所為(読み)セイ

デジタル大辞泉 「所為」の意味・読み・例文・類語

せ‐い〔‐ヰ〕【所為】

《「所為」の音「しょい」の音変化か》上の言葉を受け、それが原因理由であることを表す。多く、よくない結果をもたらす場合にいう。「年の所為か疲れやすい」「人の所為にする」「雨続きの所為イネが育たない」「気の所為
[類語]原因もとたね起こりきっかけいん因由素因真因要因一因導因誘因理由事由じゆうわけ近因遠因起因する基づく発する根差す

しょ‐い〔‐ヰ〕【所為】

しわざ。振る舞い。
自分の―に対しては…徳義上の責任を負うのが当然だとすれば」〈漱石それから
そうなった原因・理由。せい。
暴政は必ずしも暴君暴吏の―のみに非ず」〈福沢学問のすゝめ
[類語]所業仕業

そ‐い〔‐ヰ〕【所為】

行い。しわざ。しょい。
「昨日もかちぐりをおっことして、人の―にしたぢゃあねえか」〈洒・素見数子

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精選版 日本国語大辞典 「所為」の意味・読み・例文・類語

しょ‐い‥ヰ【所為】

  1. 〘 名詞 〙 ( あて字で「所意」とも )
  2. ( なすところの意 ) しわざ。ふるまい。転じて、ある行為をとらせた理由。物事の起こった原因。せい。ゆえ。そい。
    1. [初出の実例]「俄(にはか)に形を替て光を放つ事、若し此く得たる玉の所為か」(出典今昔物語集(1120頃か)三)
    2. [その他の文献]〔易経‐繋辞・上〕
  3. 法律で、作為および不作為総称。または行為、特に犯罪行為のこと。

せ‐い‥ヰ【所為】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「所為」の字音「しょい」の変化した語か ) 上のことばを受けて、形式名詞のように用いて、それが原因・理由であることを表わす。ため。せえ。
    1. [初出の実例]「御なごり惜く思さう、泣を流す斗也。階下もをさないせいでも御入なし」(出典:古文真宝彦龍抄(1490頃))
    2. 「気の所為(セヰ)か、粋を通して見て見ぬ風をしてゐるらしい」(出典:浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉一)

そ‐い‥ヰ【所為】

  1. 〘 名詞 〙 おこない。しわざ。また、ある事態の生じた原因。せい。しょい。
    1. [初出の実例]「禅宗は天魔のそいなるべし」(出典:日蓮遺文‐法門可披申様之事(1269))
    2. 「きのふもかちぐりをおっことして、人のそいにしたじゃアねへか」(出典:洒落本・素見数子(1802)二)

せ‐え【所為】

  1. 〘 名詞 〙せい(所為)
    1. [初出の実例]「あのまア、勘平を御覧〈略〉あの大騒動にも間に合はず、是も色事の所為(セヱ)だ」(出典:滑稽本浮世風呂(1809‐13)二)

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普及版 字通 「所為」の読み・字形・画数・意味

【所為】しよい(ゐ)

行為。所行。〔易、辞伝上〕子曰く、變を知るは、其れの爲すを知るか。

字通「所」の項目を見る

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