(読み)チュウ

デジタル大辞泉 「注」の意味・読み・例文・類語

ちゅう【注】[漢字項目]

[音]チュウ(慣) [訓]そそぐ つぐ
学習漢字]3年
液体をそそぎ入れる。「注射注入注油灌注かんちゅう
ひとつ所に集中させる。「注意注視注目傾注
本文のわかりにくい箇所説明の言葉を入れる。「注解注記注釈脚注校注頭注評注補注傍注訳注
しるす。要件を書きつける。「注進注文受注発注
[補説]34は「」と通用
難読注連しめ

ちゅう【注/×註】

本文の意味を詳しく説明したり補足したりするために、本文の間に書き込んだり、別の箇所に記したりする文句。その位置によって頭注・割り注・脚注などという。「―を付す」「―を加える」「訳者―」
[類語]小書き割り書き割り注脚注頭注補注注釈注解校注評注訳注原注傍注左注古注新注

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「注」の意味・読み・例文・類語

ちゅう【注・註】

  1. 〘 名詞 〙 本文の意味を補足したりくわしく説明したりするために書き入れること。また、その文句。注解。
    1. [初出の実例]「なかなか見ぬをりにと思ふらむ心は、後の歌に詠まむずるにや。またちうなどをこそ書かましか」(出典:承暦二年内裏歌合(1078))
    2. 「世は周礼の註に父死て子立を世と云とあり」(出典:神皇正統記(1339‐43)上)
    3. [その他の文献]〔晉書‐向秀伝〕

そそぎ【注】

  1. 〘 名詞 〙 ( 古くは「そそき」。動詞「そそぐ(注)」の連用形名詞化 ) 水などが飛び散ってかかること。
    1. [初出の実例]「くだら川かはせをはやみあかこまのあしのそそきにぬれにける哉」(出典:古今和歌六帖(976‐987頃)三)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「注」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 8画

(旧字)
8画

[字音] チュウ
[字訓] そそぐ・つぐ・つける・しるす・ときあかす

[説文解字]

[字形] 形声
声符は(主)(しゆ)。主に(柱)・(駐)(ちゆう)の声がある。は燭台の形。〔説文〕十一上に「(そそ)ぐなり」とし、声とするが、鐙(とう)(の形、ひともし)に油をそそぐ意の字であろう。〔周礼、天官、瘍医〕に「(そそ)ぐ」とあり、(祝)(ちゆう)はの同声仮借。また〔子、礼論〕「(ちゆうくわう)聽息の時」とは、いわゆる属(しよくこう)、死に臨んで気息の有無を(わた)で確かめるのである。注釈とは釈を属(つ)けること、のちの字を用いる。

[訓義]
1. そそぐ、つぐ、流しいれる、液状のものをとおす。
2. つける、くっつける、矢をつがえる。
3. あつめる、あわせる。
4. 水さし。
5. しるす、かく、とく、のべる、ときあかす。
6. (ちゆう)・(ちゆう)と通じ、くちばし

[古辞書の訓]
名義抄 ソソグ・トドム・モチヰル・ヤハクス・オフ・ツク・イル・ソシル・ナスラク・カカル/ シリクベナハ・シリクヘ

[語系]
tjio、屬(属)・矚tjiokは声義が近い。〔儀礼、士昏礼〕「玄酒をみ、三たびに屬(つ)ぐ」とあるのは注ぐ意。矚目は注目と同じ。tjiuは音を以て通用する。

[熟語]
注意・注委・注雨・注下・注夏・注解・注・注記・注紀・注脚・注訓・注冊・注視・注子・注矢・注耳・注射・注瀉・注釈・注授・注書・注銷・注色・注心・注籍・注・注措・注錯・注想・注定・注同・注念・注文・注慕・注望・注明・注目・注薬注連・注録・注椀
[下接語]
引注・雨注・割注・注・記注・儀注・脚注・訓注・傾注・懸注・古注・校注・集注・詳注・新注・選注・箋注・側注・点注・転注・伝注・頭注・評注・標注・補注・傍注・奔注・訳注・翼注

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

図書館情報学用語辞典 第5版 「注」の解説

主として著作中の一部分段落,文,句,用語)に対して別途付けられた説明.表示方法にはページ下部に付される脚注,行と行との間に記載される行間注記などがある.

出典 図書館情報学用語辞典 第4版図書館情報学用語辞典 第5版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【注疏】より

…中国の儒教の正典である経書を解釈したものを〈注〉といい,注をさらに詳しく解釈したものを〈疏〉という。注は,ときに伝,箋(せん),解,学ともいうが,それらを総じて注という。…

※「注」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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