割(読み)ワリ

デジタル大辞泉 「割」の意味・読み・例文・類語

わり【割(り)】

1 割ること。また、割ったもの。「水割り」「お湯割り」
2 歩合の単位。1割は10分の1。「三割打者」
3 比率。割合。「三日に一回の割りで通う」
4 他と比べたときの損得。「割りのいい商売」
5 (「…わりに」の形で)ある事から予想・推測される程度。…に応じた程度よりは。「値段の割りに品物がよい」「若い割りには礼儀正しい」
6 割り当て。「部屋割りをする」
7 割引。「学割り」
8 《「ことわり(理)」から》理由。事情。また、ぐあい。
「芝居で見るような―に行かず」〈緑雨・売花翁〉
9 相撲で、取組表のこと。
10 仲裁。
「大いざこさの中へ、大屋敷―に入り」〈咄・春帒〉
[下接語]頭割り・石割り・板割り・内割り・押し割り・貝割り・鏡割り・欠き割り・書き割り・学割・搗かち割り・幹竹からたけ割り・切り割り・木割り・均等割り・胡桃くるみ割り・塊くれ割り・区割り・腰割り・戸数割り・碁盤割り・駒こま割り・小割り・時間割り・宿しゅく割り・地割り・席割り・背割り・外割り・台割り・縦割り・反別割り・月割り・土割り・手合い割り・土瓶割・梨なし割り・軒割り・場所割り・柱割り・引き割り・挽ひき割り・碾ひき割り・日割り・二つ割り・部屋割り・焙烙ほうろく割り・掘り割り・薪まき割り・町割り・水割り・三つ割り・棟割り・面割り・役割・宿割り・横割り・四つ割り
[類語]割合・比率・率りつ・比ひ・歩合・倍率・定率・同率・低率・高率・レート・パーセンテージ

かつ【割】[漢字項目]

[音]カツ(漢) [訓]わる わり われる さく
[学習漢字]6年
〈カツ〉
1 刃物で切りさく。わる。「割腹・割烹かっぽう・割礼」
2 別々に分ける。一部を分けはなす。「割愛・割拠・割譲・割賦/分割」
〈わり〉「割合・割高・割安・割増料/役割・均等割」
[名のり]さき
[難読]割賦わっぷ

