本宮(読み)モトミヤ

デジタル大辞泉 「本宮」の意味・読み・例文・類語

もとみや【本宮】[地名]

福島県中央部にある市。平成19年(2007)1月、本宮町白沢村が合併して成立。中央部を阿武隈川が北流する。経済・生活面で南隣の郡山市との結びつきが強い。人口3.2万人(2010)。

ほん‐ぐう【本宮】

神霊を他に分けて祭ったもとの神社。また特に、熊野本宮大社のこと。本社。もとみや。→新宮

もと‐みや【本宮】

主神の鎮座する根本の社。本社。ほんぐう。

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精選版 日本国語大辞典 「本宮」の意味・読み・例文・類語

ほん‐ぐう【本宮】

  1. 〘 名詞 〙 神霊を他に分けたもとの神社。新宮に対して本社をいう。もとみや。特に、熊野本宮をさすことが多い。
    1. [初出の実例]「新宮本宮にみな八講をおこなふ」(出典:観智院本三宝絵(984)下)

もと‐みや【本宮】

  1. [ 1 ] 祭神の鎮座している社。別宮、奥宮に対して主神が鎮まっている根本の社。本社。ほんぐう。
  2. [ 2 ] 福島県中央部の地名。江戸時代奥州街道高倉と杉田の間の宿駅として発達。郡山市に接し、農業のほか商工業もさかん。

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改訂新版 世界大百科事典 「本宮」の意味・わかりやすい解説

本宮[市] (もとみや)

福島県中部の市。2007年1月本宮町と白沢(しらさわ)村が合体し成立した。人口3万1489(2010)。

本宮市東部の旧村。旧安達郡所属。人口9187(2005)。南は郡山市,北は二本松市に接する。阿武隈高地西縁にあたり,地形は起伏にとみ山間低地に耕地が開ける。主産業は農業で,米作,養蚕,タバコ栽培,畜産などが行われるが,経営規模は小さい。JR東北本線,国道4号線などからはずれていたが,東北,磐越自動車道の完成に伴い,四つのインターチェンジに囲まれた位置を生かして住宅地の整備を行っている。郡山市をはじめ周辺市町への通勤者が多い。

本宮市西部の旧町。旧安達郡所属。人口2万2180(2005)。町名は安達太良神社の里宮が置かれたことによる。郡山市の北に接し,郡山盆地北端と北西部の丘陵地からなる。JR東北本線,国道4号線,東北自動車道が町の中央を南北に通じる。古くから安達地方南部の産業・交通の中心地として発展してきたが,第2次大戦後,常磐・郡山新産業都市の一部に指定され,以来商工業が飛躍的に発展し,食品,繊維,電機などの大企業の工場が誘致されており,人口も増加している。市街地西方にボタン園で有名な蛇ノ鼻遊楽園がある。
執筆者:

陸奥国安達郡南部に位置する奥州街道の宿場町。奥州街道から会津街道,相馬街道を分岐する交通の要所で,人馬の往来,物資の集散も多く繁栄した。本宮の地名は,南北朝期の1343年(興国4・康永2)と推定される〈結城文書写〉や《塔寺八幡宮長帳》の1503年(文亀3)の条などに見える。近世には,はじめ会津領(蒲生・上杉両氏),1643年(寛永20)二本松藩(丹羽氏)本宮組に属した。村高は1760年(宝暦10)の高辻帳では2979石余,《積達大概録》では家数398軒。本宮宿は北町と南町からなる。北町は中世以来の宿駅,南町は旧三春領主田村氏の遺臣小沼伊賀が開発し,1608年(慶長13)舟渡町,中町,柳町から誕生した町といわれる。問屋は南北両町に1軒ずつあり,半月交代で務め,本陣は1727年(享保12)には2軒があり,旅籠屋(はたごや)は50軒余,飯盛女も置かれた。毎月3・8の日に南北両町で六斎市が開かれてにぎわったといわれる。
執筆者:


本宮(旧町) (ほんぐう)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「本宮」の意味・わかりやすい解説

