(読み)ゴウ

デジタル大辞泉 「号」の意味・読み・例文・類語

ごう〔ガウ〕【号】

[名]
学者・文人・画家などが本名のほかに用いる名。雅号。
雑誌など定期刊行物の、それぞれの一冊をいう。「今度のが楽しみだ」
絵画(洋画)のカンバスの大きさの単位。
和文活字とその込め物の大きさの単位。初号は42ポイント。号の数が多くなるほど小さくなる。→号数活字
[接尾]
数詞に付いて、順序を示すのに用いる。「1」「3車」「5室」
乗り物や動物などの名前に付いて、それが名称であることを示す。「こだま」「タイタニック
新聞・雑誌など定期刊行物で、発行の順・月・季節や種別などに付いて、どのような種類のものであるかを示す。助数詞として用いることもある。「第2」「1月」「秋季」「臨時増刊
衣服のサイズを示すのに用いる。「9のスカート」
鍋・指輪・植木鉢など、円形の物のサイズを示すのに用いる。「5ホールケーキ
[類語]芸名筆名ペンネーム雅号四股名源氏名俳号

ごう【号〔號〕】[漢字項目]

[音]ゴウ(ガウ)(呉) [訓]さけぶ
学習漢字]3年
大声をあげる。「号泣号令呼号怒号
呼び名。「雅号元号国号山号称号商号尊号俳号
合図。しるし。「号砲暗号記号信号番号符号略号
順序・等級を表す語。「号外号数号俸創刊号

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「号」の意味・読み・例文・類語

ごうガウ【号】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. ( 古くは「こう」とも ) 呼び名。名称。称号。通称。
      1. [初出の実例]「新造皇居無指号」(出典:中右記‐天永三年(1112)一〇月一三日)
      2. 「道長〈号御堂殿、又法成寺殿〉」(出典:尊卑分脈(14C中‐後)摂家相続孫)
      3. [その他の文献]〔春秋左伝注‐僖公元年〕
    2. 特に、学者、文人、画家などが、本名、字(あざな)のほかに付ける名。雅号。
      1. [初出の実例]「老子は号也」(出典:史記抄(1477)一一)
      2. [その他の文献]〔後村題跋‐四〕
    3. 雑誌などの、順序を追って発行するそれぞれをいう。
      1. [初出の実例]「号を重ねるに従ひ漸漸(だんだん)お笑ひも薄く成りますし」(出典:落語・鉄拐(1890)〈禽語楼小さん〉)
    4. 絵画の画布の大きさの単位、一号をいう。→[ 二 ]
    5. 汽笛や号砲。合図の音。
  2. [ 2 ] 〘 接尾語 〙
    1. 新聞、雑誌など定期刊行物で、発行の順、発行月、発行季節、また種別などの下に付けて、どのような種類のものかを示す。また、助数詞として用いることもある。「一月号」「臨時増刊号」
      1. [初出の実例]「新聞雑誌定価 一号定価銀二匁当分一ケ月に三号宛出版」(出典:新聞雑誌‐一号・明治四年(1871)五月)
    2. 列車、船、航空機、動物などの名前の下に付けて、それが名称であることを表わす。「こだま号」「タイタニック号」「神風号
    3. 順序のあるものの、その順序を示すために、数詞に付けて用いる。「第一号」「二号車」「三号室」
      1. [初出の実例]「御存じの六号の書生が先日国へ帰るとき」(出典:雪中梅(1886)〈末広鉄腸〉上)
    4. 活字の大きさを示すために数詞に付けて用いる。初号から始まって数が多くなるほど活字は小さくなる。
      1. [初出の実例]「わが基本活字は〈略〉これを五号といった」(出典:校正の研究(1928)〈大阪毎日新聞社校正部〉五)
    5. 絵画で画布の大きさを示すために数詞に付けて用いる。一号から始まって数が多くなるほど大きくなる。
      1. [初出の実例]「十二号位の油絵の仕事を控へてゐる時だった」(出典:和解(1917)〈志賀直哉〉八)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「号」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 5画

(旧字)號
13画

[字音] ゴウ(ガウ)・コウカウ
[字訓] さけぶ・なく

[説文解字]

[字形] 形声
旧字は號に作り、号(ごう)声。号は〔説文〕五上に「痛む聲なり」とあって、悲しみ叫ぶ声とする。号は呵と字形近く、ともに祝告を収めた器の形である口((さい))に対して、柯枝を加えている形。呵は呵してその祝の成ることを求め、号は号呼して哀訴する意である。号はもと號とは別の字。いま號の略字として用いる。〔説文〕五上に號を「(よ)ぶなり」(段注本)と訓するが、その字形よりみて、虎の嘯(うそぶ)きを本義とする字であろう。のちおよそ鳥獣の大声で号呼することをいう。

[訓義]
1. さけぶ、大声でさけぶ。
2. なげく、痛みなく、うそぶく。
3. つげる、しらせる、となえる、いいふらす、命ずる。
4. な、なづける、よびな、となえのな、おくりな。
5. しるし、うわさ。

[古辞書の訓]
名義抄〕号 ナ・ナヅク・ワレ/號ヨバフ・サケブ 〔字鏡集〕号 メス・ナヅク・ナヲシ/號 サケブ・ナク・ヲラブ・ヨバフ

[声系]
〔説文〕に号声として・號など五字を収める。(きよう)は大木の幹の空虚のさま。号に大の意があり、また空虚なひびきを示す擬声的な用義法がある。

[語系]
号・號h同声hu、(叫)kyu、ky・哮xeu、吼xo、囂xiなど、みな声義に通ずるところがある。

[熟語]
号衣・号位・号・号火号戒・号旗・号泣・号・号叫・号件・号呼・号鼓・号・号哭・号諡・号字・号辞・号啾・号称・号照・号嘯・号鍾号召・号数・号訴・号喪・号単・号牒・号笛・号・号天・号怒・号頭・号筒・号・号慟・号呶・号馬号碼・号板・号慕・号簿・号房・号名号踴・号令
[下接語]
哀号・暗号・印号・院号・永号・怨号・王号・仮号・嘉号・雅号・改号・官号・寒号・紀号・記号・号・叫号・狂号・驚号・啓号・元号・呼号・口号・吼号・更号・国号・山号・師号・諡号・寺号・綽号・爵号・祝号・初号・称号・唱号・商号・信号・晨号・正号・僭号・贈号・尊号・大号・題号・長号・勅号・追号・帝号・怒号・等号・年号・俳号・発号・番号・標号・負号・符号・文号・別号・法号・名号・鳴号・夜号・号・立号・略号

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「号」の解説


ごう

別号とも。実名(じつみょう)や字(あざな)とは別に用いられる人名呼称法。他人によらず,当人がみずからの思想・個性などを仮託して自称したものをいう。発生的には中国宋代に由来するが,日本では鎌倉時代の禅僧に広まったのを最初とする。室町時代には公家武家にも広まり,江戸時代には学者や文人・画家なども雅号として用いるようになった。寺院の山号,商家の屋号もこの類。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

図書館情報学用語辞典 第5版 「号」の解説

逐次刊行物の刊行単位.号数は,刊行の順を追って,3号,4号,あるいは5月号,6月号などとなる.数号で巻を構成する場合と号のみ(通号)の場合がある.前者では,一つの巻の中で,決まった号数が繰り返される.

出典 図書館情報学用語辞典 第4版図書館情報学用語辞典 第5版について 情報

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