薦(漢字)

普及版 字通 「薦(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 16画

(旧字)
17画

[字音] セン
[字訓] すすめる・そなえる・しきりに

[説文解字]
[金文]

[字形] 会意
艸(そう)+(たい)。は解(かいたい)、神判のときに用いる神羊。〔説文〕十上に「獸のするの艸なり。艸に從ふ。古は人、を以て(おく)る。曰く、何をからひ、何(いづ)くにか處(を)ると。曰く、らひ、夏は水澤に處(を)り、柏に處る」という語を載せる。金文字形に、艸中にをおく形があり、白茅を以て犠牲を包み薦める意であろう。〔周礼、天官、人(へんじん)〕に「祭祀には、其の羞の實を共(供)す」という語があり、まだ飲食しない初物を薦、他を進という。供薦の意より、薦進の意となる。(せん)と通用し、副詞に用いる。

[訓義]
1. すすめる、そなえる、たてまつる、神にささげる。
2. そなえもの、おそなえ。
3. しく、しきもの。
4. いたる、すすむ。
5. よもぎの一種、こも
6. (せん)と通じ、しきりに。

[古辞書の訓]
和名抄 古毛(こも) 〔字鏡集〕 クサ・コモ・ノブ・フサク・アク・コモフサ・タテマツル・ススム・ムシロ・カサス(ヌ)

[語系]
tzian、)tzia、またdzyak、席zyakは声近く、これらはみな茅・祭としてその上に犠牲をおき、神に薦めるためのもの。いわゆる白茅屯束(とんそく)の用に供するもので、祭として敷き、神に薦めるもの。(進)tzien、祭tziatも声義の関係があり、神に進めて祭ることをいう。また(巽)sun、dzhian、(選)siuanも一系をなす語で、は神に具(そな)える、神前で二人拝舞することをいう。にはくもの、薦めるものの意がある。なおtzian、臻tzhenと通じて、しきりに、いたるの意に用いる。

[熟語]
薦引・薦延薦函・薦薦挙・薦居薦享・薦薦献・薦賢・薦言・薦・薦至薦祀・薦事・薦薦羞・薦書・薦薦臻・薦信薦紳・薦寝・薦新・薦数薦牲・薦席薦然・薦草・薦達・薦枕薦陳・薦・薦・薦導薦牘・薦抜・薦罰・薦聞薦辟・薦壁・薦・薦保薦脯・薦奉・薦誉・薦揚・薦・薦礼・薦論
[下接語]
引薦・殷薦謁薦・嘉薦・享薦・供薦・貢薦・祭薦・首薦・称薦・推薦・席薦・奏薦・追薦・登薦・拝薦・壁薦・奉薦・褒薦・論薦

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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