デジタル大辞泉
「回り」の意味・読み・例文・類語
もとおり〔もとほり〕【▽回り/×廻り】
《動詞「もとおる」の連用形から》
1 まわること。めぐること。
2 周囲。めぐり。
「大殿のこの―の雪な踏みそね」〈万・四二二七〉
3 鷹狩りで、鷹の足につけるひもの金具。〈和名抄〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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まわりまはり【回・廻・周】
- [ 1 ] 〘 名詞 〙 ( 動詞「まわる(回)」の連用形の名詞化 )
- ① まわること。回転すること。回転の仕方。転じて、頭脳や組織などの働きの具合にいう。〔日葡辞書(1603‐04)〕
- [初出の実例]「『お役人方に伺ひましたが、多分忌中だから御沙汰がないだらうと申すことで』〈略〉『大きい車は廻(マハ)りが遅いのう』」(出典:護持院原の敵討(1913)〈森鴎外〉)
- ② そのものが外界と接している面やふち。ぐるり。
- [初出の実例]「髪を肩の廻(マワ)りにおきまはして」(出典:源平盛衰記(14C前)一)
- ③ ある物をとり囲んでいるあたり。周辺。また、その人の身辺の雑事。
- [初出の実例]「凡そ頤の卦はをとがいでまわりが囲で口のやうなぞ」(出典:土井本周易抄(1477)三)
- ④ 順に移ってくること。めぐってくること。
- [初出の実例]「順番の廻りの遅いのに業を煮やし」(出典:日本人のへそ(1969)〈井上ひさし〉二幕)
- ⑤ 一定の範囲を順にまわり歩くこと。また、その人。警戒とか、商売とか、一定の目的のために、めぐり歩く者をさしていう。
- [初出の実例]「町内の廻(マハ)りでも、床(とこ)でも、代りとなると」(出典:滑稽本・浮世床(1813‐23)二)
- ⑥ 遠い道を取って行くこと。まわり道。迂回路。
- [初出の実例]「『あとへもどって大戸へ出ていかっしゃい』『ソリャアよっぽどまはりかね』」(出典:滑稽本・続膝栗毛(1810‐22)一一)
- ⑦ ある地点を経由したり、または、ある方向のコースをとったりして行くこと。
- [初出の実例]「名古屋廻りの道筋を取って帰国すること」(出典:家(1910‐11)〈島崎藤村〉下)
- ⑧ 自然にめぐってくる運命。まわりあわせ。
- [初出の実例]「運のまはりによって俄牢人となり」(出典:浮世草子・新色五巻書(1698)一)
- ⑨ 酒宴で、さかずきをめぐらすこと。また、その作法。酒盃の献酬。
- [初出の実例]「盃のまはりも覚、あいするといふ事もしるぞ」(出典:浮世草子・好色一代男(1682)四)
- ⑩ 行きわたること。酒・薬などがからだ全体に行きわたったり、火が燃えわたったりすることについていう。
- [初出の実例]「今ぞ女房が廻(マハ)りのよひ薬屋へ入聟が匕加減(さじかげん)」(出典:浮世草子・世間娘容気(1717)三)
- ⑪ おかずをいう、女房詞。菜。まり。飯のまわりに置いたところからいう。
- [初出の実例]「廻八種、此内四簣盛」(出典:皇太神宮年中行事(1192)二月)
- [ 2 ] 〘 接尾語 〙
- ① 数詞に付いて物の回転する回数を数えるのに用いる。
- ② 長さをあらわす数詞に付いて、周囲の長さがそれだけあるものを意味する。
- [初出の実例]「肩へ五寸まはりのほどな瘤をこせへて」(出典:胡瓜遣(1872)〈仮名垣魯文〉初)
- ③ 時間の経過の区切りを表わす語。
- (イ) 干支(えと)の十二支から、一二年を単位として、一まわりという。
- [初出の実例]「母(かか)は三十七の酉(とり)、父様は一廻り上の酉で、四十九」(出典:浄瑠璃・鑓の権三重帷子(1717)上)
- (ロ) 湯治や服薬療法などの日数について、普通、七日を単位として、一まわりという。
- [初出の実例]「湯治する迚吉原に二七日マハリ」(出典:俳諧・昼礫(1695))
- 「則薬も此ごとく三廻(マハ)り分ふくろに入れ」(出典:浄瑠璃・蒲冠者藤戸合戦(1730)三)
- ④ 容積、太さなどを比較する場合に、その区切り程度を漠然と表わす語。
- [初出の実例]「吾よりは二層(マハリ)も大なる虎の」(出典:こがね丸(1891)〈巖谷小波〉二回)
もとおりもとほり【回・徘徊】
- 〘 名詞 〙 ( 動詞「もとおる(回)」の連用形の名詞化 )
- ① まわること。めぐること。
- [初出の実例]「あふさきるさの徘徊(モトホリ)に、身の鬱憂を紛れむと」(出典:海潮音(1905)〈上田敏訳〉大饑餓)
- ② めぐり。まわり。へり。もとおし。
- [初出の実例]「頂は撮(と)り摠べて嚢の如くして、縁(モトホリ)著(つ)けたり」(出典:日本書紀(720)推古一一年一二月(岩崎本訓))
- ③ 鷹狩の鷹の足につける紐の金具。もとおし。〔十巻本和名抄(934頃)〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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世界大百科事典(旧版)内の回りの言及
【航路】より
…運用上からは船が定期的に運航する定期航路と不定期に運航する不定期航路があり,そのほか,主として航行する船舶の船種,大きさによって,貨物船航路,タンカー航路,客船航路,大型船航路,小型船航路などと,また,[航行区域]と関連づけて遠洋航路,近海航路,沿海航路,平水航路などと慣用的に呼称されることもある。 日本で航路という名称が用いられるようになったのは明治以降であり,江戸時代には〈回り〉という言葉が使われ,例えば,江戸~大坂間は〈表回り〉,秋田付近から大坂へは〈北前回り〉などと呼ばれていた。帆船時代には自然的制約が強く,所要日数が不確定のため,定時運航はできなかったが,年間何航海という形で運航されていた。…
※「回り」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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