栄養・営養(読み)えいよう

精選版 日本国語大辞典 「栄養・営養」の意味・読み・例文・類語

えい‐よう ‥ヤウ【栄養・営養】

〘名〙 生物が体外から物質をとり入れて、生命を保ち、体を発育、生長させる働き。あるいは生命を保ち、体を健全にすること。また、そのために必要な成分や、それを含む食物
※和蘭医事問答(1770)下「血は栄養一身候が職にて」
随筆・梅園拾葉(1781)下「其の営養といふものは飲食胃に入り蓄ふるに、肝上より覆ひ、脾下より捧げ、胃をさしはさみて鼓動をなし飲食の精をとり」
[語誌](1)「栄養」は親に孝行を尽くすことの意で、もともと中国の古典漢籍に見える語だが、一三世紀の中国の医書「脾胃論」では身体を滋養する意味に用いられ、以降多くは「営養」と表記されるようになる。この意味が中国から日本の医書にも伝わり、蘭学訳書にも「営養」「栄養」が併用された。
(2)大正九年(一九二〇)、内務省に栄養研究所が設けられ、書名にも「栄養」が現われ、「栄養」への転換が行なわれた。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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