精選版 日本国語大辞典「優」の解説
ゆう イウ【優】
① 上品で美しいさま。しとやかで優美なさま。また、やさしいさま。
② 趣の深いさま。芸能などの上手なさま。たくみなさま。
※源氏(1001‐14頃)葵「常よりもいうにも書い給へるかな」
③ ひときわすぐれているさま。理想的で申し分のないさま。
※天徳四年内裏歌合(960)「少臣奏云、左右歌伴以優也」
④ 殊勝なさま。心がけや態度の立派なさま。
※平家(13C前)七「み方の御勢は皆落候に、ただ一騎のこらせ給ひたるこそゆうなれ」
⑤ 十分なゆとりのあるさま。→優に。
[2] すぐれていること。特に、学校などで用いる評点の一つで、上位の成績につけるもの。優・良・可または、秀・優・良・可の順とする。
[補注]現代口語では、連用形の副詞化した「ゆうに」の形を除いて、普通、形容動詞としては用いられない。
やさ【優】
(形容詞「やさしい」の語幹から)
[1] 〘語素〙 名詞の上に付いて、やさしく上品である、しとやかであるなどの意を添える。「やさ人」「やさ男」「やさ女」「やさがた」など。
※人情本・花筐(1841)二「『物かはと君がいひけん鶏の音の』と優(ヤサ)蔵人が詠みたりしも」
[2] 〘形動〙 やさしく、おとなしいさま。
※浄瑠璃・大友のまとり(1662)四「やさなをのこがしなせふり」
ゆう‐・す イウ‥【優】
〘他サ変〙
① あつくもてなす。優遇する。
※続日本紀‐慶雲四年(707)四月丙申「賜二正六位下山田史御方布鍫塩穀一、優二学士一也」
② ほめる。
※左経記‐長元四年(1031)一二月二六日「毎年失礼、雖然優而不被処恐」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報