デジタル大辞泉 「積」の意味・読み・例文・類語
せき【積】[漢字項目]
[学習漢字]4年
1 つみ重ねる。つみ重なる。「積載・積雪・積善・積年・積弊/山積・集積・
2 不平などの感情がたまる。「
3 広さ。かさ。「体積・面積・容積」
4 掛け合わせて得た数値。「相乗積」
[名のり]あつ・かず・かつ・さ・さね・つね・つみ・もち・もり
( 1 )中古及び中世前期には、もっぱら積みかさなることという①の意味で用いられていたが、中世後期から近世にかけて、動詞「つもる」と共に、多く金銭に関わる計算といった②の意味用法が現われ、近世末には⑤の意にも使われた。
( 2 )近世では、計算の意味が拡大されて、ある事柄について予測をするところから④の推量用法が生じ、また、将来の予定というところから、③の意志用法も派生し、文化文政期の頃から、用例が急速に増え始める。
( 3 )幕末から明治にかけて、④の推量用法は衰え、もっぱら③の意志用法が主となる。それに伴って、構文上も、断定辞や終助詞などを伴って文末に現われる形式の固定化が進み、現在では、文中に単独で現われることはほとんどない。
( 4 )一方、①に含まれていた、数をかさねる意から、中世末に、回数をかさねてそれ以上かさねられなくなることを「つもり(も)なし」というようになって⑥の意が生じ、⑦の用法につながった。
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
…近代以前の日本の病名で,当時の医学水準でははっきり診別できないまま,疼痛のともなう内科疾患が,一つの症候群のように一括されて呼ばれていた俗称の一つ。単に〈積(せき)〉とも,〈積聚(しやくじゆ)〉ともいわれ,また疝気と結んで〈疝癪〉ともいわれた。平安時代の《医心方》では,陰陽の気が内臓の一部に集積して腫塊をなし,種々の症状を発すると説かれ,内臓に気が積んで腫瘤のようなものができて発症すると考えられ,癪には日本人に多い胃癌(がん)などもあったと思われる。…
※「積」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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