出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
新潟県糸魚川(いといがわ)市と妙高市の境にある山。標高2400m。妙高山(2446m)や火打山(2462m)などからなる妙高火山群中唯一の活火山である。山体は,第三紀層の基盤を角セン石安山岩の溶岩や火山砕屑流(さいせつりゆう)堆積物などが覆う。1852年(嘉永5)以来しばしば爆発し,近年は1949年,63年,74年と爆発を繰り返している。山頂部にある周囲500mほどの火口壁の北側は破壊され南は高く急である。山頂付近に樹木はほとんどない。噴火口はまわりの溶岩の屑や火口砂などによって埋められている。山腹北側には火山泥流堆積物よりなる長大な緩斜面がつくられ,上方には〈賽(さい)の河原〉と称される砂礫からなる狭長な平たん斜面,下半部には数個の火山泥流丘が発達し,末端に笹倉温泉がある。焼山の景観は雄大・豪壮で上信越高原国立公園にも含まれる。登山路は,糸魚川方面から笹倉温泉を経て湯川谷に沿って登るものと,南東の笹ヶ峰から火打山を経て登るコースが一般的である。
執筆者:中村 三郎
秋田県北東部,八幡平火山の西方にある二重式火山。標高1366m。熊沢山ともいう。焼山は外輪山の一峰の名で,栂森(つがもり)(1359m),黒石森(1231m)などとともに南北約800m,東西約600mの楕円形をなして連なり,一部に水をたたえた噴火口と中央火口丘の鬼ヶ城を囲んでいる。1894年と1950年に爆発があり,現在も微弱ではあるが火山活動を続けている。名のとおり全体が焼石でおおわれ,かつて硫黄を採掘した又一・宮川両鉱山跡がある。十和田八幡平国立公園に含まれ,西麓に玉川温泉,東麓に蒸(ふけ)ノ湯温泉,大深温泉,後生掛(ごしよがけ)温泉があり,登山やスキーの適地となっている。栂森西側のもうせん峠付近は強風のために樹木が育たず,広大な緩斜面はコケモモやイソツツジを混ぜたガンコウランの一大群落地となっている。
執筆者:水野 裕
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…十和田八幡平国立公園に属する。狭義には高原中央にある最高峰の楯状火山(1614m)をいい,広義には東の茶臼岳(1578m),西の栂森(つがもり)(1350m),焼山(1366m),南の畚(もつこ)岳(1578m),大深岳(1541m)を結ぶ連峰およびその周辺地域を含む。おもに輝石安山岩の厚い溶岩流と火山灰層からなり,主峰の山頂部は約1.5km2にわたって平たんな台地状をなし,付近には八幡沼や蟇(がま)沼などの湖沼が点在し,これらをとりまいて広大な高層湿原が展開している。…
※「焼山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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