汝・爾(読み)なんじ

大辞林 第三版の解説

なんじ【汝・爾】

( 代 )
〔「汝」に「貴むち」が付いてできた「なむち」の転〕
二人称。多く対等の人、またはそれ以下の人に対して用いられ、中世以降は目下の人や親しい人を呼ぶのに用いられるようになった。現代語では主として文語的な言い回しに用いられる。 「 -ごときにわかるものか」 「 -の隣人を愛せよ」 「 -が持ちて侍るかぐや姫奉れ/竹取」 〔この語は、本来、相手を尊敬して呼んだ語と考えられる〕
[句項目] 汝自身を知れ

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

な‐んじ ‥んぢ【汝・爾】

〘代名〙 (古くは「なむち」。「な(汝)むち(貴)」の意) 対称。上代古くは、相手を尊敬して呼んだ語と推定されるが、奈良時代以降、対等またはそれ以下の相手に対して用いられ、中世以降は、目下の者に対する、もっとも一般的な代名詞として用いられる。
※竹取(9C末‐10C初)「なんちが持ちて侍るかぐや姫奉れ」
※仮名草子・浮世物語(1665頃)四「我豈(あに)敢て子(ナンヂ)の面(おもて)我が面の如くなりと謂(おも)はんやと言へり」
[補注]大国主神の別名が、「大汝」や「大己貴」などと書かれていたり、「卿」「仁」などの文字に対して、古辞書が、キミやイマシの訓とともにナンヂを挙げているところなどから、古くは敬意が含まれていたと考えられる。

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