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社会主義リアリズム[美術] しゃかいしゅぎリアリズム[びじゅつ]Socialist Realism

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

社会主義リアリズム[美術]
しゃかいしゅぎリアリズム[びじゅつ]
Socialist Realism

ソビエト連邦で成立発展した美術,文芸の原理。美術では 1922年「革命ロシア美術協会」の結成後,しだいに明確なかたちをとり,1932年ヨシフ・V.スターリンによって定義された。すなわち,現実生活とその革命的発展を歴史的な実際に即して忠実に描写すること,それによって,社会主義精神における労働者大衆の教育を達成すべきことの 2点である。弁証法的唯物論により,現在のうちに未来の発展が暗示されることが必要であり,写真的リアリズムは排されるが,現実に忠実である必要から,個人的様式化,抽象化,主観的感情表現は否定される。芸術研究は,客観的内容と階級闘争過程の分析に限定される。この教義の確立によって,それまでソ連において,世界にさきがけて発展していた前衛的抽象美術,カジミール・S.マレービッチシュプレマティスム,ウラジーミル・E.タトリンらによる構成主義,マルク・シャガールの幻想的美術はまったく否定され,多くの芸術家が外国へ流出した。国家や革命の英雄をたたえることに奉仕する美術は,イリヤ・E.レーピン移動展派などの伝統的ロシア・リアリズムに,大衆教育的機能を結合したものといえ,近代ヨーロッパ美術の革新的傾向と鋭く対立した。代表的画家はアレクサンドル・ゲラーシモフ,ボリス・V.ヨガンソン,漫画家グループのククルイニクスイ,彫刻家には ベーラ・ムヒーナ,ザイル・アズグールら。

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