白鬚神社(読み)しらひげじんじゃ

精選版 日本国語大辞典 「白鬚神社」の意味・読み・例文・類語

しらひげ‐じんじゃ【白鬚神社】

[一] 滋賀県高島市鵜川にある神社。旧県社。祭神は猿田彦命(さるだひこのみこと)垂仁天皇のとき倭姫命(やまとひめのみこと)が創建したと伝えられる。比良明神(ひらみょうじん)
[二] (一)を根本社とする神社。祭神は猿田彦命。山形、埼玉、東京、神奈川、静岡、岐阜、高知、福岡などの各地方にあり、特に東京都墨田区東向島の社が有名。白髭神社

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デジタル大辞泉 「白鬚神社」の意味・読み・例文・類語

しらひげ‐じんじゃ【白鬚神社】

滋賀県高島市にある神社。祭神は猿田彦神。比良明神。白鬚明神
東京都墨田区にある神社。天暦5年(951)慈恵大師が、の白鬚明神を勧請かんじょうして創建。

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日本歴史地名大系 「白鬚神社」の解説

白鬚神社
しらひげじんじや

[現在地名]日高町阿尾

阿尾あお集落の北西部、小高い地に鎮座。祭神は猿田彦さるたひこ大神・事代主ことしろぬし大神・天津児屋根あまつこやね大神。旧村社。「続風土記」は「一村の氏神なり、寛文雑記には王子明神とあり、長床あり」と記す。社伝によれば天文(一五三二―五五)初年に近江国高島たかしま郡の白鬚神社(現滋賀県高島町)より勧請したという。また一説に、享保七年(一七二二)から同一〇年までの間に、阿尾の光徳こうとく(現浄土真宗本願寺派)の八世俊了が村内九戸の戸主とともに近江の白鬚神社に参詣、その分霊を勧請したというが、昭和三二年(一九五七)に発見された棟札に「享保一四年竜集己酉六月穀且再興 願主光徳寺了応」とあり、火災にでもあわない限り、享保七年に勧請してのちわずか六、七年で再興したとは考えにくい。

白鬚神社
しらひげじんじや

[現在地名]東城町森

もりの産土社で、かめ山に鎮座。祭神は猿田彦命・伊弉諾命・天鈿女命。旧村社。鎮座年暦は明らかでないが、「比婆郡誌」は正徳の記に天文一九年(一五五〇)の棟札を載せていると記し、再建の棟札と考えられる。また「国郡志下調書出帳」には元禄八年(一六九五)再建の棟札があると記す。当社は内堀うつぼり村の杉戸すぎと神社(現天照真良建雄神社)未渡みど村の天王てんのう(現宮内神社)久代くしろ村の天王社(現太室神社)入江いりえ(現西城町)熊野くまの権現(現熊野神社)大佐おおさ(現西城町)天戸あまと神社とともに奴可ぬか郡内六社の大氏神といわれ、古来地方開拓の守護神とされている(森村神社調書出帳)

白鬚神社
しらひげじんじや

[現在地名]川南町川南 白鬚

切原きりばる川の二本の支流に挟まれた丘陵上にある。祭神は伊邪那岐大神・建速須佐之男大神・猿田彦大神。相殿に宇迦御魂神・大山祇神を祀る。旧郷社。天長二年(八二五)の創建と伝える。江戸時代には白鬚大明神と称し、高鍋藩主内室の崇敬が厚く、祭事には代参が恒例であった(宮崎県史蹟調査)。寛永一五年(一六三八)の高鍋藩人給帳には白髪領三石とみえる。貞享三年(一六八六)高鍋藩寺社帳によると、九月一九日の祭礼には代参があり、神領は四石五斗であった。祭礼の日には市が立ったようで、享保一六年(一七三一)には比木ひき神社(現木城町)などとともに市料が課されている。

白鬚神社
しらひげじんじや

[現在地名]高島町鵜川

老樹の茂る山腹を背にして社殿があり、国道一六一号を隔てた湖中に朱塗りの鳥居がある。全国的に分布する白鬚(髭)社の本社とされる。「三代実録」貞観七年(八六五)正月一八日条に「授近江国無位比良神従四位下」とあり、当社の祭神猿田彦さるたびこ命がこの比良神にあたるという。旧県社。延命長寿の神として知られ、湖中の鳥居により、近畿の厳島ともよばれる。

白鬚神社
しらひげじんじや

[現在地名]大田村沓掛

上沓掛かみくつかけの南端に鎮座する。宗教法人名は白鬚田原神社。旧郷社。祭神は猿田彦命・瓊瓊杵命など五神。和銅三年(七一〇)白鳥の神告で勅により祭祀、白鳥が下ったので白鬚神社と呼称したともいう。社伝では正平六年(一三五一)沓掛城主田原直平がもりから現在の鳥飛谷ちようひだにに移り再興したとするが、このとき初めて鎮座したものではあるまいか。秋の例大祭は現在一〇月一八日であるが、一般に白鬚神社のどぶろく祭の名で広く知られる。

白鬚神社
しらひげじんじや

[現在地名]可児市土田

国道四一号の東側、下切しもぎり地内にある。祭神は猿田彦大神・建御名方神・天照皇大神・伊弉諾命・天御蔭神。旧村社。縁起(当社蔵)によれば、平将門の乱平定のため東征中の平貞盛が近江の白鬚大明神(現滋賀県高島郡高島町)に戦勝を祈願したところ夢に大明神が現れ、美濃国木曾川べりの大井戸おおいどに神社を造営せよと告げられた。貞盛は天慶三年(九四〇)、白猿に導かれ大脇おおわきの宮野に赴いて社造営を命じ、戦いの帰途甲冑などを奉納したという。

白鬚神社
しらひげじんじや

[現在地名]佐賀市久保泉町大字川久保

川久保の宮かわくぼのみや集落の北にある。祭神は豊受比売命・猿田彦命・武内宿禰の三柱で近江国の白鬚大明神を分祀したものと伝えられる。この勧請に奉仕した家が一九家あり、姓に丸字を付しているので丸持まるもちの家といわれる。丸持の家が神社の祭典に重要な役割をもつので祭を丸祭とよぶ。一〇月一八日から一九日にかけて行われる。

この祭典に奉納される田楽は県の重要無形文化財に指定されている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「白鬚神社」の意味・わかりやすい解説

白鬚神社
しらひげじんじゃ

滋賀県高島市鵜川に鎮座する元県社を本社とする神社。山形県福井県など各地にあり,サルタヒコノカミまたは新羅神とされる白鬚明神をまつる。白鬚明神,比良明神ともいう。例祭5月1日,9月5~6日。

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デジタル大辞泉プラス 「白鬚神社」の解説

白鬚神社

滋賀県高島市にある神社。「白鬚大明神」「白鬚さん」とも。主祭神は猿田彦命(さるたひこのみこと)。全国の白髭神社の総本社とされる。本殿は国の重要文化財に指定。

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事典 日本の地域遺産 「白鬚神社」の解説

白鬚神社

(滋賀県高島市鵜川215)
近江水の宝」指定の地域遺産(2009(平成21)年)。

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