デジタル大辞泉 「憂」の意味・読み・例文・類語 ゆう【憂】[漢字項目] [常用漢字] [音]ユウ(イウ)(漢) ウ(呉) [訓]うれえる うれい うい1 物思いに沈む。心配する。心配事。うれい。「憂鬱ゆううつ・憂国・憂愁・憂慮/杞憂きゆう・同憂・内憂・忘憂・一喜一憂・先憂後楽」2 喪も。「大憂」 う【憂】 《形容詞「う(憂)し」の語幹》つらいこと。憂いこと。「とりとむる物にしあらねば年月をあはれあな―と過ぐしつるかな」〈古今・雑上〉[補説]多く、「あなう」「こころう」などの形で用いられる。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「憂」の意味・読み・例文・類語 うれわしうれはし【憂】 〘 形容詞シク活用 〙 うれえるべきさまである。嘆かわしい。[初出の実例]「悲しく愁(ウレハシキ)こと具にも陳ぶること難し」(出典:西大寺本金光明最勝王経平安初期点(830頃)一〇)「したり顔にてもとの事をおもひはなちたらむけしきこそうれはしかるべけれと、おぼして」(出典:源氏物語(1001‐14頃)末摘花)憂の派生語うれわし‐げ〘 形容動詞ナリ活用 〙憂の派生語うれわし‐さ〘 名詞 〙 う【憂】 ( 形容詞「うい」の語幹 ) 多く「あなう(ああ、憂いことだなあの意)」や「こころう(心憂)」の形で多く用いられる。[初出の実例]「しかりとてそむかれなくに事しあればまづなげかれぬあなう世の中〈小野篁〉」(出典:古今和歌集(905‐914)雑下・九三六) うき【憂】 〘 名詞 〙 ( 形容詞「う(憂)し」の連体形の名詞化 ) 憂いこと。つらいこと。悲しみ。苦しみ。[初出の実例]「かくばかりうきには恋の慰までつらきさまざまなげきます哉」(出典:宇津保物語(970‐999頃)藤原の君) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
普及版 字通 「憂」の読み・字形・画数・意味 憂常用漢字 15画(異体字)13画 [字音] ユウ(イウ)・ウ[字訓] うれえる・なやむ・くるしむ・も[説文解字] [金文] [字形] 会意(ゆう)+夊(すい)。頁(けつ)は儀礼の際の人の姿、夊はたちもとおる形、それに心を加えた形であるから、正確にいえば、(しゆ)+夊+心である。ただ憂の初文は、〔説文〕十下にを正字とし、「愁ふるなり。心頁に從ふ。ひの心、顏面に形(あら)はる。故に頁に從ふ」(小徐本)とするが、頁は儀礼に従うときの人の姿である。金文の字は頭に喪章の衰(さいてつ)を加える形で、象形。その中にある形は寡で、未亡人をいう。〔説文〕はまた夊部五下に憂を録し、「和の行なり。夊に從ひ、聲」とするが、和とは優字の訓である。金文の〔毛公鼎〕「先王の憂」の憂は象形。煩擾の意を示す。優・擾はみな憂に従う。[訓義]1. うれえる、なやむ、おもいわずらう、くるしむ、おそれる。2. も、喪中にいる。[古辞書の訓]〔名義抄〕憂 ウレフ・ウレヘ・イタハル・ウレハシキ・ユク[声系]〔説文〕に憂を声とし、また憂声として優・など五字を収める。擾はもと(どう)に従う字で、は手足をはげしく動かして舞う形、煩労の意がある。[語系]憂・優iuは同声。優はもと喪葬のときに、その憂愁の態をなすものであった。yuも同系の語。〔説文〕十下に「は憂ふる皃なり」とみえる。身を拗転して嘆く意であろう。yuは〔詩、小雅、鹿鳴〕に「(いういう)たる鹿鳴」とあって、鹿の哀切な鳴き声をいう。[熟語]憂哀▶・憂恚▶・憂▶・憂畏▶・憂鬱▶・憂慍▶・憂怨▶・憂悔▶・憂▶・憂懐▶・憂慨▶・憂艱▶・憂患▶・憂顔▶・憂危▶・憂喜▶・憂愧▶・憂危▶・憂紀▶・憂悸▶・憂咎▶・憂凶▶・憂勤▶・憂衿▶・憂▶・憂▶・憂苦▶・憂懼▶・憂虞▶・憂結▶・憂惶▶・憂国▶・憂困▶・憂恨▶・憂嗟▶・憂惨▶・憂思▶・憂死▶・憂▶・憂愁▶・憂恤▶・憂傷▶・憂擾▶・憂色▶・憂辱▶・憂心▶・憂人▶・憂悴▶・憂瘁▶・憂世▶・憂悽▶・憂戚▶・憂▶・憂怛▶・憂嘆▶・憂憚▶・憂▶・憂念▶・憂悩▶・憂煩▶・憂悲▶・憂閔▶・憂怖▶・憂憤▶・憂病▶・憂懣▶・憂悶▶・憂約▶・憂愉▶・憂容▶・憂楽▶・憂慄▶・憂慮▶・憂労▶・憂惑▶[下接語]殷憂・隠憂・鬱憂・懐憂・外憂・患憂・寛憂・歓憂・杞憂・喜憂・近憂・娯憂・後憂・困憂・憂・銷憂・深憂・盛憂・積憂・千憂・先憂・憂・多憂・大憂・沈憂・丁憂・同憂・内憂・煩憂・忘憂・無憂・幽憂・離憂 出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報