優(読み)ユウ

デジタル大辞泉 「優」の意味・読み・例文・類語

ゆう【優】[漢字項目]

[音]ユウ(イウ)(漢) ウ(呉) [訓]やさしい すぐれる まさる
[学習漢字]6年
〈ユウ〉
1 ものやわらか。しとやか。やさしい。「優雅・優柔・優美」
2 他よりまさる。すぐれる。「優越・優秀・優勝・優勢・優先・優等・優良・優劣」
3 手厚い。「優遇・優待」
4 役者。芸人。「女優・声優・男優・俳優・名優」
〈ウ〉梵語の音訳字。「優曇華うどんげ・優婆夷うばい・優婆塞うばそく」
[名のり]かつ・ひろ・まさ・ゆたか

ゆう〔イウ〕【優】

[名]すぐれていること。また、成績の評価で上位を表す語。「秀優良可」
[形動][文][ナリ]
1 美しく上品なさま。
「濡羽の黒髪、肩に振分けて後に下げたる姿、―に気高し」〈樗牛・滝口入道〉
2 たくみなさま。
「常よりも―にも書い給へるかな」〈源・葵〉
3 すぐれているさま。
「―なりとおぼゆばかりすぐれたるとは」〈源・帚木〉
4 けなげなさま。殊勝なさま。
「ただ一騎のこらせ給ひたるこそ―なれ」〈平家・七〉
5 やさしいさま。→優に
「―に情ありける三蔵かな」〈徒然・八四〉

やさ【優】

《形容詞「やさしい」の語幹》名詞の上に付いて、やさしく上品である、しとやかである、などの意を表す。「優男」「優女」「優姿」
[形動]《近世語》やさしく、おとなしいさま。
「―なをのこが、しなせふり」〈浄・大友真鳥〉

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精選版 日本国語大辞典 「優」の意味・読み・例文・類語

ゆうイウ【優】

  1. [ 1 ] 〘 形容動詞ナリ活用 〙 非常にすぐれている、すばらしく良いとして、他からほめたたえる語。上品、優美、優雅、優婉、風流、優秀などの意を表わす。
    1. ① 上品で美しいさま。しとやかで優美なさま。また、やさしいさま。
      1. [初出の実例]「かぐや姫のかたちいうにおはす也」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
    2. ② 趣の深いさま。芸能などの上手なさま。たくみなさま。
      1. [初出の実例]「常よりもいうにも書い給へるかな」(出典:源氏物語(1001‐14頃)葵)
    3. ③ ひときわすぐれているさま。理想的で申し分のないさま。
      1. [初出の実例]「少臣奏云、左右歌伴以優也」(出典:天徳四年内裏歌合(960))
    4. ④ 殊勝なさま。心がけや態度の立派なさま。
      1. [初出の実例]「み方の御勢は皆落候に、ただ一騎のこらせ給ひたるこそゆうなれ」(出典:平家物語(13C前)七)
    5. ⑤ 十分なゆとりのあるさま。→優に。
  2. [ 2 ] すぐれていること。特に、学校などで用いる評点の一つで、上位の成績につけるもの。優・良・可または、秀・優・良・可の順とする。
    1. [初出の実例]「中には、朱で点を付けたのもあり、優とか佳とかしたのもあった」(出典:破戒(1906)〈島崎藤村〉二一)

優の補助注記

現代口語では、連用形の副詞化した「ゆうに」の形を除いて、普通、形容動詞としては用いられない。


やさ【優】

  1. ( 形容詞「やさしい」の語幹から )
  2. [ 1 ] 〘 造語要素 〙 名詞の上に付いて、やさしく上品である、しとやかであるなどの意を添える。「やさ人」「やさ男」「やさ女」「やさがた」など。
    1. [初出の実例]「『物かはと君がいひけん鶏の音の』と優(ヤサ)蔵人が詠みたりしも」(出典:人情本・花筐(1841)二)
  3. [ 2 ] 〘 形容動詞ナリ活用 〙 やさしく、おとなしいさま。
    1. [初出の実例]「やさなをのこがしなせふり」(出典:浄瑠璃・大友のまとり(1662)四)

