心外(読み)しんがい

精選版 日本国語大辞典 「心外」の意味・読み・例文・類語

しん‐がい ‥グヮイ【心外】

〘名〙
一心の外。心の外。しんげ。
草枕(1906)〈夏目漱石〉六「あらん限りの感覚を鼓舞して、之を心外に物色した所で」 〔伝習録‐上〕
② (形動) 思うままにならないこと。考えどおりでないこと。また、そのさま。思いのほか。意外。案外。〔日葡辞書(1603‐04)〕
評判記・満散利久佐(1656)石州難波物語批難、心外なり。きっくゎい也」
③ (形動) 全く予期に反して悪い結果となること。また、そのさま。もってのほか。残念。遺憾
※評判記・色道大鏡(1678)五「女ふとどきかさなり、心外(シングイ)ならば、たとひ不会となるとも、指をばきらせぬ法なり」
浄瑠璃・鑓の権三重帷子(1717)下「御心外尤ながら御老人の腕さき、万一伴之丞に討たれさっしゃれば」

しん‐げ【心外】

〘名〙 (「げ」は「外」の呉音) 仏語。心の外。外境。または心以外。
※米沢本沙石集(1283)一「慈恩大師は、心外(シンゲ)の法を有すんば生死輪廻に一心を覚知すればと生死永く弃つと釈し給へり」

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デジタル大辞泉 「心外」の意味・読み・例文・類語

しん‐がい〔‐グワイ〕【心外】

[名・形動]思いもよらないこと。思いがけないこと。思いがけない仕打ちや予想に反した悪い結果などに対して、腹立たしく感じたり残念に思ったりすること。また、そのさま。「疑われるとは心外だ」「心外な結果に終わる」
[類語]悔しい残念口惜くちおしいうらめしい腹立たしい無念しゃく意外思いのほか案外思いがけない思いも寄らない慮外存外望外予想外意表なかなか意想外不慮ゆくりなく不服不平不満不満足不足鬱憤うっぷん物足りないあっけないあえない飽き足りない食い足りない意に満たない期待外れ当て外れ不本意いら立ちいらつくいら立つ今一いまいち今一つもう一つ不完全燃焼フラストレーションクレーム鬱積うっせき不承知愚痴繰り言ぐずぐず難色難色を示す首を振る首を横に振る首をひねるかぶりを振る如何なものか口を尖らすもしやもしかしたらもしかするとひょっとするとひょっとしたらひょっとしてあるいはもしかしてどうかすると下手すると一つ間違えばことによるとあわよくばまかり間違うよもやまさか万万ばんばん夢かうつつ図らずもはしなくはしなくも突然唐突案に相違する意表を突くまぐれひょんなひょっとゆくりなし我にもなく期せずして悪くすると事と次第による事によるとともするとややもすれば何かにつけ何かと言えば折に触れてもしくははたまたないし偶然たまさか時としてかも知れない思わず思わず知らず我知らず知らず知らず折もあろうに折悪しく

しん‐げ【心外】

心のほか。心のそと。

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