本宮(市)
もとみや

福島県中通(なかどお)り地方中北部にある市。2007年(平成19)安達(あだち)郡の本宮町と白沢村(しらさわむら)が合併して市制施行。東部は阿武隈(あぶくま)高地の岩角(いわづの)山、高松山などがあり、西に向かって丘陵地や平坦地が広がる。また、西部にも安達太良(あだたら)山に連なる大名倉(おおなぐら)山がある。市域の中央を阿武隈川が北流する。JR東北本線、国道4号が通じ、東北自動車道の本宮インターチェンジが設置されている。稲作のほか、近郊農業が盛んで、近年では特産品づくりとして烏骨鶏(うこっけい)の飼育もみられる。かつては養蚕が盛んであったが、衰退した。工業団地が造成され、ビール工場などが進出している。

 中心地区は本宮で、平安後期に安達太良山から甑(こしき)明神ほか、大名倉山から宇奈明神をこの地に移して安達郡の総鎮守とし、地名を本宮と改めたという。江戸時代は二本松(にほんまつ)藩領で、代官所が置かれた。また本宮は、奥州街道と会津街道、相馬街道の分岐点にあたり、宿場町としても栄えた。一方、白沢地区は江戸時代から養蚕が盛んであったが衰退し、現在は長芋が特産。

 ボタン、サクラの名所として知られる蛇の鼻(じゃのはな)遊楽園の園内にある「蛇の鼻御殿」は国の登録有形文化財。全山花崗(かこう)岩が露出する岩角山は県指定名勝・天然記念物。面積88.02平方キロメートル、人口3万0236(2020)。

[編集部]



本宮(和歌山県)
ほんぐう

和歌山県南東部、東牟婁(ひがしむろ)郡にあった旧町名(本宮町(ちょう))。現在は田辺(たなべ)市の東部を占める地域。旧本宮町は、1956年(昭和31)本宮、請川(うけがわ)、四(よ)、三里(みさと)の4村と敷屋(しきや)村の一部が合併して町制施行。2005年(平成17)中辺路(なかへち)町、龍神(りゅうじん)、大塔(おおとう)2村とともに田辺市に合併した。熊野川の本流・支流域の山間村。熊野三山の一つ熊野本宮大社が鎮座する。社殿は熊野川の中州大斎原(おおゆのはら)にあったが、1889年(明治22)の洪水で流失、右岸丘陵の現在地に移築・再建された。中辺路(国道311号が並走)や小辺路(国道168号が並走)などの参詣(さんけい)路が集まり、宿坊跡など史跡が多い。熊野本宮大社などは「紀伊山地の霊場と参詣(さんけい)道」として世界文化遺産に登録されている。湯の峰、川湯などの本宮温泉郷があり、瀞八丁(どろはっちょう)も近く、吉野熊野国立公園に含まれる。近年茶の栽培や畜産が盛ん。湯峯(ゆのみね)のユノミネシダ自生地は国指定天然記念物。

[小池洋一]

『『本宮町史』全4巻(1997~2004・本宮町)』



本宮(福島県)
もとみや

福島県中北部、安達郡(あだちぐん)にあった旧町名(本宮町(まち))。現在は本宮市の西半分を占める地域。旧本宮町は、1889年(明治22)町制施行。1954年(昭和29)荒井、青田、仁井田(にいた)の3村と合併。2007年(平成19)白沢(しらさわ)村と合併して市制施行、本宮市となった。中通り中央部にあり、東部を阿武隈(あぶくま)川が北流する。JR東北本線、国道4号、東北自動車道が通じ、本宮インターチェンジがある。中心地区の本宮は古くは本目と称したが、久安(きゅうあん)年間(1145~1151)安達太良(あだたら)山から甑(こしき)明神ほか、大名倉(おおなぐら)山から宇奈明神を本目の菅森(すがもり)に移して合祀し、安達太良明神と号して安達郡の総鎮守とした。一郡の本宮なので地名を本宮と改めたといわれる。江戸時代は二本松(にほんまつ)藩領で、本宮宿は奥州道中、会津街道の分岐点にあり、中通りと会津を結ぶ要地であった。近郊農業が盛んで、烏骨鶏(うこっけい)の生産に努めている。そのほか、製糸業があり、また隣接する郡山(こおりやま)市の影響で東北本線五百川(ごひゃくがわ)駅付近には工業団地ができ、ビール工場などが立地する。蛇の鼻(じゃのはな)遊楽園はボタン、サクラの名所で、園内にある「蛇の鼻御殿」は国の登録有形文化財。

