デジタル大辞泉
「優」の意味・読み・例文・類語
ゆう〔イウ〕【優】
[名]すぐれていること。また、成績の評価で上位を表す語。「秀優良可」
[形動][文][ナリ]
1 美しく上品なさま。
「濡羽の黒髪、肩に振分けて後に下げたる姿、―に気高し」〈樗牛・滝口入道〉
2 たくみなさま。
「常よりも―にも書い給へるかな」〈源・葵〉
3 すぐれているさま。
「―なりとおぼゆばかりすぐれたるとは」〈源・帚木〉
4 けなげなさま。殊勝なさま。
「ただ一騎のこらせ給ひたるこそ―なれ」〈平家・七〉
5 やさしいさま。→優に
「―に情ありける三蔵かな」〈徒然・八四〉
やさ【優】
《形容詞「やさしい」の語幹》名詞の上に付いて、やさしく上品である、しとやかである、などの意を表す。「優男」「優女」「優姿」
[形動]《近世語》やさしく、おとなしいさま。
「―なをのこが、しなせふり」〈浄・大友真鳥〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
ゆう イウ【優】
[1] 〘形動〙 非常にすぐれている、すばらしく良いとして、他からほめたたえる語。上品、優美、優雅、
優婉、風流、優秀などの意を表わす。
① 上品で美しいさま。しとやかで優美なさま。また、やさしいさま。
※竹取(9C末‐10C初)「
かぐや姫の
かたちいうにおはす也」
② 趣の深いさま。芸能などの上手なさま。たくみなさま。
※
源氏(1001‐14頃)葵「常よりもいうにも書い給へるかな」
③ ひときわすぐれているさま。理想的で申し分のないさま。
※天徳四年内裏歌合(960)「少臣奏云、左右歌伴以優也」
④ 殊勝なさま。心がけや態度の立派なさま。
※平家(13C前)七「み方の御勢は皆落候に、ただ一騎のこらせ給ひたるこそゆうなれ」
[2] すぐれていること。特に、学校などで用いる評点の一つで、上位の成績につけるもの。優・良・可または、秀・優・良・可の順とする。
※
破戒(1906)〈
島崎藤村〉二一「中には、朱で点を付けたのもあり、優とか佳とかしたのもあった」
[補注]現代口語では、連用形の副詞化した「ゆうに」の形を除いて、普通、
形容動詞としては用いられない。
やさ【優】
(形容詞「やさしい」の語幹から)
[1] 〘
語素〙 名詞の上に付いて、やさしく上品である、しとやかであるなどの意を添える。「やさ人」「やさ男」「やさ女」「やさがた」など。
※人情本・花筐(1841)二「『物かはと君がいひけん鶏の音の』と優
(ヤサ)蔵人が詠みたりしも」
[2] 〘形動〙 やさしく、おとなしいさま。
※
浄瑠璃・
大友のまとり(1662)四「やさなをのこがしなせふり」
ゆう‐・す イウ‥【優】
〘他サ変〙
① あつくもてなす。優遇する。
※続日本紀‐慶雲四年(707)四月丙申「賜二正六位下山田史御方布鍫塩穀一、優二学士一也」
② ほめる。
※
左経記‐長元四年(1031)一二月二六日「毎年失礼、雖然優而不被処恐」
やさし【優】
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
世界大百科事典(旧版)内の優の言及
【俳優】より
…中国では先秦時代,すでに俳優という言葉が存在し,君主の側にはべり,君主を楽しませる者を指した。単に優,あるいは優人,また倡優,俳倡とも呼ばれる。…
※「優」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」