揖斐川(町)(読み)いびがわ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「揖斐川(町)」の意味・わかりやすい解説

揖斐川(町)
いびがわ

岐阜県南西部、揖斐郡の中心町。1955年(昭和30)揖斐町と大和(やまと)、北方(きたがた)、清水(きよみず)、小島の4村が合併し、揖斐川町改称。1956年養基(やぎ)村の一部を編入。2005年(平成17)谷汲(たにぐみ)、春日(かすが)、久瀬(くぜ)、藤橋(ふじはし)、坂内(さかうち)の5村と合併、この合併によって町域は北方と西方に大きく広がった。町の中央部を流れる揖斐川には揖斐峡、小津渓谷、不動滝、夜叉(やしゃ)ヶ池などの景勝地のほか、横山ダムや久瀬ダム、日本最大の総貯水量の徳山ダムがある。町の歴史は古いが、とくに1631年(寛永8)以来幕末まで美濃(みの)国代官頭(がしら)岡田氏の在住地で、いわばその城下町と、揖斐谷の谷口集落を兼ねて、町並みが形成された。養老鉄道、樽見鉄道(たるみてつどう)、国道303号、417号も走り、岐阜・大垣両市方面への通勤者が多い。おもな工業としては「あられ」などを生産する食品工場があり、広く県外に販売網をもつ。米麦作のほか、ダイズや野菜栽培が行われ、また、良質な揖斐茶を産する。このほか、伊吹山麓(さんろく)は薬草の宝庫として知られる。三輪神社揖斐祭り(5月4、5日)は子供歌舞伎(かぶき)で知られ、月桂院には戦国時代の武将稲葉(いなば)一鉄の墓がある。また、西国(さいごく)三十三番札所満願霊場となる谷汲山華厳(けごん)寺、国の重要文化財の木造薬師如来(にょらい)坐像が安置された両界山横蔵寺(よこくらじ)などがある。そのほか、久瀬温泉や谷汲温泉、スキー場やキャンプ場などもある。面積803.44平方キロメートル(境界は一部未定)。人口1万9529(2020)。

[上島正徳]

『『揖斐川町史』全2巻(1970、1971・揖斐川町)』


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