高松市(読み)タカマツシ

デジタル大辞泉 「高松市」の意味・読み・例文・類語

たかまつ‐し【高松市】

高松

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本歴史地名大系 「高松市」の解説

高松市
たかまつし

面積:一九五・一七平方キロ

県の中央やや東寄り、瀬戸内海に面して位置する。市域のほとんどは東西二〇キロ、南北一六キロの讃岐平野に広がり、東は北から木田きた牟礼むれ町・三木みき町、西は坂出市、綾歌あやうた国分寺こくぶんじ町・綾南りようなん町、南は香川郡香南こうなん町・香川町・塩江しおのえ町。中央西寄りを香東こうとう川、その西を本津ほんづ川、中央東寄りを御坊ごぼう川、その東を詰田つめた川・春日かすが川・しん川が並行して北流し瀬戸内海に注ぐ。南部に讃岐山脈の北縁がかかり、東西に日妻ひづま山・上佐うわさ山・実相寺じつそうじ山・由良ゆら山が続く。東部に屋島・竜王りゆうおう山塊、南西部に石清尾いわせお山・浄願寺じようがんじ山・しろ峰・どう山の山塊が連なるが、いずれも讃岐山脈の基盤である洪積世台地と同じ地層からなるメサ、あるいはビュート型の溶岩台地で、塩江町との境(標高五三二・九メートル)、白峰山塊のあお(四四九・三メートル)以外は二〇〇メートルから三〇〇メートルの低い山地である。高松平野を流れる諸河川は、南の讃岐山脈から平野への流入口で緩やかな傾斜をもつ扇状地形の沖積平野を形成し、農耕に適した地味豊かな土壌をもたらしたが、諸河川の中流域は伏流し、表層は涸れ川になることが多く、早くから溜池を造築して水不足を解消してきた。山間の洪積世台地と沖積層の境目に多くの溜池が分布する。

現高松市の中核をなす近世の高松城下町は香東川の三角洲上に発達し、御坊川がその東辺であった。この地は律令時代香川郡笑原のはら(和名抄)といわれたが、天正一六年(一五八八)生駒親正築城の際、屋島合戦などで中央にも知られた高松郷の名を取って高松城とし、その城下町名としたことから高松の地名がはじまった。明治二三年(一八九〇)市制をしき高松市となり、県庁所在地として香川県の中心都市であるばかりでなく四国四県の中枢都市であり、岡山・京阪神に最も近い四国の玄関口としての役割を果してきた。市中央北端の高松港に面してJR高松駅があり、東西に分岐する高徳本線と予讃本線・土讃本線の始発駅であるが、昭和六三年(一九八八)四月一〇日から瀬戸大橋線が開通し、本州に直接つながった。徳島市から松山市に至る国道一一号が市の中央部を東西に横断、高知市はりまや橋に至る国道三二号、徳島県海部かいふ海南かいなん町に至る国道一九三号が市中央部中新なかじん町から南に走る。また高松琴平電鉄琴平線・長尾線・志度線が市中央部かわら町で分岐し、それぞれ仲多度なかたど琴平ことひら町・大川おおかわ長尾ながお町・同郡志度しど町に至る。高松港は瀬戸内海航路の中心で関西汽船・加藤汽船が就航し、神戸・大阪・瀬戸内海沿岸各地・九州とつながり、兵庫県・岡山県・小豆島など島嶼部各地にはフェリーが通っている。


高松市
たかまつし

2006年1月10日:高松市が木田郡牟礼町・庵治町、香川郡香川町・香南町綾歌郡国分寺町を編入
【牟礼町】香川県:木田郡
【庵治町】香川県:木田郡
【高松市】[変更地名]香川県
【香川町】香川県:香川郡
【香南町】香川県:香川郡
【国分寺町】香川県:綾歌郡


高松市
たかまつし

2005年9月26日:高松市が香川郡塩江町を編入
【塩江町】香川県:香川郡
【高松市】香川県

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「高松市」の意味・わかりやすい解説

高松〔市〕
たかまつ

香川県中央部,高松平野の中心をなす中核市男木島女木島,大島諸島を含む。県庁所在地。北部は瀬戸内海に面し,南にかけて緩やかな丘陵地帯が香東川流域に広がる。南部は竜王山大滝山などの讃岐山脈を隔てて徳島県に接する。瀬戸内気候に属し,一年を通じて温暖で雨が少なく,平野,丘陵地にはため池が多数点在する。 1890年市制。 1914年宮脇村,1921年東濱村,栗林村,1940年屋島町と太田村など4村,1956年には2町 13村,1966年山田町,2005年塩江町,2006年香川町,香南町,国分寺町,庵治町,牟礼町をそれぞれ編入。中心市街地の高松は城下町で,水城の高松城 (玉藻城) は生駒親正が天正 16 (1588) 年に築いたもので,市名の由来となった。城跡は国の史跡に指定。丸亀出身の町民をこの地に移した丸亀町を城下町の中心とし,この西側に侍屋敷,裏通りに職人町を置いた。寛永 19 (1642) 年徳川光圀の兄松平頼重がこの城に入り (→高松藩 ) ,以後,代々の藩主が中国,四国の諸藩を監察した。明治4 (1871) 年香川県庁が置かれた。 1910年宇高連絡船が開業。予讃線,土讃線,高徳線の各鉄道の起点となり,四国の玄関口となる。 1945年空襲で中心市街地の大部分を焼失したが,その後は四国を管轄する官庁,会社の出先機関の多くが集中する管理機能都市として発達した。家具,漆器,ちり紙,秤,カキ (柿) ,マツの盆栽などが特産品。農村部では,米,果樹,野菜の栽培が行なわれる。県内有数のノリ養殖地でもある。良質の花崗岩である庵治石の加工業が有名。四国八十八ヵ所の第 80番札所国分寺,第 82番札所根香寺,第 83番札所一ノ宮寺,第 84番札所屋島寺,第 85番札所八栗寺がある。国指定特別名勝の栗林公園,国指定特別史跡の讃岐国分寺跡,国指定史跡の石清尾山古墳群など,名所旧跡が多数あり,観光都市としての性格も強い。風光明媚な景勝地も多く,国指定史跡および天然記念物の屋島,女木島や五色台などは瀬戸内海国立公園に属する。また南部の徳島県境の山あいは大滝大川県立自然公園に含まれる。中西部に高松空港がある。四国横断自動車道が東西に通じ,高松中央,高松檀紙インターチェンジがある。 JR各線のほか高松琴平電気鉄道各線,国道 11号線,32号線,193号線などが縦横に走る。面積 375.42km2。人口 41万7496(2020)。

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