富士川(町)(読み)ふじかわ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「富士川(町)」の意味・わかりやすい解説

富士川(町)
ふじかわ

山梨県中西部、南巨摩郡(みなみこまぐん)にある町。2010年(平成22)増穂町(ますほちょう)と鰍沢町(かじかざわちょう)が合併して成立。甲府盆地の南西端に位置し、西部には櫛形(くしがた)山をはじめとする巨摩山地の山々がそびえる。町の北東端部で釜無川(かまなしがわ)と笛吹川(ふえふきがわ)が合流して富士川となり、東隣の市川三郷(いちかわみさと)町との境界付近を南へと流れ下る。江戸時代から明治後期まで、青柳(あおやぎ)、鰍沢、黒沢(くろさわ)の3河岸は、甲州三河岸とよばれ、富士川水運の河岸場として栄えた。しかし、近代に入り、鉄道や道路などが整備されて富士川水運は衰えた。国道52号(甲西道路)、140号が通じ、区間開通した中部横断自動車道の増穂インターチェンジがある。スモモ、モモ、ブドウなどの果樹栽培が盛んで、小室(こむろ)、高下(たかおり)地区は全国有数のユズの産地でもある。観光地には赤石(あかいし)温泉、十谷(じっこく)温泉や大柳川(おおやながわ)渓谷がある。また、高下地区は冬至から正月頃にかけて、富士山頂からの日の出を見ることができ「ダイヤモンド富士」とよばれ、多くの写真愛好家が訪れる観光スポットとなっている。明王寺(みょうおうじ)の木造薬師如来(やくしにょらい)立像は国指定重要文化財。面積112.00平方キロメートル、人口1万4219(2020)。

[編集部]


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