やさし【優】

  1. 〘 形容詞シク活用 〙 ⇒やさしい(優)

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普及版 字通 「優」の読み・字形・画数・意味

優
常用漢字 17画

[字音] ユウ(イウ)・ウ
[字訓] わざおぎ・やさしい・まさる・すぐれる・ゆたか

[説文解字]

[字形] 形声
声符は憂(ゆう)。憂は喪に服して愁える人の形。未亡人のときには寡という。喪に服してかなしむ人の姿を優といい、またその所作をまねするものを優という。〔説文〕八上に「饒(おほ)きなり。一に曰く、倡(うた)ふものなり」とするが、もとは所作事を主とするものであった。〔説文〕にを憂、憂を優の義に解し、優には饒多の義を以て正訓とするが、もと俳優の優。死者の家人に代わって、神に対して憂え申す所作を演じたのであろう。のち山水の間に游んで神を慰め楽しませることを優游といった。〔詩、大雅、巻阿〕は山水の間に遊ぶ詩で、「爾(なんぢ)の游を奐(ばんくわん)にし 爾の休(慶)を優游にせよ」のように用いる。游も神とともに遊ぶ意である。神事的な遊楽が、のち娯楽のためのこととなり、調戯のこととなって、〔左伝、襄六年〕「少(わか)くして相ひ狎れ、長じて相ひ優(たはむ)る」とは戯れ合う意。もとは俳優の俳が調戯、優は憂愁の姿態をなす者であったが、その初義は早く失われたようである。

[訓義]
1. わざおぎ、喪礼のわざおぎ。
2. やさしい、しとやか、ものしずか、のびやか。
3. まさる、すぐれる、おおい、あつし、ゆたか、美好。
4. たわむれる、ざれる。

[古辞書の訓]
〔名義抄〕優 アツシ・マサレリ・メグシ・ユタカニ・ユタカナリ・ユルス・マスマス・タハブレ・タハブル・ヤスシ・ウレフ・スグル・イウナリ

[語系]
優・憂iuは同声。拗ie、・yuと声近く、憂愁の態には身をくねらせ、声にも拗声を用いたのであろう。

[熟語]
優渥▶・優異▶・優逸▶・優越▶・優婉▶・優艶▶・優恩▶・優仮▶・優雅▶・優閑▶・優間▶・優寛▶・優緩▶・優戯▶・優給▶・優遇▶・優劇▶・優眷▶・優賢▶・優顕▶・優言▶・優厚▶・優洽▶・優諢▶・優子▶・優旨▶・優辞▶・優侏▶・優殊▶・優秀▶・優柔▶・優恤▶・優叙▶・優升▶・優笑▶・優陞▶・優勝▶・優奨▶・優賞▶・優倡▶・優饒▶・優深▶・優慎▶・優人▶・優崇▶・優勢▶・優惜▶・優錫▶・優僭▶・優遷▶・優贍▶・優然▶・優待▶・優貸▶・優秩▶・優▶・優長▶・優▶・優等▶・優答▶・優任▶・優俳▶・優博▶・優美▶・優筆▶・優福▶・優報▶・優命▶・優免▶・優游▶・優優▶・優与▶・優余▶・優容▶・優養▶・優賚▶・優楽▶・優隆▶・優礼▶・優伶▶・優麗▶・優劣▶・優老▶
[下接語]
伊優・加優・才優・最優・女優・倡優・饒優・徳優・俳優・名優・伶優・老優

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内の優の言及

【俳優】より

…中国では先秦時代,すでに俳優という言葉が存在し,君主の側にはべり,君主を楽しませる者を指した。単に優,あるいは優人,また倡優,俳倡とも呼ばれる。…

※「優」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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