明か(読み)サヤカ

デジタル大辞泉 「明か」の意味・読み・例文・類語

さや‐か【明か/清か】

[形動][文][ナリ]
さえて明るいさま。「星が―な光を放つ」
音・声がさえてよく聞こえるさま。
振鈴しんれいの響―に聞こゆるは」〈樗牛滝口入道
さわやかなさま。爽快なさま。 秋》「瀬に入れば四方よもに波あり―かな/友次郎」
「―な、滑稽な会話から何とも云えず、心が清くなり」〈横光家族会議
はっきりしているさま。
誰乎彼たそがれ黯黮くらがりにて、―に面貌かおかたちを弁ぜざりしが」〈紅葉金色夜叉
[類語]明らかはっきりありありまざまざ定かくっきりしかきわやか鮮やか明瞭めいりょう鮮明分明顕著顕然歴然歴歴瞭然りょうぜん亮然りょうぜん判然画然かくぜん截然せつぜん明るい見るから明快平明簡明明晰明白明明白白端的めっきり浮き彫りクリア鮮明明確明解自明彷彿鮮烈一目瞭然手に取るようたなごころを指すまがう方ない隠れもない火を見るよりも明らか目に見える言わずと知れた紛れもない

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「明か」の意味・読み・例文・類語

さや‐か【明か・清か】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙 ( 「か」は接尾語 )
  2. はっきりとしているさま。明るく清らかであるさま。あきらか。はっきり。明瞭(めいりょう)。まさやか。
    1. [初出の実例]「群鳥の朝立ち往にし君が上は左夜加爾(サヤカニ)聞きつ思ひしごとく」(出典:万葉集(8C後)二〇・四四七四)
    2. 「月さしいでて、こなたはまださやかならねど」(出典:源氏物語(1001‐14頃)絵合)
  3. 音声が高く澄んでいるさま。さえてよく聞こえるさま。
    1. [初出の実例]「天皇(すめらみこと)、異(あやし)むて琴(こと)に作(つく)らしむ。其(そ)の音(こえ)鏗鏘(サヤカ)にして遠(とを)く聆(きこ)ゆ」(出典:日本書紀(720)応神三一年八月(北野本南北朝期訓))
  4. さわやかなさま。爽快であるさま。《 季語・秋 》
    1. [初出の実例]「流の水をむすび、さやかになり、親しく馴れつかうまつる主(しう)とならせ給へば」(出典:類従本讚岐典侍(1108頃)下)

明かの補助注記

「か」を下接することによって、情態性が確かとなり、「さやに」にとってかわった。成立方法が同じ語として、タシニ━タシカニ、ユタニ━ユタカニがある。

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