エイズ(AIDS)(読み)エイズ

百科事典マイペディアの解説

エイズ(AIDS)【エイズ】

acquired immune deficiency syndrome(後天性免疫不全症候群)の略。ヒト免疫不全ウイルスHIV)によって引き起こされる感染症で,血液や精液を介して伝播する。感染経路は,HIV感染者との性行為,HIVに汚染された血液の輸血や注射器の使用による濃厚な接触,HIV感染母体からの胎児や新生児への感染(母子間感染)の三つである。ウイルスの単離には成功したが,いまだ根治的な治療法がない。感染後しばらくは症状のないキャリアという状態が続き,HIVが増殖してヘルパーT細胞の破壊が進むと,免疫機構が崩壊して日和見感染症などをひき起こす。いったん発症すると致死率が高いが,HIVの増殖を抑える薬剤の開発により,発病阻止が試みられているほか,免疫賦活剤の使用も行われている。エイズ患者は1981年にアメリカにおいて最初に報告され,その後,全世界的に患者数が急増し,1991年7月末までにWHOに報告された患者数は37万人を超えている。WHOの推計(2004年)では,全世界のエイズウイルスによる死者は累計2000万人を超えたとしている。国連合同エイズ計画は2004年末の感染者は全世界で3940万人(地域別ではサハラ砂漠以南のアフリカが2540万人と最多)と推測している。日本では1985年に初めてエイズ患者が確認され,2005年末までにHIV累計感染者7338人,エイズ患者数3623人と合計1万人を超えた。日本では,血友病患者など血液製剤や輸血を介した感染が多かったが,性的接触を原因とするものが増加する傾向にある。→HIV訴訟
→関連項目異種間臓器移植馬伝染性貧血エイズ予防法エマージング・ウイルスカポジー肉腫感染症予防法血液製剤血友病原虫クリプトスポリジウム自己血輸血CDCジョンソン人工赤血球スーパー抗原性行為感染症多剤併用療法Dumb TypeDNAワクチンテミン届出伝染病ニューモシスチス・カリニ肺炎廃娼運動買売春橋本龍太郎内閣ミレニアム開発目標無輸血手術免疫不全症輸血溶血性尿毒症症候群リプロダクティブ・ヘルス/ライツレトロウイルス

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

エイズ(AIDS)

HIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染後、数カ月~数年の潜伏期間を経て免疫力が衰え、23種類の症状のうち一つ以上を発症すると、エイズと診断される。HIVに感染しても、治療で増殖を抑え、発症を防いだり遅らせたりできる。HIVは非常に感染力が弱く、予防にはコンドームの正しい使用が大切とされる。多くの保健所では随時、HIVや梅毒など性感染症の検査を受け付けている。

(2016-12-09 朝日新聞 夕刊 1社会)

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