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精選版 日本国語大辞典 「割」の意味・読み・例文・類語

わり【割】

  1. 〘 名詞 〙
  2. [ 一 ] ( 動詞「わる(割)」の連用形の名詞化 )
    1. ① 割ること。分割。割ったもの。→割りの粥(かゆ)。
      1. [初出の実例]「(ワリ)が漸く通る病人じゃ 米を挽割為レ粥也 再飯(ふたたびめし)よりもまだ重き病人なるべし 令レ啜程也」(出典:譬喩尽(1786)二)
    2. ② 「わりむぎ(割麦)」の略。
      1. [初出の実例]「養生に斗り江戸っ子わりを喰」(出典:雑俳・柳多留‐八九(1826))
    3. ③ 割りあて。分配。分けて配られる金額や分量。割りまえ。
      1. [初出の実例]「割(ワリ)さへかからぬ事でござらばと」(出典:浮世草子・傾城歌三味線(1732)一)
      2. 「『これ親方、早く割をくんなせえな』『〈略〉八人に一両づつ』」(出典:歌舞伎・敵討噂古市(正直清兵衛)(1857)序幕)
    4. ④ 寄席などの出演料。割銭。
      1. [初出の実例]「寄席のワリ(出演料)では、食って行けない現状だから」(出典:いろは交友録(1953)〈徳川夢声〉し)
    5. ⑤ 幅を広くするために、布を裁って間に他の布を入れること。また、その入れる布。
      1. [初出の実例]「肩へわりの入たる袖なし羽織、前だれのこしらへ」(出典:滑稽本・戯場粋言幕の外(1806)下)
    6. ⑥ 「わりどこ(割床)①」の略。
      1. [初出の実例]「『いくら引け過ぎでもこれでお泊りなら下のお部屋で…』『ふざけるねえ。ワリなんかをかしくって…』」(出典:普賢(1936)〈石川淳〉)
    7. ⑦ 「わりこみ(割込)②」の略。
      1. [初出の実例]「今に押されて来りゃあ、割も立見もごっちゃ交ぜだ」(出典:歌舞伎・有松染相撲浴衣(有馬猫騒動)(1880)三幕)
    8. ⑧ 仲裁すること。また、仲裁をする人。
    9. ⑨ ( 「理(ことわり)」から ) 物事がそうなる道理。わけ。また、ぐあい。
      1. [初出の実例]「かみやげひしゃがねへとって女郎買が出来ねへといふ割(ワリ)でもねへが」(出典:洒落本・無陀物語(1781))
    10. ⑩ 相撲の取組表をいう。
    11. ⑪ 干潮。潮のわり。〔日葡辞書(1603‐04)〕
  3. [ 二 ] ( 出挙(すいこ)の利息をいう「把利(わり)」から )
    1. ① 歩合算の単位。一〇分の一。分の一〇倍、厘の一〇〇倍。
      1. [初出の実例]「於二京都一五わりのさんようにしやくよう申候」(出典:伊達家文書‐永正一五年(1518)一一月三日・頤神軒存奭算用状)
    2. ② 物と物との比率。ある数量の、他の数量に対する比。割合。
      1. [初出の実例]「つまる所は一ふくで何分づつのわりを以て、謝礼をせしめる計にて」(出典:談義本・根無草(1763‐69)前)
      2. 「此国の人口男子一人に女子百人といふ比例(ワリ)にもあらざれば」(出典:二人女房(1891‐92)〈尾崎紅葉〉中)
    3. ③ さいころばくちで胴元が勝った客に支払う金の、賭金(かけきん)に対する倍数をいう語。
      1. [初出の実例]「大ぜい鉄火打をあつめ、四わり八分を七わりぐらいにして胴をとり」(出典:黄表紙・莫切自根金生木(1785)中)
    4. ④ 他と比べてみたときの、損得のぐあい。→割りがいい・割りが悪い・割りが合う・割りに合う。
    5. ⑤ 他と比べて損になること。→割りを食う。
      1. [初出の実例]「上十五日があなたの娘、下十五日がわしが娘、其替り小の月はわしが方で割をききます」(出典:歌舞伎・鶴千歳曾我門松(野晒悟助)(1865)中幕)
    6. ⑥ ( 形動 ) 他と比べて得になること。割合のよいさま。
      1. [初出の実例]「打たれぬ内に手を突いてあやまる方が割だらう」(出典:歌舞伎・黄門記童幼講釈(1877)序幕)
    7. ⑦ =わりまし(割増)
    8. ⑧ ある人や物事の性格、状態などから当然想像、推測される程度。「…割りに(は)」の形で、…に応じた程度よりはの意に用いる。
      1. [初出の実例]「宿料も廉、其割(ワリ)には坐舗も清潔」(出典:浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉三)

割の補助注記

( [ 二 ]について ) 「割」の字が用いられるのは近世以降である。これは、分割・分配の意の「割」との同音でかつ意味上近い関係が感じられたためであろう。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「割」の読み・字形・画数・意味

割
常用漢字 12画

(旧字)
12画

[字音] カツ・カイ
[字訓] わる・さく・そこなう

[説文解字]
[金文]

[字形] 形声
声符は(害)(がい)。は把手のある大きな針で、祝を収めた器((さい))を刺し通し、その呪能を害する意。それにまた刀を加えて、ものを割裂する意をあらわす。〔説文〕四下に「剝ぐなり」とするが、剝とは獣皮を剝ぐことで、字義が異なる。宰割のように切り開くときに用いる。金文に「用(もつ)て眉壽を(もと)む」のように、求(かいきゆう)の意に用いる。

[訓義]
1. そこなう、たつ、たやす。
2. わる、さく、きりさく。
3. さきとる、きりとる。
4. 害と通じ、わざわい、もとむ。
5. わる、わりあい。

[古辞書の訓]
〔名義抄〕 サク・ヤブル・ホフル・キル・ソコナハル 〔字鏡集〕 ソコナハル・キル・ヱル・サク・ハク・ホフル・ヤフル

[語系]
声の字のうちkat、keatは声義近く、とは去勢することをいう。割にも割勢の意があり、羯kiat、kian、虔gianも同系の語である。

[熟語]
割愛▶・割哀▶・割移▶・割恩▶・割刈▶・割▶・割棄▶・割拠▶・割▶・割減▶・割刻▶・割削▶・割察▶・割炙▶・割捨▶・割愁▶・割情▶・割譲▶・割勢▶・割制▶・割青▶・割政▶・割牲▶・割席▶・割截▶・割絶▶・割塞▶・割断▶・割地▶・割腸▶・割剔▶・割土▶・割配▶・割剝▶・割髪▶・割半▶・割臂▶・割符▶・割分▶・割亨▶・割烹▶・割面▶・割裂▶
[下接語]
棄割・割・刳割・降割・宰割・細割・侵割・生割・切割・剪割・断割・割・剝割・披割・分割・方割・剖割・烹割

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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