疑
〈ゲン〉きらう。疑う。「機嫌
〈いや〉「嫌気いやけ・いやき嫌味

や【嫌/×厭】

[形動]いや(嫌)」の音変化。感動詞的に用いることもある。「顔を見るのも―なやつ」「手伝うなんて―なこった」「―だ、食べたくない」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「嫌」の意味・読み・例文・類語

きらいきらひ【嫌】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 )( 動詞「きらう(嫌)」の連用形の名詞化 )
  2. きらうこと。いやがること。忌みはばかること。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「ことに鹿苑院御きらひ有し也」(出典:申楽談儀(1430)能の色どり)
  3. 好ましくない要素。好ましくない状態になる心配や傾向。
    1. [初出の実例]「其構思狭隘に失するの嫌あるも」(出典:真善美日本人(1891)〈三宅雪嶺〉日本人の能力)
  4. 差別区別。わかち。
    1. [初出の実例]「今日の御酒もりには、老若のきらいなく候に、などや祐重一番ともうけたまはり候はず」(出典:曾我物語(南北朝頃)一)
  5. 連歌俳諧で、句の配列上忌みきらうこと。
    1. [初出の実例]「既に連歌は始まりぬ。〈略〉又は表八句の其内に、神祇・釈教・恋・無常、名所名所のきらひなく、ひた物出しけり」(出典:仮名草子・竹斎(1621‐23)上)

きらわきらはし【嫌】

  1. 〘 形容詞シク活用 〙 ( 動詞「きらう(嫌)」の形容詞化 ) きらうべきである。好ましくない。いとわしい。いやらしい。
    1. [初出の実例]「この世のいろもにほひも、あかずのみ、きらはしきこそ、せんかたなけれ」(出典:たまきはる(1219))

嫌の派生語

きらわし‐げ
  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙

嫌の派生語

きらわし‐さ
  1. 〘 名詞 〙

ぎらいぎらひ【嫌】

  1. 〘 造語要素 〙 名詞または他の語句に付いて、その物やそうすることをきらうこと。また、その人。「男ぎらい」「食わずぎらい」
    1. [初出の実例]「ひどい亜米利加嫌(ギラ)ひで」(出典茶話(1915‐30)〈薄田泣菫菓子を舐め過ぎて)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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