(読み)セン

デジタル大辞泉 「占」の意味・読み・例文・類語

せん【占】[漢字項目]

常用漢字] [音]セン(呉)(漢) [訓]しめる うらなう
物や場所を自分のものにする。しめる。「占拠占有占領寡占先占独占
うらなう。うらない。「占星術神占卜占ぼくせん
[名のり]うら・しめ
[難読]辻占つじうら

うら【占/×卜】

事物に現れる現象や兆候によって神意を問い、事の成り行きや吉凶を予知すること。うらない。うらえ。
武蔵野占部うらへかた焼きまさでにもらぬ君が名―に出にけり」〈・三三七四〉
[類語]ぼくする占う占い卜筮ぼくぜい卜占占卜八卦易断

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「占」の意味・読み・例文・類語

うら【占・卜】

  1. 〘 名詞 〙 ( 心の意の「うら」と関係がある語かといわれる ) 神意をうかがうこと。事物にあらわれる現象や兆候によって、疑問の点をただしたり、事の成否や吉凶を予想したり判定したりする方法。うらない。卦(け)
    1. [初出の実例]「武蔵野に占(うら)へ象(かた)焼きまさでにも告(の)らぬ君が名宇良(ウラ)に出にけり」(出典:万葉集(8C後)一四・三三七四)

占の語誌

古くは、鹿の骨や亀の甲を焼いて、その時にできる裂け目や模様でうらなう方法があり、「太占(ふとまに)」「亀卜(かめのうら)」などと呼ばれた。また、「足うら」「石うら」「道行きうら」「水うら」「矢うら」「夕うら」など、いろいろな方法が行なわれた。のち、中国から筮(めどぎ)を数えて行なう卜筮(ぼくぜい)という易(えき)の方法が伝わって一般化し、神祇官、陰陽寮など官制の中でも行なわれ、路傍でする大道易者も現われた。


うら‐ない‥なひ【占】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 占うこと。現われたしるしによって、人の運勢、将来の成り行き、ことの吉凶などを定めること。また、予言すること。亀卜(かめのうら)鹿卜(しかうら)、易占(えきせん)夕占(ゆうけ)、夢占(ゆめうら)手相、トランプ占いなど各種ある。占卜(せんぼく)。うらないごと。うら。
    1. [初出の実例]「易(えき)のうらなひする男来て、やどらむずると勘(かんが)へて」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)一)
  3. 占うことを職業とする人。易者。うらないしゃ。
    1. [初出の実例]「祇園に安部の左近といふうらなひめして見せ給ふに」(出典:浮世草子・西鶴諸国はなし(1685)一)

占の語誌

→「うら(占)」の語誌


うらえうらへ【占】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「うらう(占)」の連用形名詞化 ) うらなうこと。うらない。
    1. [初出の実例]「故(かれ)、太卜(ふとまに)の卜事(ウラヘ)を以て仕へ奉らしむ」(出典:日本書紀(720)神代下(水戸本訓))

せん【占】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 運勢・吉凶禍福をうらなうこと。うらない。卜占。〔易経‐繋辞上〕
  3. 自分のものとすること。場所・地位などをしめること。占有。

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普及版 字通 「占」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 5画

[字音] セン
[字訓] うらなう・しめる

[説文解字]
[甲骨文]

[字形] 会意
卜(ぼく)+口。卜は卜兆の形。口は(さい)で、祝詞の器。神に祈って卜し、神意を問うことを占という。〔説文〕三下に「兆(てう)をて問ふなり」とあり、会意とする。その卜占の辞は、のち神託にふさわしい神聖な形式、韻文で示されることが多く、卜筮の書である〔易〕の爻辞(こうじ)は、多く有韻である。

[訓義]
1. うらなう。
2. たずねる、しらべる、はかる、みる。
3. かきつける、いいつける。
4. まもる、しめる、もつ、もっぱらにする。
5. 覘(てん)と通じ、うかがう。

[古辞書の訓]
名義抄〕占 ウラ・シメス・ワキマフ・ウラナフ・シム

[声系]
〔説文〕に占声として・黏・帖・覘・沾・點(点)・など二十四字を収める。(てん)を〔説文〕四下に作り、〔詩、大雅、抑〕「白圭の(か)けたる」の句を引く。占声の字は店(てん)の声でよむことが多い。

[語系]
占tjiam、覘thiamは声近く、覘(てん)は卜兆の部分を伺う意であろう。その卜兆の部分は、點tyamといったのであろう。

[熟語]
占雲占応・占気占亀・占拠占訣・占験占候・占歳・占事占謝・占術・占食・占親・占人・占星占筮占租・占奏・占測・占対・占堆・占・占断・占・占兆・占天・占田・占吐・占年・占拝・占・占墓・占歩・占卜・占夢・占有・占領
[下接語]
雨占・雲占・易占・嘉占・玩占・占・献占・口占・史占・掌占・星占・兆占・鳥占・天占・独占・兵占・卜占・夢占・夜占

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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