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保護鳥 ほごちょうprotected bird

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

保護鳥
ほごちょう
protected bird

法律や条令によって捕獲が禁止されている鳥類。また条約などにより輸出入などが禁止ないし規制されている鳥も保護鳥である。さらに,絶滅の危機に瀕し,その保護のためには国際的な協力が必要であるとして国際鳥類保護会議 ICBPが指定したものを国際保護鳥といい,これには 13種が指定されている。現在,日本ではすべての野鳥が保護鳥となり,ごく一部の鳥が一年のうちのある期間だけ狩猟の対象にされる。また,日本関係の国際保護鳥にはアホウドリトキなどがある。

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デジタル大辞泉の解説

ほご‐ちょう〔‐テウ〕【保護鳥】

法律によって捕獲を禁止されている鳥。現行法鳥獣保護法)では猟鳥のほうを指定している。禁鳥

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世界大百科事典 第2版の解説

ほごちょう【保護鳥】

法律により捕獲が禁止され,保護されている鳥。明治維新に伴い,徳川時代の野生鳥獣に関する諸制度は廃止され,加えて銃器の自由所持,殺生禁断の戒律のゆるみなどもあって,野生鳥獣の乱獲がすすみ,そのため,大型の鳥獣類は急激に減少した。政府は1872年(明治5),〈鉄砲取締規則〉を,73年には〈鳥獣猟規則〉を公布したが,これらはいずれも鉄砲による公安上の危険防止が主眼であった。しかしやがて,野生鳥類の中で,有益なものを保護し,その繁殖をはかり,有害なものを駆除することは農務上の要点であるという認識が高まり,92年公布された狩猟規則では,捕獲を禁止する鳥類すなわち保護鳥を定め,ツル(各種),ツバメ(各種),ヒバリ,セキレイシジュウカラヒガラゴジュウカラミソサザイホトトギスキツツキムクドリおよびタヒバリの12種を指定した。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

保護鳥
ほごちょう

一般的には「狩猟鳥」に対して、その国の法律によって狩猟を禁止されている鳥「非狩猟鳥」をさしていることが多い。現在の日本の法律「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」に使われていることばではない。種類の選択などはそれぞれの国により異なっている。
 日本では、1873年(明治6)公布の「鳥獣猟規則」では、鳥はすべて狩猟対象であった。1892年公布の「狩猟規則」によって、ツル各種、ツバメ各種、ヒバリなど捕獲を禁ずる種を定めたことで、保護鳥の概念が生まれ、「保護鳥」という言い方が一般に使用されることが多くなった。1918年(大正7)に改正された「狩猟法」(1892年公布の「狩猟規則」が1895年に「狩猟法」と改められた)では、この考え方が逆転し、アイサ、アトリ、アホウドリなどを狩猟鳥と決め、それ以外の種の捕獲を禁止する方向となった。この「狩猟法」の考え方は現在も継承されており、2002年(平成14)に制定された現行の「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」においても、日本に生息する野生の鳥はすべて保護の対象であり、一部を狩猟鳥と定め、狩猟させている。そして、試験を受けて合格した人に狩猟免許を与え、定められた猟具と猟法・期間・場所の範囲で、一部の定められた種(カルガモやキジなど28種の狩猟鳥)を狩猟できることとしている。しかも狩猟鳥であっても、その卵や雛(ひな)をとることは禁止されている。これには狩猟資源保護の意味もあるが、日本の自然にとっては狩猟鳥であってもたいせつな生態系の構成員とみているからである。
 しかし、現在では「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」以外に「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」(種の保存法)が1992年(平成4)に制定され、日本としては個体数も少なく、重点的に保護・保全を考えていかなくてはいけない種として、リスト・アップされている鳥がいる。また、かつては環境庁によって、そして2001年以降は環境省によって編纂(へんさん)されている日本の『Red Data Book』(レッド・データ・ブック)に記載されている鳥もいる。これらは、新しい概念の「保護鳥」といえる。さらに「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」(ワシントン条約)や「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」(ラムサール条約)「渡り鳥及び絶滅のおそれのある鳥類並びにその環境の保護に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の条約」(日米渡り鳥条約)「日豪渡り鳥条約」「日中渡り鳥条約」、などの対象種も「保護鳥」であろう。
 また、国際自然保護連合(IUCN)が発表している「世界で絶滅のおそれのある鳥」(絶滅危惧種)なども当然新しい概念の「保護鳥」である(1958年に、IUCNが発表した「世界で絶滅のおそれのある鳥」をリスト・アップして13種を「国際保護鳥」とした。しかし、いまでは絶滅危惧種は300種にも及ぶ。これらが現在の「世界の保護鳥」といえるだろう)。[柳澤紀夫]

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