普及版 字通 「亭(漢字)」の読み・字形・画数・意味
亭
常用漢字 9画
[字訓] やど・ものみ・あずまや
[説文解字]
[字形] 象形
高と同構の字で、下部がアーチ状の楼門をなしている。〔説文〕五下に「民の安定するなり。亭に樓り」とし、「高の省に從ひ、丁(てい)聲」とするが、下部は京と同じように門の形。楼は候望と宿舎とを兼ねることがあり、駅亭という。〔漢書、百官公表〕に「十里に一亭」とあり、合わせて二万九千六百三十五亭があるという。〔周礼、地官、遺人〕に「五十里に市り。市に候り。候に積り」とあり、賓客・会同・師役の際に用いた。境界に当たって設けるものを寓望という。
[訓義]
1. やど、しゅくば、えきてい。
2. ものみ、たかやぐら、たかい。
3. あずまや、ちん。
4. 停と通じ、とどまる、やしなう。
5. 定と通じ、ととのえる、ただしい。
6. 底と通じ、いたる。
[古辞書の訓]
〔和名抄〕亭 辨色立に云ふ、客亭、阿波良夜(あばらや)。亭子、息の處の小屋なり 〔名義抄〕亭 タカシ・アカハダカニシテ・ウチナヤム・トドム・カヨフ・ヤタハカリ・アバラヤ/客亭 アバラ/閑亭 ミヤビカナリ/亭 アバラヤ 〔立〕亭 ウテナ・ヤム・アラハ・タカアシタ・トドマル・マラウドヰ・トドム・ハハナツメ 〔字鏡集〕亭 アカハダカニシテ・タカシ・ヤム・カヨフ・アハラ・トドム・アタハカリ・ウテナ・ハカリ
[声系]
停は〔説文新附〕八上に「止まるなり」とあり、渟(てい)は〔説文〕未収の字で、停水の意。ともに亭の声義を承ける字である。
[語系]
亭・停・渟・定dyengは同声。dyenも声義近く、定することをいう。
[熟語]
亭育▶・亭員▶・亭院▶・亭宇▶・亭景▶・亭駅▶・亭閣▶・亭館▶・亭観▶・亭徼▶・亭午▶・亭侯▶・亭候▶・亭公▶・亭際▶・亭子▶・亭寺▶・亭次▶・亭舎▶・亭▶・亭主▶・亭沼▶・亭障▶・亭▶・亭場▶・亭上▶・亭隧▶・亭燧▶・亭然▶・亭台▶・亭池▶・亭置▶・亭長▶・亭亭▶・亭伝▶・亭当▶・亭畔▶・亭父▶・亭郵▶・亭落▶・亭吏▶・亭立▶・亭楼▶
[下接語]
駅亭・園亭・華亭・街亭・官亭・危亭・旗亭・妓亭・客亭・丘亭・琴亭・古亭・湖亭・郊亭・高亭・山亭・宿亭・小亭・松亭・新亭・水亭・石亭・短亭・池亭・竹亭・築亭・茶亭・長亭・都亭・風亭・辺亭・茅亭・夜亭・野亭・幽亭・郵亭・蘭亭・旅亭・料亭・涼亭・林亭
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報