デジタル大辞泉 「喉」の意味・読み・例文・類語
のど【喉/▽咽/×吭】
1 口腔の奥の、食道と気管に通じる部分。
2
3 歌う声。「自慢の―を聞かせる」
4 急所。大切な箇所。のどくび。「補給路の―を抑える」
5 書物の紙をとじてある背の方の部分。
[類語]咽頭・喉頭・咽喉・喉元・喉首
( 1 )ノドを表わす上代の語はノミドで、ノミはノム(呑)の連用形、ドは門の意のトが連濁によって変化したもの。
( 2 )平安時代に撥音便化してノムドとなり、院政期にはノドの表記も見られるようになるが、実際にはまだノムドと発音していたと思われる。
( 3 )中世以降はノドの方が優勢になり、辞書には両様の表記が見られるが、複合語ではほとんどノドとなっており、一般的にノドと表記したと思われる。しかし、ノンドも明治初期まで見られた。
「乃美土」と「能美等」の二例があり、上代特殊仮名遣で「土」は甲類の仮名であるが、「等」は乙類の仮名である。また、一般的には前者は濁音、後者は清音の仮名である。従って甲乙、清濁が決定できない。
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
俗にいうことばで,解剖学でははっきり定義することができない。一つは頸(くび)の前のところを指し,およそ喉頭に相当する場所をいう。声を出す声門はこの喉頭の中央部にある。子どもが過って吸いこんだ異物が詰まって窒息を起こすのも,ここである。喉頭の前面は盾のような甲状軟骨で守られ,手でこれに触れることができる。この軟骨の上端正中部は成人男子では大きく突出して〈のどぼとけ〉をなしている。〈アダムのリンゴ〉ともいうが,これは禁断の木の実(リンゴ)を口にしたアダムが神からとがめられて驚いたため,果実の半分がのどにひっかかって膨れ上がったのだという説話に基づく。〈のど〉という言葉が指すもう一つの場所は,口を開いた場合に,口腔のつきあたりの場所をいい,解剖学では咽頭にあたる。〈のどに骨が刺さった〉というのはこの場所である。
執筆者:藤田 恒太郎+藤田 恒夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…咽喉頭ともいう。咽頭と喉頭を総称した名で,いわゆる〈のど〉といわれる部分。咽頭は鼻腔,口腔に連なる部分から,おおむね喉頭蓋のあるところまでを指し,喉頭は咽頭の下から気管までをいう。…
※「喉」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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