普及版 字通 「妖(漢字)」の読み・字形・画数・意味
妖
常用漢字 7画
(異体字)
11画
[字訓] あでやか・あやしい
[説文解字]
[字形] 形声
正字はに作り、(よう)声、は笑の初文。〔説文〕十二下に「巧なり。一に曰く、女子の笑ふ皃なり」とし、「詩に曰く、桃のたる」と〔詩、周南、桃夭〕の句を引く。今本は「夭夭」に作る。「巧なり」も「巧笑なり」の誤りであろう。(笑)は手をあげて舞う巫女の形。その姿態を夭という。巫が神がかりの状態にあって神託をのべることを若といい、これをまがごととすることもあって、示部一上のに「地、物に反するをと爲すなり」とあり、神怪のことをいう。字はまた(よう)と通用する。人の妖艶なるものも、衒媚のおそれがあるというので、また妖という。
[訓義]
1. あでやか、なまめかしい。
2. あやしい、まがごと。
3. もののけ、地の怪。
4. 字はまた・に作る。
[古辞書の訓]
〔新字鏡〕妖 加美奈(かみなぎ)〔名義抄〕妖 ウルハシ・ナマメイタリ・カホヨシ・ヨキヲムナ・ワザハヒ・ヤサシ・タブロカス・マジログ・タヲヤカニ・カミナギ・ウツ・タマ
[語系]
・夭・・幺yは同声。幼・幽yuも声義近く、身をくねらせて舞い、幽艶の趣があることをいう。若が神明の意に随順するのに対して、妖には衒媚、呪詛的な意がある。
[熟語]
妖悪▶・妖異▶・妖雲▶・妖▶・妖艶▶・妖婉▶・妖訛▶・妖恠▶・妖怪▶・妖玩▶・妖忌▶・妖気▶・妖姫▶・妖鬼▶・妖偽▶・妖凶▶・妖教▶・妖嬌▶・妖▶・妖▶・妖▶・妖愆▶・妖言▶・妖幻▶・妖胡▶・妖蠱▶・妖▶・妖▶・妖倖▶・妖災▶・妖姿▶・妖邪▶・妖寿▶・妖獣▶・妖術▶・妖象▶・妖祥▶・妖燭▶・妖色▶・妖神▶・妖人▶・妖彗▶・妖精▶・妖声▶・妖星▶・妖▶・妖賊▶・妖態▶・妖誕▶・妖童▶・妖靡▶・妖巫▶・妖服▶・妖物▶・妖氛▶・妖嬖▶・妖変▶・妖魔▶・妖魅▶・妖夢▶・妖霧▶・妖妄▶・妖冶▶・妖麗▶・妖▶・妖▶・妖惑▶
[下接語]
姦妖・妖・幻妖・災妖・詩妖・祥妖・人妖・瑞妖・草妖・服妖・物妖・氛妖・面妖・妄妖・木妖・冶妖・夜妖・幽妖・余妖・謡妖・霊妖
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報