(読み)ショウ

デジタル大辞泉 「商」の意味・読み・例文・類語

しょう【商】[漢字項目]

[音]ショウ(シャウ)(呉)(漢) [訓]あきなう はかる
学習漢字]3年
あきなう。あきない。「商業商魂商店商人商売商品行商通商
あきんど。商人。「画商巨商豪商紳商政商隊商貿易商
相談する。はかる。「商議商量会商協商
星座の名。さそり座。「参商しんしょう
古代中国王朝、殷の自称。「殷商
[名のり]あき・あつ・ひさ
難読商人あきんど

しょう〔シヤウ〕【商】


あきない。また、あきんど。「士農工
ある数や式を零以外の他の数や式で割って得られた結果の数や式。⇔
中国・日本音楽階名の一。五声の第2音。
古代中国の王朝、いんのこと。

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精選版 日本国語大辞典 「商」の意味・読み・例文・類語

しょうシャウ【商】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. 売買により利益を得ること。あきなうこと。商売。あきない。また、それを業とする人。あきんど。商人。
      1. [初出の実例]「商はあきないぞ」(出典:史記抄(1477)一九)
      2. [その他の文献]〔日葡辞書(1603‐04)〕〔国語‐斉語〕
    2. 中国、日本で用いられた音階名で、五音(ごいん)の一つ。主音の宮より長二度高い。雅楽の七声では、この短二度上の階名を嬰商(えいしょう)という。
      1. [初出の実例]「伶人之諧律呂也、絲竹調商」(出典:本朝続文粋(1142‐55頃)八・釈奠聴講論語智者楽水詩序〈藤原有信〉)
    3. ある数を他の数で割って得た値。〔ロドリゲス日本大文典(1604‐08)〕
  2. [ 2 ]
    1. [ 一 ] さそり座のα(アルファ)アンタレス。また、アンタレスを含む三星。商星。辰星。心宿。大火(星)。
    2. [ 二 ] 中国古代の王朝名。後に殷(いん)と改称。

あき‐ない‥なひ【商】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「あきなう(商)」の連用形名詞化 )
  2. ( ━する ) 売り買いをすること。商売。
    1. [初出の実例]「世にある物ならば、この国にももてまうで来なまし。いと難きあきなひなり」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
  3. 商人。
    1. [初出の実例]「商賈 アキナヒ」(出典:色葉字類抄(1177‐81))
  4. 売り上げ。売り上げ高。
    1. [初出の実例]「あきなひ、如何。商価也」(出典:名語記(1275)九)

あき【商】

  1. 〘 名詞 〙 物と物とを交換すること。また、後世、物を売買すること。あきない。多く「あきひと」「あきじこり」など他の語と複合して用いられる。〔和玉篇(15C後)〕

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普及版 字通 「商」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 11画

(旧字)
11画

(異体字)
15画

[字音] ショウ(シャウ)
[字訓] はかる・たまう・あきなう

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 会意
辛(しん)++口。辛は把手のある大きな辛器で、入墨に用いるもの。刑罰権を示す。はこれを樹てる台座の形。その前に、神に祈る祝詞の器((さい))をおく。神に「商(はか)」ることを原義とする字である。(いつ)の従うところのと似ており、は台座の上に矛(ほこ)を立て、祝詞をそえた形。は神威を奉じて巡察正(いつせい)を加えることをいう。商は殷王朝の正号。その都を卜辞に「大邑」という。〔説文〕三上に「外よりしてを知るなり」という。すなわち商すること、推測の意とするが、神意を問うことを原義とする。は古くは賞の意に用い、の下に貝を加えた。はその略字であろう。賞は報償として与えられることが多く、また償の意となる。をその義に用い、ついに商賈の意となる。商賈の意は最も後起の義である。

[訓義]
1. はかる、神にはかる。
2. 賞の初文で、たまう、ほめる。
3. あきなう、あきうど。
4. 除法、割算の答え。
5. 五音の一で、秋に配する。

[古辞書の訓]
和名抄 賈、師、阿岐比斗(あきひと) 〔名義抄 アキヒト・ハカル・アキナフ・アキ

[声系]
〔説文〕に声としてを収め、の省声とする。金文の賞はの下に貝を加えた字形である。

[語系]
sjiangは同声。〔説文〕六下を「行賈なり」と商賈の意とする。

[熟語]
商意・商雲・商歌・商家・商貨・商会・商・商・商・商確・商気・商議・商墟・商業・商賈・商戸・商估・商股・商工・商校・商較・商号・商祭・商市・商酌・商娶・商秋・商祝・商女・商参・商声・商税・商節・商兌・商度・商定・商訂・商程・商灯・商討・商人・商舶・商販・商・商埠・商風・商弁・商務・商・商籟・商略・商旅・商量
[下接語]
歌商・会商・海商・外商・奸商・宮商・協商・行商・工商・豪商・参商・紳商・政商・清商・素商・隊商・仲商・通商・農商・比商・富商・良商

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百科事典マイペディア 「商」の意味・わかりやすい解説

商【しょう】

古代中国の地名国名。現在の河南省内で,殷(いん)の首都とされ,かつ殷朝自体は商を国号として用いた。

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改訂新版 世界大百科事典 「商」の意味・わかりやすい解説

商 (しょう)
Shāng

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「商」の解説

商(しよう)

殷(いん)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「商」の意味・わかりやすい解説


しょう

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旺文社世界史事典 三訂版 「商」の解説


しょう

殷 (いん)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「商」の意味・わかりやすい解説


しょう

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【商法】より

…通常は商法典をさす。日本には1899年に制定され,同年6月16日から施行された商法(第1編総則,第2編会社,第3編商行為,第4編海商)がある。…

【五音】より

…五声ともいう。1オクターブの中に設定される五つの音階音,すなわち宮(きゆう),商,角,徴(ち),羽(う)をいう。元来は中国から伝えられた用語が,日本化したもので,5音音階の第1音を調に関係なくつねに宮とし,上に向かって順に商,角……とする。…

【五声】より

…中国音階の基調をなし,日本,朝鮮にも入った。宮・商・角・徴(ち)・羽の5音からなり,徴と宮の半音下の変徴・変宮を加えたものを七声という。 五声は中国では周末から前漢にかけて,その算法を記した《管子》《呂氏春秋》《淮南子(えなんじ)》などがある。…

【士農工商】より

…江戸時代の社会を構成した主要な身分である武士,百姓,職人,商人を指す言葉。四民ともいう。…

【殷】より

…この王朝の存立した時代および文化の名称としても使用する。ただし当時の王朝の人びとはみずからを商と称していたので,殷とよぶよりも,商とよぶのが正確であるが,日本では一般に殷の名を使用する。後の周の人びとが殷とよぶようになるが,その理由は明らかではない。…

【契】より

…黄帝の曾孫帝嚳(ていこう)の第二夫人簡狄が玄鳥(燕)の卵を飲んで妊娠し,生んだと言われる。帝舜のとき,禹の治水を助けて功があり,司徒の官に任ぜられて民を教化し,商(河南省商丘県)に封ぜられたという。殷が本来は商と呼ばれていたのはこのことによる。…

※「商」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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