[安田初雄]

『曽我伝吉著『本宮地方史』(1961・本宮町公民館)』『『本宮町史』全12巻(1992~2003・本宮町)』


本宮(正宮の称)
ほんぐう

本社ともいう。主祭神の鎮座する正宮(しょうぐう)の称。別宮、別社、奥宮(おくみや)、奥社、山宮あるいは摂社、末社、境内社などに対して、その神社のもとになる社。

[編集部]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「本宮」の意味・わかりやすい解説

本宮
ほんぐう

和歌山県中南部,田辺市東部の旧町域。熊野川中流域にある。 1956年請川村,三里村,本宮村,四村の4村と敷屋村の一部が合体して町制。 2005年田辺市,龍神村,中辺路町,大塔村の4市町村と合体して田辺市となった。熊野川とその諸支流に沿い,農林業が主。米作のほかチャ (茶) の栽培や畜産も行なわれる。中心集落の本宮は熊野三山の一つ熊野本宮大社 (熊野坐神社〈くまのにますじんじゃ〉) の門前町として発達。地名も同社に由来。江戸時代も紀州藩支藩の新宮藩の領地であった熊野地方で,ここだけは紀州本藩領であった。中辺路などの熊野参詣路が集まり,宿坊跡などがある。いたるところに伝説や遺跡が残り,本宮大社例大祭など行事も多彩。湯ノ峰 (一帯に自生するユノミネシダは国の天然記念物) ,川湯温泉があり,瀞峡の景勝地も近く,吉野熊野国立公園に属する。

本宮
もとみや

福島県中部,本宮市西部の旧町域。阿武隈川流域にある。1889年町制。1954年荒井村,青田村,仁井田村の 3村と合体。2007年白沢村と合体して本宮市となった。江戸時代には奥州街道の宿駅として発達。蛇ノ鼻のボタン園は有名。西部には明治初期に開拓された広大な青田原がある。1964年新産業都市に指定され,機械,被服,酒造,食品加工などの工場が進出した。

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百科事典マイペディア 「本宮」の意味・わかりやすい解説

本宮[町]【ほんぐう】

和歌山県南東部,東牟婁(ひがしむろ)郡の旧町。十津川下流域の山地を占め,林業を主とする。中心の本宮は熊野本宮大社(熊野三山)の鳥居前町。近くに湯峰(ゆのみね),川湯の温泉もあり吉野熊野国立公園の一部。新宮市からバス。2005年5月西牟婁郡中辺路町,大塔村,日高郡龍神村と田辺市へ編入。204.06km2。3933人(2003)。
→関連項目森林交付税

本宮[市]【もとみや】

福島県中部,郡山盆地北部にある市。2007年1月,安達郡本宮町,白沢村と合併,市制。市の中央を阿武隈川が南流し,東北自動車道,磐越自動車道,国道4号線,東北新幹線東北本線が通じる。東日本大震災で,市内において被害が発生。88.02km2。3万1489人(2010)。

本宮[町]【もとみや】

福島県中部,安達郡の旧町。郡山盆地北端からその北西部の丘陵地にかけてある。主集落は奥州街道の宿場町として発達,東北本線,東北自動車道,磐越自動車道が通じ,付近農村の商業中心をなす。郡山市の通勤圏に含まれ,工場も進出している。2007年1月,安達郡白沢村と合併し,本宮市となる。39.54km2。2万2180人(2005)。

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世界大百科事典(旧版)内の本宮の言及

【熊野大社】より

…和歌山県熊野地方にある本宮,新宮,那智の3ヵ所の神社の総称。本宮(熊野坐(くまのにます)神社)は現在熊野本宮大社と称し,東牟婁(ひがしむろ)郡本宮町に,新宮(熊野早玉神社)は現在熊野速玉大社と称し,新宮市に,那智は現在熊野那智大社と称し,東牟婁郡那智勝浦町に鎮座する。…

※「本宮」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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